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2021年07月27日

農林水産白書を読む

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昨年度の白書では、女性農業者の活躍や農業と福祉の連携が大きくとりあげられました。
令和3年5月25日に公表された令和2年度農林水産白書(令和2年度 食料・農業・農村の動向
令和3年度 食料・農業・農村施策 )は、新型コロナウイルス感染症が農業食料に与えた影響やスマート農業など新たな時代をおける農業食料と農山漁村の振興について取り上げられています。特に気になった点をメモしました。詳細は、農林水産省のWEBページをご覧ください。

https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r2/index.html

【1.外食産業の売上げが大幅に減少】
2020年の外食産業全体の売上⾼は前年と⽐べ15.1%減となり、1994年の調査開始以来最⼤の下げ幅。(⼀般社団法⼈⽇本フードサービス協会調査)テイクアウト・デリバリー需要に⽀えられたファストフードは3.7%減に。パブレストラン・居酒屋では49.5%減と⼤きなダメージを受けた。
2020年5⽉以降は、緊急事態宣⾔の解除により全ての業態で売上げは回復し、同年11⽉の外食産業全体の売上⾼は前年同⽉⽐で9割強まで回復したものの、その後の新型コロナウイルス感染症の再拡⼤を受けて再び減少した。2021年1⽉に緊急事態宣⾔が再度発出され、同年2⽉の外食産業全体の売上⾼は前年同⽉比で77.7%

【2.インバウンド需要は大幅に減少】
2020年の訪⽇外国⼈旅⾏者数は、外国との往来規制により前年⽐で9割弱減少し、412万⼈。これにより、訪⽇外国⼈旅⾏者の旅⾏消費額も同程度減少していると考えられる。(⽇本政府観光局(JNTO)の調査)

【3.ロシアなど穀物の輸出国等の19か国が輸出を規制】
新型コロナウイルス感染症の拡⼤により、2020年度においては、⼩⻨の主要輸出国であるロシア等19か国が輸出の規制をした。輸出規制を実施した国の多くはその後、輸出規制を解除しました。

【4.販路の維持、拡大に向けた動き】(オンラインでの販売・PRが増加)
新型コロナウイルス感染症により、オンラインを通じて消費者に直接販売する動きが出ている。⻑野県塩尻市しおじりしで葉物野菜等を⽣産者は、学校給食⽤にほうれん草を卸していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で学校給食が停⽌し、代わりに、直接販売サービスを運営するWeb サイトにほうれん草を約150kg出品し、全て販売。Webサイトを通じて農産物の直接販売に取り組む⽣産者は増加し「食べチョク」は、2020年の登録⽣産者は前年⽐で約4倍増加し、来園者が減少した観光農園では、SNS等のオンラインを通じて消費者と交流することにより、販路を維持していると。
山形県のさくらんぼ農園は、毎年約2万⼈がさくらんぼ狩りに来園するが、新型コロナウイルス感染症により、観光農園を休業したがダイレクトメールやSNS等の発信により、主に若い世代からの購⼊申込みが⼤幅に増加し、オンライン通販による売上げは、前年⽐で2倍以上に。

【5.食品産業の国内⽣産額は101.5兆円】
食品産業の国内⽣産額は、近年増加傾向にあり、2019年は、前年と⽐べ1.0兆円増加し、101.5 兆円となった。食品製造業ではそう菜・すし・弁当、パン類、めん類等の⼯場出荷額、関連流通業では⼩売業のマージン額、外食産業では飲食店の売上⾼等が増加した。なお、全経済活動に占める割合は前年と⽐べ0.1ポイント増加し、9.7%。

【6次産業化による農業⽣産関連事業の年間総販売⾦額は2兆773億円】
6次産業化に取り組む農業者等による加⼯・直売等の農業⽣産関連事業の年間総販売⾦額は、近年増加傾向で推移しているが、2019年度の年間総販売⾦額は、前年度と比べ268億円減少し、2兆773億円。

【7.地域の雇⽤において重要な役割を果たす食品製造業】
各都道府県の全製造業の従業者数に占める食品製造業の従業者数の割合は、多くの都道府県で1割を超えている。特に北海道と沖縄県では4割を超えている。全製造業の従業者数に占める食品製造業の従業者数の割合の順位では、1位が25道府県、2位が12都府県、3位が5県と、42都道府県においては、1位から3位にランクインしている。食品製造業が地域の雇⽤において重要な役割を果たしている。

【8.⿃インフルエンザと豚熱の感染拡⼤防⽌対策の強化】
鳥インフルエンザは、2020年11⽉、⾹川県で約3年ぶりとなる⾼病原性⿃インフルエンザが発⽣し、2021年3⽉末時点で18県4の農場において52例の発⽣が確認された。
豚熱は、2018年9⽉、岐⾩県で我が国において26年ぶりとなる豚熱が発⽣し、2021年3⽉末時点で、12県の豚⼜はイノシシの飼養農場において63例の発⽣が確認。また、野⽣イノシシにも豚熱ウイルスが浸潤し、2021年3⽉末時点で、24都府県にまで感染区域が拡⼤し、豚等及び野⽣イノシシにおける感染拡⼤防⽌とその後の清浄化が懸案となっている。

