環境保全型農業直接支払交付金とみどり食料システム戦略について
環境保全型農業直接支払交付金にいては、農林水産省が平成19年度から開始した「農地・水・環境保全向上対策」において、地域ぐるみで化学肥料及び化学農薬を5割以上低減する取組に対する支援(環境支払)を開始し、その後、平成23年度には、国際的な動きとして地球温暖化防止や生物多様性保全への対応が急務となる中、農地・水・環境保全向上対策から環境支払を分離して「環境保全型農業直接支援対策」を創設して、地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動への支援を開始している。
平成26年度に、農業、農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るため、中山間地域等直接支払、多面的機能支払及び本対策を「日本型直接支払制度」として位置付け。平成27年度から、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」 に基づく制度として「環境保全型農業直接支払」を実施している。
本交付金の実施期間は5年間であり、令和7年度から第3期が開始している。
農林水産省は、令和3年度には、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定し、令和4年度に「みどりの食料システム法」を施行。令和6年度に「食料・農業・農村基本法」を改正し、「環境と調和のとれた食料システムの確立」を基本理念に位置付けている。
具体的の環境保全型農業直接支払交付金の制度の概要や成果は、
1.農業者の組織する団体等が実施する化学肥料・化学農薬を原則5割以上低減する取組と合わせ
て行う地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動等に取り組む場合に支援
を実施。
2.地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動として、全国共通の取組のほ
か、地域の環境や農業の実態等を勘案した上で、地域を設定して支援の対象とする地域特認取
組を都道府県の申請に基づき設定し、支援を実施。
3.有機農業に新たに取り組む農業者の受入れ・定着に向けて、栽培技術の指導等の活動を実施す
る農業者団体に対し、活動によって増加した新規取組面積に応じて支援を実施。
4.令和6年度の環境保全型農業直接支払交付金の実施面積は約9.1万ha(日本の農地面積約
427万haの約2%)。
5.平成30年度は、複数取組支援の廃止や天候不順等により、取組面積は平成29年度と比較し
て約9,600ha減少したが、令和元年度以降、実施面積は増加している。
6.地球温暖化防止効果については、本交付金の取組により、令和6年度において
約17.4万tCO₂/年の削減に貢献。
7.生物多様性保全効果については、本交付金の取組は慣行栽培より高い生物多様性保全効果が認
められた。
なお、令和9年度を目標に創設する新たな環境直接支払交付金については、現行の本交付金制度を見直し、みどりの食料システム法認定農業者が先進的な環境負荷低減の取組を行う場合に、導入リスク等に応じた仕組みとする方向で検討中であり、令和7年度に国の第三者委員会で環境保全効果の評価方法の検討を実施。また、現行の本交付金制度の最終評価や新たな環境直接支払交付金の創設に繋げるため、令和7年度中に、現行の本交付金制度の現状・課題整理を実施して令和8年度中に国の最終評価骨子を作成することとし、令和8年度の取組実績が取りまとまる令和9年秋頃に、都道府県の最終評価等を踏まえて国の最終評価を取りまとめる予定である。
▲環境保全型農業直接支払交付金について(農林水産省令和7年8月)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/kakyou_chokubarai/attach/pdf/mainp-1761.pdf
みどり食料システム戦略は、
我が国の食料・農林水産業は、大規模自然災害・地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱
化・地域コミュニティの衰退、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などの政策課題に直面
しており、将来にわたって食料の安定供給を図るためには、災害や温暖化に強く、生産者の減少
やポストコロナも見据えた農林水産行政を推進していく必要があること、また、健康な食生活や
持続的な生産・消費の活発化やESG投資市場の拡大に加え、諸外国でも環境や健康に関する戦略
を策定するなどの動きが見られたことから、今後、このようなSDGsや環境を重視する国内外の
動きが加速していくと見込まれる中、我が国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応
し、持続可能な食料システムを構築が急務となってきたことから、農林水産省は、令和3年に食
料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システ
ム戦略」を策定し持続可能な食料システムの確立に向け、革新的技術の社会実装も踏まえ、長期
的視点に立ったKPIを設定し、様々な施策を展開。また、アジア・モンスーン地域の持続的な食
料システムのモデルとして国外へ発信している。
▲みどりの食料システム戦略に基づく取組の進捗状況と今後の展開(令和7年12月)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/attach/pdf/honbu-217.pdf
みどり食料システム戦略では2050年までに以下のKPIを設定している。
✓ 農林水産業のCO2ゼロエミッション化
✓ 化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減
✓ 化学肥料使用量の30%低減
✓ 耕地面積に占める有機農業の割合を25%%(100万ヘクタール)に拡大
✓ 事業系食品ロスの最小化
✓ 食品製造業の自動化等による労働生産性の向上
✓ エリートツリーの活用割合を90%に拡大
✓ 二ホンウナギ、クロマグロ等の養殖における人工種苗比率100%を実現
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タグ:有機農業 KPI 環境保全型農業直接支払交付金 みどり食料システム戦略 アジア・モンスーン地域 ESG投資市場 健康な食生活 食品ロスの最小化 二ホンウナギ、クロマグロ等の養殖における人工種苗比率100% 食品製造業の自動化 CO2ゼロエミッション
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