
写真:ぱくたそ[ https://www.pakutaso.com ]
新たな「食料農業農村基本計画」の地方意見交換会と意見募集
農林水産省において取りまとめを進めている、今後5年間の施策の具体的な計画となる「新たな食料・農業・農村基本計画」に関する御意見・御要望の募集についてと、骨子案についての地方意見交換会である「食料・農業・農村政策審議会企画部会 地方意見交換会」の開催及び一般傍聴についてが、公表されました。
★基本計画(骨子)に対する意見募集(令和7年2月21日(金曜日)17時00分必着)
https://www.contactus.maff.go.jp/j/form/kanbo/kihyo01/r7kihonkeikaku_iken_boshu.html
△骨子案は、意見募集の下記URLからアクセスできます。
★骨子案についての地方意見交換会
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo01/250207_1.html
・食料・農業・農村政策審議会 企画部会地方意見交換会 開催日時一覧
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/bukai/attach/pdf/index-82.pdf
■食料・農業・農村基本計画 骨子(案)は、全59頁
中山間地域対策に関係する【X農村の振興】は、44頁から48頁まで。以下は目次
X 農村の振興 ...........................................................................44
1 多様な人材が農村に関わる機会の創出..........................................44
(1)民間企業や関係省庁との連携を通じた経済面・生活面の取組 ........44
(2)農山漁村の魅力発信............................................................45
(3)都市農業...........................................................................45
2 農村における所得と雇用機会の確保(経済面) ............................. 45
(1)多様な地域資源を活用した付加価値創出の推進..........................45
(2)農泊の推進 .......................................................................46
(3)農福連携の推進..................................................................46
(4)多様な人材等の参画の推進....................................................46
3 農村に人が住み続けるための条件整備(生活面)............................46
(1)農村型地域運営組織(農村 RMO)の形成推進...........................46
(2)生活インフラ等の確保 ........................................................46
4 地域の共同活動の促進 .............................................................46
5 中山間地域等の振興.................................................................47
(1)中山間地域等の特色を活かした農業 .......................................47
(2)集落機能の維持..................................................................48
6 鳥獣被害対策......................................................................... 48
(1)鳥獣被害対策.....................................................................48
(2)ジビエ利用の拡大 ...............................................................48
◎具体的な施策(一部を抜粋)
1 多様な人材が農村に関わる機会の創出
(1)民間企業や関係省庁との連携を通じた経済面・生活面の取組
・農業者だけではなく、他産業・他地域の民間企業、地方公共団体及び農村を含めた地域振興に係
る関係省庁と連携し、官民共創の仕組みを活用した地域内外の民間企業の参画促進や地域と企業
のマッチング等を推進する。また、具体的な案件形成に向けて、民間資金や人材の確保を行うた
め、「農山漁村における社会的インパクトに関する検討会」において農業・農村における企業等
の事業活動による経済的社会的効果の可視化を図るとともに、地域おこし協力隊や特定地域づく
り事業協同組合制度等の活用を促進する。
・関係省庁との連携の下、住居、交通、医療・福祉サービス等の生活インフラの確保や女性や若手
などの暮らしやすさ・働きやすさの向上、地域おこし協力隊の農業への従事や農村 RMO への参
画、特定地域づくり事業協同組合制度による農村 RMO や農業等への人材派遣、中山間地域にお
ける地域資源やデジタル技術を活用した地域活性化、郵便局・物流事業者等と連携した市街地と
農村間における食品・日常品、農産物等の物流網の維持・確保を推進する。
・二地域居住の普及・定着等による農村への人の呼び込み、都市部や市街地の企業の CSV(共通
価値の創造)活動や研修等による持続的な農村への社員の派遣、官民の副業の促進等により、通
いによる農業への参画・コミュニティ維持などの取組を推進する。
・現場の多様な課題やニーズに対して、農林水産本省、地方農政局及び地方参事官の職員により、
現場の実態や課題の把握、関係省庁の補助事業の紹介、関係省庁との連絡調整等を行う伴走支援
体制を構築し、関係省庁のものを含めた農村振興に係る施策を総合的かつ一体的に推進する。
・上記の取組を進める際、「『農山漁村』経済・生活環境創生プロジェクト」により、関係府省、
