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2025年10月07日

質的統合法の大家 山浦晴男氏の【質的統合法ー渾沌から秩序を導く創発の技法】の単行本が2025/10/19発売されます!

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住民自ら地域づくりを進めるための「地域再生寄り合いワークショップ」のファシリテーターとして全国で活躍し、質的統合法(KJ法)の大家としても人材育成を行っている山浦晴男氏の本が新曜社から出版されます。2025年11月8日、9日に金沢大学で開催する「第5回質的統合法講座(KJ法基礎講座)」でも講師として指導される山浦晴男氏の質的統合法の決定版です。
https://blog.canpan.info/ohrai/archive/911

質的統合法ー渾沌から秩序を導く創発の技法 単行本 – 2025/10/19
山浦晴男 (著), 正木治恵 (著), 赤川学 (著), 税所真也 (著)
新曜社 https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b668387.html
手に入れた膨大な質的データを、どのように整理・統合すれば、新たな発見に至ることができるのか。分析者によるデータの恣意的な選択・解釈を許さず、現象の全体像を掌握する錬成された技法。その理論と実例を網羅した、質的統合法の決定版。質的統合法の開発者による充実した解説にくわえ、看護学や社会学など各分野における実践例を豊富に収録。
質的統合法について学ぶ方には最適の1冊です。

目次
第1部 質的研究法は科学的研究法である
第1章 質的研究における質的統合法の姿  山浦晴男
 1 未来の大学を先取りした「移動大学」 
 2 KJ 法に準拠した質的統合法
 3 目で見る質的統合法の手順 
 4 質的統合法の実例
 5 質的統合法を用いた場合と用いない場合の違い
 6 KJ 法に対する誤解“なんちゃってKJ 法”
第2章 質的統合法に基づく科学的研究の理論化の試み  山浦晴男
 1 科学としての質的研究
 2 データは4重構造をなす
 3 主観性の発揮と客観性の担保
 4 問題意識・実態把握・考察の関係
 5 世界的な業績をなした研究者の研究観
第3章 KJ 法とそれに準拠する質的統合法に内在する思想  山浦晴男
 1 川喜田二郎の生命論的世界観の発露
 2 西田幾多郎の生命哲学の継承
 3 今西錦司の生物学の継承
 4 プラグマティズムとの共通性
 5 マイケル・ポランニーの科学哲学との共通性
 6 付論:「実感科学」の提唱

第2部 質的統合法の研究ノウハウ
第4章 研究のマネジメント   山浦晴男
 1 現場における創造的な問題解決
 2 理論化の研究と技術化の研究
 3 実態把握における質的研究と量的研究の連動の重要性
 4 2つのマネージメント論
第5章 野外調査(現場調査)からのデータ化のノウハウ  山浦晴男
 1 問題意識の形成に基づく解明課題の焦点化
 2 野外調査(現場調査)と記録
 3 データの単位化
 4 データの精選
第6章 質的統合法の統合ノウハウ  山浦晴男
 1 質的統合法の手順
 2 統合ステップ1:ラベル広げ
 3 統合ステップ2:ラベル集め
 4 統合ステップ3:表札づくり
 5 統合ステップ4:グループ編成
 6 構造化ステップ1:見取図作成(空間配置・図解化) 
 7 構造化ステップ2:本図解及び細部図作成
 8 叙述化ステップ:口頭発表と文章化 
 9 パソコンでの作業のやり方 

第3部 質的研究における考察法
第7章 実態把握と考察の峻別の必要性  山浦晴男
 1 考察の発生要因
 2 考察の出発点は研究疑問
 3 考察の思考の仕組みと科学性の担保
第8章 考察法としてのロジカル・ブレスト法  山浦晴男
 1 ロジカル・ブレスト法の原理
 2 ロジカル・ブレスト法の思考展開
 3 Excel を用いた思考の展開方法
 4 ロジカル・ブレスト法の基本要領
 5 教材事例
 6 ロジカル・ブレスト法の応用
第9章 考察法としてのコスモス法  山浦晴男
 1 企画発想法から始まったコスモス法
 2 コスモス法の原理
 3 コスモス法の基本要領
 4 考察事例と考察法研修の感想 

第4部 質的統合法を用いた社会実践
第10章 地域社会の課題解決  山浦晴男
 1 急務となっている地域再生 
 2 地域再生の要件
 3 地域と行政の関係の再構築 
第11章 寄りあいワークショップの進め方  山浦晴男
 1 地域社会における問題解決アプローチ
 2 外の目による事前調査 
 3 第1 回ワークショップ 
 4 第2 回ワークショップ 
 5 第3 回ワークショップ 
 6 実践と振り返り,次計画の立案
第12章 社会実践例  山浦晴男
 1 地域経営の手綱をとって取り組む地域再生:徳島県阿南市加茂谷地区
 2 住民主体の地域計画の立案と実践:鹿児島県西之表市
 3 原発被災者の生活再建に向けた取り組み:福島県富岡町 
 4 「 地域活性化人材育成事業」の基礎調査の分析:山梨県立大学・山梨大学の文部科学省補助事業
 5  14 年間継続している「問題解決法」研修:聖マリアンナ医科大学病院看護部

