農村RMO育成支援のための寄合ワークショップを終えて
一人では、難しいけれど、みんなで集まれば知恵も勇気も、やる気もでてくる。
そして、具体的な進め方も考え合意形成を行う、未来に向けて地域づくり、農村の生き残りに協働で進めていく元気が湧いてくる。
地域の農村RMO運営組織協議会からの依頼を受けて、各地区における農村RMO運営組織協議会が目指す方向性を定める「ビジョンづくり」の一環として、地域再生寄り合いワークショップを3回開催しました。
当該地域でのワークショップの結果、主に以下の取り組みについて、優先順位や、いつから実施するか、誰が行うか等々の合意形成を図りつつ、実行計画案ができました。
今後、この実行計画案に基づき、事業を展開していくことになります。
1.農業の振興、農地の保全に結び付くテーマ
・「竹林を利用した里山整備」もともとはタケノコなど産地でもあったが、
竹パウダー等の製品化などにより新たな産業づくりにも。
・「ITによる鳥獣害対策」ジビエの活用施設もできているが、広範囲な地域の鳥獣被害対策の
ために罠センサー、ドローンなどICTの活用が不可欠
・「農泊で地域おこし」宿泊施設が少なく通過型になっている、歴史的な遍路道でもあるので、
空家活用や離れ等活用した農泊で農作業体験を加味した賑わいも。
・「草刈り隊結成による農地の保全」農業生産に関係した関係人口増加や農業移住者増加の
一環にもつながる。
2.暮らしの支援
・「交通弱者を支援するためのシステムの導入」移送支援、移送ボランティアの拡大
・「移住者や農家さらに高齢者など多世代で交流できる場づくり」
・「点在する空家の再生による移住者の確保」
・「■■小学校の利活用」思い出のある小学校が休校になったままなので、住民同士の交流、
子ども主体のまちづくりの拠点や外部の人との関係人口の創出も。
3.地域資源の活用
・「●●地区アウトドアパークの設置」自然と遺跡にあふれた当該地域を活かした
体験型の交流人口を目指すために。
・「▲▲山の整備」日本最古の辰砂の坑道や世界唯一のカタツムリなどの
歴史(縄文、弥生文化生活)と自然のロマンを活かしてさまざまに活用できる。
・「■■小学校の利活用」思い出のある小学校が休校になったままなので、この施設を有効に
活用して多世代の交流や対外地域からの関係人口や体験交流人口の増加に役立てたい。
★【農村RMO関連参考情報】
★1.農村RMOとは、
@ 地域の抱える課題をとりまとめ、その解決に向けて必要な、「農用地や用水路の保全」、
「地域資源の活用」、「生活支援」などの取組を一体的に調整・実行する組織。
➁ 組織の構成メンバーは、地域内の住民団体やNPO法人、社会福祉協議会などで構成される。
地域協議会の構成例
★ 多面的機能支払交付金の活動組織
★ 中山間地域等直接支払交付金の集落協定
★ 住民組織 町内会 公民館 PTA
★ 自治体 県 市町村
★ 認可団体 土地改良区 JA 社会福祉協議会など
★2.農村RMOでできる取組
@ 農用地の保全
「多面・中山間地域等直接支払交金」の事務作業支援
・水管理、農用地保全、鳥獣被害防止策
➁ 生活支援
・移動支援制度(買い物、通院通学)
・子育て支援・移住者交流拠点
・農産物の集出荷など
B 地域資源の活用
・新規就農者、移住就農者への技術伝承、生産性向上(ICT活用)
・特産品、観光資源を活かした収益策
★3.農林水産省の農村RMOの形成推進施策
農村型地域運営組織(農村RMO)形成推進事業
(農山漁村振興交付金(中山間地農業推進対策))
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tiiki/sesaku/attach/pdf/chusankan_suishin-1.pdf
◎「地域再生寄り合いワークショップ」は、KJ法の手法を活用して、地域住民が自ら地域づくりについて考え、行動を起こすための、地域の課題の把握、地域の資源の洗い出し、アイデア創出、行動計画の作成を支援するものです。具体的なテーマにより、さまざまな形で住民主導の取り組みに活用できます。
例えば、鉄砲伝来で有名な種子島にある鹿児島県西之表市では、地域再生寄り合いワークショップの生みの親であり、情報工房代表/千葉大学大学院看護学研究科特命教授の”山浦晴男氏”を講師に迎えて令和3年度から過疎化・少子高齢化などの地域課題に対する解決アイデアを検討しながら、「地域計画」策定のための実行計画を作成することを目的に「地域ワークショップ」を実施しています。
種子島の西之表市では、住民へのアンケートとワークショップを併せて地域づくりの実行計画づくりに取り組んでいます。まず最初に、高校生以上の方を対象に地域アンケートを実施し、次に、「困りごと」と「こうありたい未来」をつなぐ解決アイデアを1回目の地域ワークショップにてアイデア図として作成するのです。そして、最後となる2回目の地域ワークショップでは、アイデア図をもとに実行計画を作成します。特定の地域だけワークショップをするわけにはいかない。全域を効率よく一括して地域づくり計画をそれぞれの地域住民主体に取り組む手法として参考になります。
●鹿児島県西之表市「地域ワークショップ」
https://www.city.nishinoomote.lg.jp/admin/soshiki/tiikishien/communitybuild/5932.html
令和5年度 4地区実施
令和4年度 4地区実施
令和3年度 4地区実施
★地域再生寄り合いワークショップについては、下記のページをご覧ください。 https://blog.canpan.info/ohrai/archive/584
農村RMO育成のための地域再生寄合ワークショップについては、下記のページをご覧ください。
2023年10月02日
農村RMO育成のための寄合ワークショップが始動しました!
https://blog.canpan.info/ohrai/archive/652
▲山浦晴男氏は、東京大学での質的統合法(KJ法)指導者研修会にも招致されています。
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/sociology/category/event/
(一財)都市農山漁村交流活性化機構 地域再生寄合ワークショップ事務局
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タグ:子育て支援 公民館 社会福祉協議会 寄合ワークショップ 合意形成 ビジョンづくり 農村RMO 中山間地域等直接支払交付金 育成支援 農村の生き残り 知恵も勇気も、やる気もでてくる 農村RMO運営組織協議会 農業の振興、農地の保全 暮らしの支援 地域資源の活用 多面的機能支払交付金 住民組織 特産品、観光資源を活かした収益策 移動支援制度 鳥獣被害防止策
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