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2019年02月18日

「漁師になるには」大浦佳代 著 ぺりかん社 (なるにはBOOKS ; 45)

漁師になるには、どうしたらなれるのという人に向けて書かれている。同時に漁業とは何か、漁とはどういうものかということも知ることができる本である。
若い漁師のドキュメントがあり、それぞれの生き方が生き生きと紹介されている。
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本書は、第1章「海に生きる」の漁師になった人のドキュメントからはじまり、第2章の日本漁業の解説、そして第3章漁師になるための適正や心構え、具体的な就職先方法などを情報収集することができる構成になっている。
農業も農家それぞれに農法があるように、漁師にはそれぞれの漁へのこだわりがあるであろう。その漁師がどうした漁師になったのか、どのような漁をしているのかドキュメントは、我々が普段知ることがない漁師の物語を紡いで紹介してくれる。
第2章「漁師の世界」は、さらに漁の種類、魚が食卓に運ばれる市場の仕組み、漁業権まで触れている。難しいことを易しく伝えるのは難しいが遠洋漁業、近海漁業、漁法の違い、漁業権、漁業法といった専門的な世界をテレビでおなじみのキャスターのように説明してくれる。漢字にルビを振っているのもありがたい。
日本の現在の漁師の数は約15万人。毎年、2000人ほどが漁師になっているそうだ。
漁師の家に生まれたが大学へ進学し画期的な技術を持って帰郷就業した男性の話は、技術革新が漁業にも関係していることを知った。
第一線で活躍する漁師にも船酔いする人はいるそうなので船酔いは心配することは無いという。魚を食べてきた日本人の食を支えてきた漁師という現場に遡って、今の若い漁師の姿を明らかにしている。これからの魚食を支える人たちの心意気が嬉しい。
現在の漁業の基礎をなしたのは、江戸時代とされる。大都市に人が集まり、そこに魚が出荷されることになり、魚の目利きの仲買が生まれる。目利きとは文字道理、魚の目の色で鮮度を測ること。九州西部や紀伊半島は沿岸漁業。遠浅な砂浜がある九十九里などは地引網。岩礁など地引ができない地域は一本釣り。魚が集まるところでは定置網と各地で漁がおこなわれた。
また、江戸時代には海苔、牡蠣、鯉の養殖もはじまっている。獲る漁業と育てる漁業の二本立てである。
良質なたんぱく源をめぐって水産資源の国際間競争も激化している。漁業技術の近代化により少ない労力で漁獲できるようにもなっているが、漁師・水産関係者数の減少によりある県では水産関係労働者の半分が外国人になっているという報道番組も昨年にあった。
今世界に和食が注目されているが、その和食の重要な要素が「魚」。日本文化の重要な部分となっている漁業の今を知ることは、エネルギー問題や輸出産業の動向に注意するのと同様に日本人として大事なことではないだろうか。
posted by オーライ!ニッポン会議 at 15:08| 犬も歩けば棒に当たる