【9.スマート農業の推進(スマート農業の開発・実⽤化が進展)】
ロボット、AI1、IoT等の先端技術を活⽤したスマート農業は、近年、衛星測位を活⽤したロボットトラクタやロボット⽥植機の有⼈監視下での⾃動⾛⾏、ドローンによる農薬散布、ドローン・⼈⼯衛星等によるセンシングで得られた⽣育データの活⽤等様々な技術の実⽤化が進んでいる。
2020年度は、新たに全国551地区で実証プロジェクトを開始し、中⼭間地域は31地区(うち棚⽥5地区)、被災地で9地区、シェアリング・リース等の新サービスで7地区を採択したほか、2019年度に採択実績がなかった地区(埼⽟県、⼤阪府、⿃取県、徳島県)や少なかった品⽬(野菜、果樹、畜産等)を採択し、労働時間の削減やコストの削減等の効果を検証している。

【10.有機農業の更なる推進 (有機食品の市場規模が拡⼤)】
欧⽶を中心に世界の有機食品市場は拡⼤しており、2008年からの10年間で倍増している。世界の有機農業の取組⾯積も、同期間に2倍に拡⼤、2018年の欧州における取組⾯積は1,560万ha、欧州全体の耕地⾯積に占める割合は3.1%。我が国においても有機食品の市場規模は拡⼤しており、2009年の1,300億円から2017年には1,850億円と、8年間で1.4倍になったと推計。我が国の有機農業の取組⾯積も2010年度から2018年度にかけて4割拡⼤し2.4万ha4、全耕地⾯積に対する割合は0.5%。

【11.有機農業の取組拡⼤に向けて】
「有機農業の推進に関する法律」に基づき2020年4⽉に定められた「有機農業の推進に関する基本的な⽅針」では、今後の国内外の有機食品市場の拡⼤を⾒通し、我が国の有機農業の取組⾯積を2030年までに6.3万haとすることを⽬標とし、2021年3⽉に公表されたみどりの食料システム戦略の中間取りまとめにおいては、2050年までに、有機食品市場を拡⼤しつつ、耕地⾯積に占める有機農業の取組⾯積割合を25%(100万ha)に拡⼤することを⽬指す。

【12.中⼭間地域の総農家数、農地⾯積、農業産出額は全国の約4割】
【我が国の果実の4割以上、畜産の5割以上は中⼭間地域で⽣産】
中⼭間地域は、総農家数、農地⾯積、農業産出額の約4 割を占めるなど、食料⽣産を担うとともに、豊かな⾃然や景観の形成・保全といった多⾯的機能の発揮の⾯で重要な役割を担っている。
農業産出額に占める中⼭間地域の割合は2015年は⽶や穀物・⻨類の割合が2〜3割程度の一方、果実では4割以上、畜産では5割以上を占め全品⽬の平均値である約4割より高い。

【13.ビジネスとして実施できる体制を持った農泊地域】
農泊は、農⼭漁村において農家⺠宿や古⺠家等に滞在し、我が国ならではの伝統的な⽣活体験や農村の⼈々との交流を通じて、その⼟地の魅⼒を味わってもらう農⼭漁村滞在型旅⾏のこと。
農林⽔産省は、2020年度末時点で、全国554 地域を農泊推進対策地域として採択し、宿泊、食事、体験に関するコンテンツ開発等、農泊をビジネスとして実施できる体制構築等の取組を⽀援。
2017年度から、宿泊、食事、農林漁業体験等のプログラムを提供する、地域の多様な関係者を構成員とする協議会や、農泊実施の中⼼となる役割を担う法⼈の設⽴等の体制整備を進め、その結果、2019年度までに採択された515地域では、2017年度末では約4,700件だった体験プログラム数が、2019年度末時点で、約8,200件に増加。延べ宿泊者数は2017年度の約503万⼈から約589万⼈へと増加し、そのうち、訪⽇外国⼈旅⾏者の延べ宿泊者数は約38万⼈に増加した。

【14.農地付き空き家等の契約数が増加】
農村への移住希望者にとって、住宅の確保は、収⼊の確保とともに重要な課題。国⼟交通省は、⼀部の地⽅公共団体が行う、空き家等の情報サイトを⼀元化したWeb サイトを2018年に開設し、「全国版空き家・空き地バンク」として運営している。同Web サイトに登録されている物件数は増加しており、2020年10⽉末時点で1万1,048 件。うち495件が農地付き空き家。また、同Web サイト開設以降、契約件数も増加しており、同年10⽉末時点で630件の農地付き空き家を含む約6千件が契約された。

【15.地域運営組織による地域づくりの取組が進展】
地域課題の解決に取り組む地域運営組織(RMO)は、公共施設の維持管理といった⾏政の代⾏事業や地域イベントの運営といった多様な活動を⾏っており、近年、その形成数は増加している。農林⽔産省は、農林漁業の振興と併せて買物・⼦育て等の地域のコミュニティの維持に資するサービスの提供や、地域内外の若者等の呼び込みを行う事業体の形成等を⽀援している。また、リーダーの世代交代等に関係なく地域を持続的に⽀えることができる体制を構築し、地域を維持していくため、中⼭間地域等直接⽀払制度における地域の集落戦略作成を推進すること等を通じて、地域運営組織の形成と地域づくりの取組を推進している。さらに2020年5⽉から「新しい農村政策の在り⽅に関する検討会」において、集落機能の維持・強化に資する地域運営組織への⽀援等について議論を⾏っており、2021年6⽉までに取りまとめる。
上記のまとめは、本ブログ2021年06月10日にて解説済み。
https://blog.canpan.info/ohrai/archive/401


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