第5部 質的統合法と看護学
第13章 看護研究における質的統合法の学問的価値  正木治恵
 1 「生きている人間」を理解する術としての質的統合法
 2 全体像を作る術が確立された質的統合法
 3 質的統合法を用いた研究展開の多様性
 4 日本の質的統合法から世界展開へ 
 5 おわりに
第14章  質的統合法を用いた取り組みから見えた看護学分野での活用可能性  佐藤悦子
 1 質的統合法の看護実践への活用 
 2 質的統合法の手法を用いた「寄りあいワークショップ」事例紹介
 3 質的統合法の手法を用いて「寄りあいワークショップ」にかかわるときに大切にしたいポイント
 4 地域看護学領域における質的統合法活用への展望
第15章  急性期看護学の高度看護実践における質的統合法の活用と可能性  遠藤みどり
 1 大学院看護学研究科における質的統合法の導入,適用,応用の段階的な教育
 2 術後疼痛管理に関する先駆的研究における質的統合法の活用
 3 術後疼痛管理研究会の活動推進に向けた研究
 4 大学院看護学研究科の修士論文での質的統合法の活用
 5 修士論文の指導上のポイントと留意点 
 6 おわりに
第16章 質的統合法の魅力と課題と分析のコツ  清水安子
 1 博士課程修了者からみた質的統合法の魅力と課題
 2 質的統合法の分析のコツ
第17章 看護実践のリアルを言葉にする  小林裕美
 1 質的統合法との出会いと現在の位置づけ
 2 表札づくりの中での発見
 3 質的統合法をインストラクションすることからの学び
 4 質的統合法を看護研究に活かす上での今後の課題 
第18章 看護の現象に潜む論理構造の発見から新たな探究へ  林 優子
 1 質的統合法とW 型問題解決モデル
 2 質的統合法の実用にむけて
 3 看護研究への活用の実際
 4 おわりに 

第6部 質的統合法と社会学
第19章 KJ 法の文化伝播  上野千鶴子
 1 京大から東大への文化伝播
 2 質的研究の台頭
 3 質的統合法とうえの式質的分析法 
第20章  質的統合法を社会学の教育現場に導入する過程とその実践的工夫  税所真也
 1 質的統合法導入の経緯
 2 社会学教員がKJ 法指導者を見つけるまでの過程
 3 社会学研究室における質的統合法研修会の開催
 4 2023 年度から社会調査実習に質的統合法を導入
 5 上野千鶴子と質的統合法初心者研修会を開催
 6 教育・研究・実践:今後どのように活用していくことが可能か
第21章 質的統合法実践の海に飛び込むために  井口高志
 1 はじめに
 2 質的統合法と出会う
 3 血友病と周辺女性の経験に関する共同研究プロジェクト
 4 質的統合法の適用を考えてみる
 5 実際の作業手順
 6 おわりに:データの海に飛び込む
第22章 質的統合法を用いてインタビューを読み直す  祐成保志
 1 地域コミュニティ調査におけるインタビュー
 2 調査のフィールド:高齢化・独居化する団地
 3 テーマを絞った俯瞰:支え合いの持続可能性
 4 問いに沿った要約:老いゆく過程の伴走者
 5 脱文脈化と再文脈化:「人は変われる」という主題の変奏
 6 むすび
第23章 社会学における質的統合法の可能性  赤川 学
 1 質的統合法との出逢い
 2 社会学の研究手法:「社会調査の何でも屋」を目指して
 3 質的統合法の「凄み」
 4 山浦晴男作成の見取図
 5 猫という存在:既存のKJ 法による分析
 6 質的統合法による再分析
 7 既存のKJ 法と質的統合法の比較
 8 社会学における今後の展望

第7部 質的統合法と人類学,建築学,教育学
第24章 人類生態学における質的統合法の活用の可能性  小西祥子
 1 フィールドワークにおける質的統合法の活用の可能性 
 2 ヒトの妊孕力と性行動
 3 性行動に関するフォーカスグループインタビュー
第25章 人口人類学における質的統合法の活用  森木美恵
 1 人口人類学と手法的な課題
 2 セックスレス現象と生殖のセックスレス化の兆し
 3 質的統合法によるフォーカス・グループ・ディスカッション分析
 4 まとめにかえて:人口人類学における質的統合法の可能性
第26章 まちづくりの手法と寄りあいワークショップのルーツKJ 法  大月敏雄
 1 1990 年代の住民参加のまちづくりとワークショップ
 2 カンボジアのスラム改善事業で目撃した「衆知を集める」方法
 3 PRA(Participatory Rural Appraisal)とKJ 法
第27章 大学教育分野における質的統合法の需要と有用性  林 透
 1 はじめに:大学教育改革がもたらしているもの
 2 質的統合法を教え,学ぶ価値
 3 思考法・発想法の本質:西田幾多郎・川喜田二郎・野中郁次郎
 4 大学教育におけるサービスラーニング実践事例:内発的地域生成に着目した取り組み
 5 大学における文理融合・STEAM 教育としての実践事例
 6 大学の学士課程教育における質的統合法基礎科目の導入事例
 7 おわりに:現在の課題と未来への展望
第28章 KYKK の現実と質的統合法の未来  松本美奈
 1 広がるKYKK
 2 大学の変容:量と質の視点から
 3 橋を架ける

★参考情報 実際に質的統合法(KJ法)がどのように活用されているのか。山浦晴男氏の分析事例が下記のサイトから閲覧可能です。【知的芸術品ともいえるKJ法による分析結果の公開】の文中から別サイト(山梨県立大学)に飛びます。https://blog.canpan.info/ohrai/archive/732
posted by オーライ!ニッポン会議 at 09:49| 住民主体のワークショップ