山村地域の課題の一に木材価格低迷による森林の整備が放棄されつつある状況がある。林業活性化のために、間伐を利用した薪ボイラーを導入した道志村の木の駅プロジェクトは、温暖化対策と森林の整備と都市との交流の3つを繋ぐ取り組みである。
道志村は、神奈川県と県境を接する山村地域。道志川沿いに村地が展開する狭い土地に9割を超える森林を有する。
木の駅プロジェクトとは、高知県のNPO土佐の森救援隊がNEDOと連携して林地残材収集システムの一部を社会実験の研究成果によって大規模プラントがなくても全国どこでも導入できる形にして移築する試み。森林整備と地域経済の活性化を目的とした事業。
形質が悪く市場価値の低い丸太をC材と呼ぶが、多くの山村で搬出されずに林地に放置されている。このC材を森林所有者や森林ボランティアの方々が気軽に木材を搬出して収益を得ることを可能にした仕組みが木の駅プロジェクト。
2mより短い木でも軽トラに乗せて『木の駅』に出せばお小遣いになる」という仕組みの構築により小規模自閥林家の人が山に放置されている残材を搬出するのを支援すると同時に、支払いを地域通貨で行うことで、地域経済の活性化を図ることを狙いとしている。
切り出した間伐は、貯木され、町営温泉施設で、gasifire(株式会社アーク)というバイオマス化燃焼ボイラーを使用して間伐材を燃やして温泉を温めている。町営温泉施設は集客も好調だ。
道志村は、明治30年から横浜市の水源地となっており、民有林の概ね半分が村の面積の約3割が横浜市の水源森として管理されている。横浜市との姉妹提携の縁もあり、林業ボランティアも多数横浜市から訪問し活躍している。
道志村では、平成23年度の道志村の予算一般会計19億円強、そのうち、道志の湯改修工事費7700万円、薪ボイラー設備整備工事費4600万円を当て導入した。
道志村では、「日本一の水源を守り、育む、交流・循環型バイオマスの郷づくり」をテーマに森林ボランティア、グリーン・ツーリズムまで多様な取組を展開している。
道志川に沿った狭い土地しか無い道志村では、農地も少なく、自然と農家民宿が交流事業の重要な担い手となっている。
農林漁家民宿「北の勢堂」は築170年の古民家。家業は林業。先代が旅館を開業し、現在は農林漁家民宿として運営している。農家民宿の食事が売り物で、炭火で焼いたイワナの塩焼き、道志村では特産品開発にも注力している。村自慢の豚肉を使った焼売を農家民宿で食べられる。
間伐材の活用には、都市からのボランティアが活躍。この取り組みを推進しているのが、NPO道志・森づくりネットワーク」。山村地域に賦存する再生可能エネルギーの活用と都市との連携は、林業をかかえる多くの山村のモデルである。
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