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2019年04月22日

久しぶりに知人が訪ねてきてくれた。彼は調査の専門家でいろいろ教えてもらった。

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ニーズを知るためにアンケート調査を行うことがある。
しかし、調査対象や調査項目の質問の仕方、回答のあったデータの分析を厳密に行わないと恣意的な結果になりかねない。特に難しいのが質問の内容だ。専門家は、質問の順番でも回答内容が変わると言う。ある質問の回答が次の質問の回答にも影響を与えるというのだ。これは専門用語ではキャリーオーバーという。前の質問で高い評価をすると次の質問に対しても高い評価で答える。逆に低い評価の回答をすると次の質問でも低い評価なるとされる。
したがって、最も知りたい重要な質問は、最初の方に聞くことが大事だとういう。
また、実態よりもイメージが優先される。本当に購入したり体験したりしたことがない場合は、アンケートの対象へのイメージが優先されるのである。また質問の表現でも回答が変わる。価格を重視した質問と、品質を重視した質問の仕方では回答者の気持ちも替わる想定される。例えば、価格に関する必要が無いアンケートで物品や体験などのサービスに対する評価を聞くのと、価格とともに聞くのでは回答が変わることが予想される。価格という項目が入るとよりシビアな判断がされると考えられる。
威光暗示効果という言葉がある。威光のある著名人、専門家がこう言っている、こう書いているというのを示して回答を誘導するようなことである。アンケートの挨拶や前文、あるいは質問の項目で、例えば、現代は、〇〇が重要視されています。というように暗示をかけるようなことである。〇〇には、例えば、現代は食の安心・安全が求められているとか、暗に調査する側が回答を誘導することは避けなければ正確な意見は伺えない。
アンケート調査は本当に難しい。

ところで、内閣府は「世論調査」を実施しており、2018年の11月には、「食と農林漁業に関する世論調査」を行い、その結果を公表している。
https://survey.gov-online.go.jp/h30/h30-shoku/index.html

その前に行われた類似の「農山漁村に関する世論調査」は2014年8月に公表されている。
https://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-nousan/index.html

「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」は、2008年11月に公表
https://survey.gov-online.go.jp/h20/h20-shokuryou/index.html

「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」は、2006年2月公表
https://survey.gov-online.go.jp/h17/h17-city/index.html

「森林と生活に関する世論調査」は、2004年3月公表
https://survey.gov-online.go.jp/h15/h15-shinrin/index.html

「森林と生活に関する世論調査」は、1999年10月公表
https://survey.gov-online.go.jp/h11/sinrin/index.html

「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」は、1997年2月公表
https://survey.gov-online.go.jp/h08/food.html

同じ調査項目では無いので直接的な比較はできないが農林漁業や農山漁村地域に対する国民の考えを知る上で参考となる。
posted by オーライ!ニッポン会議 at 14:23| 犬も歩けば棒に当たる