地方公共団体、郵便局、民間企業、金融機関、教育機関等の参画するプラットフォームの下、地
域と企業のマッチングや連携を進め、多様な人材が活躍できる場の創出を図る。
3 農村に人が住み続けるための条件整備(生活面)
(1)農村型地域運営組織(農村 RMO)の形成推進
・農用地の保全、地域資源の活用、生活支援などに取り組む農村 RMO の形成を、女性や若手など
の多種多様な人材も巻き込みながら推進する。特に、中山間地域等の小規模集落向けに、
農村 RMO の立上げや活動充実の後押し、市町村・都道府県・関係府省庁と連携したサポート体
制の構築を推進する。
(2)生活インフラ等の確保
・交通空白地等における自家用有償旅客運送等の移動手段の確保、持続可能な交通ネットワークの
再構築を推進する。
・農村に人が住み続けられる条件を整備するため、農業集落排水施設、農道等の再編・強靱化、高
度化や地域資源利活用施設の整備等を推進する。
4 地域の共同活動の促進
・多面的機能支払制度について、活動組織の更なる体制強化に向け、都道府県、市町村等による企
業、学校、農業に関心のある非農業者等と活動組織とのマッチングを推進することにより、多様
な組織や非農業者の参画を若手の確保を図りつつ促進する。また、都道府県、市町村等の支援に
より広域化を推進することで、集落の枠組みを超えて広域的に保全管理活動を実施できる体制を
構築する。
・中山間地域等直接支払制度について、共同活動が継続できる仕組みを構築するため、集落協定の
ネットワーク化や多様な組織等が活動への参画が可能な体制づくりを推進する。
・多面的機能支払制度と中山間地域等直接支払制度の両制度に取り組む地域における事務局の一元
化や事務手続の簡素化、デジタル技術の活用等の効率化を推進する。
5 中山間地域等の振興
(1)中山間地域等の特色を活かした農業
(農業生産条件の不利の補正)
・傾斜地が多く、まとまった農地が少ない等、不利な農業生産条件を補正する中山間地域等直接支
払制度については、農業生産活動等が継続できる仕組みを構築するため、集落協定のネットワー
ク化や多様な組織等が活動への参画が可能な体制づくりを推進する。
(地域特性を活かした農業生産、付加価値向上に向けた取組等)
・冷涼な気候等、中山間地域等の自然条件を活かして収益力の向上につなげるため、その地域特性
を活かした高収益作物の導入や有機農業の推進等を支援する。
また、地形的制約に応じて、米、野菜、果樹、飼料等の複数の作物生産のほか、畜産や林業、他
業種も含めた多様な組合せによる複合経営の取組を支援する。
・中山間地域等において、生産現場におけるスマート農業技術の活用を促進するため、多様な地域
課題に対応したスマート農業技術の開発・供給を推進すると
ともに、立上げの促進や収益性を確保しうる事業手法の導入等を通じたサービス事業者の育成・
確保を図る。また、スマート農業技術に対応した基盤整備を推進しつつ、自動給水栓やリモコン
草刈機の導入を進める。
・地域の特色を生かした農産物のブランド化、地域資源を活用した商品開発等により付加価値の向
上を図るとともに、流通・販売事業者とのマッチング等、販路開拓の取組を支援する。
・中山間地域等において、地域の特色を活かした農業の維持・発展を図るために必要な農地、農業
水利施設、生産・販売施設等の総合的な整備を推進する。
・中山間地域等の競争力強化のため、集出荷貯蔵施設や冷凍野菜の加工・貯蔵施設等の産地の基幹
施設の整備・再編等を支援する。
・中山間地農業の振興を図るため、地域の特色を活かした収益力向上等の活動に対して各種支援事
業の優先採択など優遇措置を講ずる。
(地域の土地利用構想の作成・実現)
・地域ぐるみの話し合いによる土地利用構想の作成と、当該構想に基づく、省力化作物の栽培、放
牧等の粗放的な利用を含めた農地の保全に必要な基盤整備・施設整備、鳥獣被害防止対策等への
支援や計画的な林地化などにより、荒廃農地の発生防止と再生・解消の取組を推進する。
(2)集落機能の維持
・農用地の保全、地域資源の活用、生活支援などに取り組む農村 RMO の形成を、女性や若手など
の多種多様な人材も巻き込みながら推進する。特に中山間地域等の小規模集落向けに、
農村RMO の立上げや活動充実の後押し、市町村・都道府県・関係府省庁と連携したサポート体
制の構築を推進する。
6 鳥獣被害対策
(1)鳥獣被害対策
・ICT 等を活用した遠隔監視や捕獲データの収集・分析等により、見回り作業の省力化や、捕獲を
強化すべき地点の特定など、効果的かつ効率的な捕獲対策を推進する。また、これらの対策の企
画を担う高度な人材の育成を図る。
・都道府県・市町村が連携し、生息状況の把握とそれを踏まえた広域的な捕獲活動を推進する。
また、侵入防止柵の集落単位での設置を進め、地域全体で適切に維持管理する。
・特に被害が増加している市町村に対しては、国・都道府県が連携し、課題解決に向けて伴走支援
を行う。
(2)ジビエ利用の拡大
・衛生管理の知識等を有するジビエハンターの育成、処理加工施設等の整備、ペットフード利用も
含む衛生管理の高度化、観光と組み合わせる等の新たな需要喚起といった、捕獲から消費の各段
階での対策を重点的に講ずる。
814
タグ:農村に人が住み続けるための条件整備 鳥獣被害対策 農村の振興 新たな「食料農業農村基本計画」 地方意見交換会と意見募集 基本計画(骨子) 中山間地域対策に関係 多様な人材が農村に関わる機会の創出 農村における所得と雇用機会の確保 地域の共同活動の促進 中山間地域等の振興 ジビエ利用の拡大
【全国中山間地域振興対策協議会の最新記事】
- 中山間地域振興に極めて重要な2つの法律
- 農林水産省は、令和7年3月21日に「地方..
- 食料・農業・農村政策審議会企画部会(第1..
- 農村振興に関係するKPI案(食料・農業・..
- 中山間地域等直接支払制度の第6期対策(新..
- 令和7年度総会の開催は、5月13日(火)..
- 令和7年度 中山間地域振興対策に関する予..
- 令和7年度 中山間地域振興対策に関する予..
- 今回の議題は、【「若者・女性にも選ばれる..
- 2/13「農山漁村」経済・生活環境創生プ..
- ローカル・ゼブラ企業とは。。。何事も「し..
- 令和7年2月4日「農山漁村」経済・生活環..
- 令和7年3月末で期限を迎える棚田振興法
- 食料・農業・農村基本計画 骨子(案) に..
- 中山間地域等直接支払制度は、時代に合わせ..
- 農林水産省の第1回農山漁村における社会..
- 農山漁村における社会的インパクトに関する..
- 令和7年2月14日(金)第12回全国鳥獣..
- 令和7年度中山間地域に関わる予算について..
- 農林水産省「農山漁村」経済・生活環境創生..