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2023年01月14日

人の心を揺さぶる「みる・あるく・きく」と「農村でしかできない体験やふれあいと少々の不便さ」

2022の本番用 グリーン・ツーリズム施策について.jpgグリーン・ツーリズムの歴史について.jpgヤハハエロ.jpg
関西の大学でグリーン・ツーリズム講座をしました。

我国のグリーン・ツーリズムの歴史(政策や官民のさまざまな取り組み)を語るなかで、学生の大いなる関心を引いたのは、農山漁村の生活文化の田舎そのものを体験する「ふるさと体験ツアー」でした。
1987(昭和62)年5月に、財団法人ふるさと情報センター(都市農山漁村交流活性化機構の前進団体)と近畿日本ツーリストは群馬県上野村を訪問する「第1回ふるさと体験ツアー」をスタート(後に雑誌「旅の友」の宅配による集客)させました。
大手旅行会社が誇るツアーシステム(びっくりバスツアー!)と農山漁村の伝統行事や食事など地域の人々との交流を中心とした交流をプログラム化した初めてのツアー商品が日本に生まれた瞬間です。
講演では、1994(平成6)年1月14日(金)〜16日(日)ふるさと体験ツアー【山形県 飯豊町 ヤハハエロツアー2泊3日 33,800円(東京発着)】を紹介し、グリーン・ツーリズムの特徴をこのツアーから述べました。

学生の感想には、
「単なるモノやサービスによる観光ではなく、人と人とのつながりや温かさ、人間味を感じることができる観光こそがグリーン・ツーリズムの醍醐味ではないかと思った。」
「グリーン・ツーリズムをただの観光や商品とひとくくりせず、人と人との出会い、ふれあいを通してこそえられるお金では買うことができない体験ができるものとして大切である。」
「農村でしかできない体験やふれあいの部分と少し不便さもグリーン・ツーリズムの魅力だと思う。」等々、グリーン・ツーリズム、ふるさと体験ツアー、教育旅行について、その斬新精やその地域効果への多様な評価を沢山いただきました。
(現代のSDGs等の社会問題に取り組む意識と比べ、当時は経済効果優先と見られていたのかもしれませんが、高い社会性を持った取り組みが進められていた点も興味を引いたのではないかと想像しています。)

感想文を読んでいるうちに、故・宮本常一氏の「みる・あるく・きく」を思い出しました。
宮本常一氏は歩く巨人と言われたように、日本全国をフィールドワークし1200軒を超える民家に泊まり、地域のお年寄りから話を聞いた民俗学者です。
「みる・あるく・きく」は、近畿日本ツーリストが設立し、宮本常一氏が所長を務めた日本観光文化研究所(1966年から1989年まで)が発行していた月刊旅雑誌でした。折しも日本は高度成長時代真っ只中、海外旅行も含めて旅行が大きく変わってきた時代です。

ふるさと体験ツアーは、日本観光文化研究所を作った近畿日本ツーリストがふるさとを体験するツアーを商品化するために、出向者を派遣し開発したものです。
コンセプトは、村おこし、町づくり運動の一環として、関係市町村とふるさと情報センターが協力して、既存の観光旅行では味わうことができなかった人と人とのふれあい、地域とのふれあいを体験してもらうために、村の古老が案内してくれる伝統行事や祭事、鍛え抜かれた技を披露し指導してくれる村の練達。そのような魅力的な体験を盛り込んだツアーを提供するでした。

ふるさと体験ツアー初代担当者のM・Nさんは、城山三郎著作の『臨3311に乗れ』(1975年)を読んで(野武士集団)憧れ、近畿日本ツーリストに入社した筋金入りの旅人でした。日本のふるさとの魅力を旅行として多くの人に紹介しようと調整・開発・販促にと奮闘努力しました。(※ ふるさと体験ツアーは、平成5年5月までに第117回企画実施されました。旅行主催は、近畿日本ツーリスト東京メディア販売事業部)

あるく みる きく双書「宮本常一とあるいた昭和の日本」全25巻セットが発行されています。
https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54010200/
https://www.ruralnet.or.jp/zensyu/miyamoto/

山形県飯豊町では、現在も続けられています。
2023年1月14日(土)〜15日(日)@中津川地内
2023年2月12日(日)〜13日(月)@白川荘
https://tour.arcadia-kanko.jp/products/detail/250
ふるさと情報センター パンフ.jpg

関連情報

本ブログでもおなじみのKJ法の発明者 川喜田二郎氏(東京工業大学名誉教授)が参加し、また神崎宣武氏による「宮本常一の民族学と農村振興」が収録されています。

地域活性化の問題にとどまらず「暮らしのあり方」「美しい日本」の景観保存のあり方、伝統や文化の継承・再生・再創造へのヒント、さらに、今後の日本のゆくえ、日本人の生き方を考えるために、開催された21世紀フォーラム「いま、いま地域に生きること」2001年6月をリンクします。

21世紀フォーラム「いま、いま地域に生きること」2001年6月
http://www.ifeng.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2012/05/PF-2000-05.pdf

1.座談会「村の将来と日本人」
  KJ法の発明者 川喜田二郎氏(東京工業大学名誉教授)が参加しています。
2.むらからの声、まちからの声
  P35 「宮本常一の民族学と農村振興」 神崎宣武氏(宇佐八幡神社禰宜)

(一財)都市農山漁村交流活性化機構
コミュニティビジネス事務局

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posted by オーライ!ニッポン会議 at 06:56| 犬も歩けば棒に当たる