2016年春に、まち・ひと・しごと創生本部の「地域の課題解決のための地域運営組織に関する有識者会議 (第2回)」というものが3月25日(金)17:00〜19:00於:中央合同庁舎8号館8階特別中会議室で開催され、この会議で、地域再生のワークショップの大家である山浦晴男先生が内閣府から参考人として呼ばれ、地域再生のための寄りあいワークショップの手法を説明しています。
(有)情報工房の山浦晴男先生が進めている地域再生ワークショップのテキストも公開されていますが、座長の明治大学農学部の小田切徳美教授等有識者との意見交換のなかで、地域を再生するための寄りあいワークショップとはどのようなものか、理解促進のために参考まで意見交換の内容を抽出します。
https://www.chisou.go.jp/sousei/meeting/chiisana_kyoten/rmo_yushikisyakaigi/h28-03-25.html
(このサイトから山浦晴男先生の資料がダウンロードできます。)
1.地域再生の原理―地域自治組織の再構築
結論から言うと日本の地域は、課題の「解」の創造と「合意」の創造をセットにしないと動かない。
今まで離島に20数年関わり、現在は和歌山県のむら機能再生支援事業に10年間取り組んできた。10年間で52地区取り組み、ソフトの事業を行ってきた。農業農村整備課の評価では、半分の地域が再生軌道に乗ってきている。ただし、華々しい成果を上げている訳ではないが、どの地域でも立ち上がるための方法論が必要だということで取り組んできた。
地域を取巻く環境の変化に対応できていないことが最大の要因である。伝統の力である「自治区役員組織」の力はしっかりしているが、環境変化に対応できていないので課題ができてしまった。
環境の変化に対応した新たな課題への対応をする。そしてその解決の方向に向かうため、新たな「課題解決組織」を作る。その組織によって「地域ならではの新しい価値を創造」していく。これができれば、地域は再生していくのではないかと思っている。「伝統の力」と「革新の力」を両輪にして自治コミュニティの再構築を図る。そして、地域ならではの新たな価値を生み出し、「Uターン者の呼び戻し、継承」をする。「Iターン者の呼び込み、受け入れ」をする。そういった仕組みを作ることによって地域は再生していく。
山浦先生は、川喜田研究所でKJ法の研究と普及に20年間従事した後、情報工房を設立。
住民主体の地域づくり(再生)活動のアドバイザーとして、中央省庁や全国各地の自治体等から招請に応え、地域再生ワークショップの実践や質的統合法(KJ法)を用いた『地域再生』の手法を学ぶ指導者育成に各方面から高い評価を受けています。
過疎が進行する村では、中学生の総合学習を指導し、寄りあいワークショップ方式で生徒と一緒に地域再生を考える課題解決学習を行っています。
また、東京農工大学「農業環境工学特別講義」「農村計画学演習」、千葉大学大学院看護学研究科特命教授、名桜大学「看護学研究方法論」、明星大学「人材教育論」、北陸先端科学技術大学院大学「知識創造論」などで非常勤講師として指導するなど、地域の“げんき”、企業、行政、医療福祉の“げんき”、大学の“げんき”と3つ元気づくり支援を通して、「野外科学とKJ法」を継承し、日本を“げんき”にしていきたいと願い活動しています。
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つぎへ続く
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