地域活性化の観点から廃校を利活用した取り組みが大事だと長年研究を行っている宮崎大学の熊野稔先生等が全国と宮崎県下の廃校活用の事例を体系化と活用に向けた基本的なステップのフォローチャートを提案している。
2016年4月、国立宮崎大学は、地域資源(農業・自然・文化等)の価値を理解し、地域資源を活用した新商品の企画、ビジネスの新展開、様々な切り口からの地域資源の魅力発信等を通じて地域資源に新たな価値を見出し、6次産業化や観光等の地域の産業創出につなげることができる人材や中山間地域における過疎・高齢化、中心市街地衰退等の課題解決や、地域社会の維持発展に向けて、地域における住民の組織やネットワーク、行政制度等について理解するとともに、地方都市・農山村の経済機能、社会機能、環境機能を総合的に捉え、地域活動を有機的に連結し、活性化できる持続可能な地域づくりをトータルマネジメントできる人材を養成するために地域資源創成学部を発足させた。
熊野稔教授は、この地域創生学部の副学部長である。
熊野先生等はまず先行研究を調査した。国立情報 学研究所の論文検索システム「廃校活用」というキーワード検索すると、2019 年 1 月までにヒットした論文や論考が 64 件あった。しかし全国事例や宮崎県の事例を体系化して有効活用に向けて考察したものは見当たらない。
そこで、廃校活用のために事例を体系化すること、今後廃校活用に直面する自治体や地域関係者に対して有効な基礎的資料となるべく発表されたのが、「地域資源としての廃校の活用事例と手法に関する一考察 −全国先進事例と宮崎県の事例を通して−」である。
この論文は、「宮崎大学地域資源創成学部紀要 第 2 号」(45頁から)として2019.04.05 掲載に掲載された。
https://www.miyazaki-u.ac.jp/atrium/research/memoirs/
本紀要には、全国の先進的と考えられる近年の廃校活用事例集を選考して、教育、公的サービス系と産業・コミュニティビジネス系に分けて用途分類している23 事例を示した。
詳細は、WEBサイトの紀要PDFを参照していただくとして、
最後にまとめられた「有効活用に向けて自治体に求められる事柄」を簡単に紹介する。
熊野先生等は、まずは廃校をそのまま放置しないことであり、廃校を決める前に地元と連携して委員会等を 立ち上げ、廃校のあとどのような活用が望ましいのかニーズを探ることや廃校活用のフローを 重視して放置を可能な限りなくすことが大事ではなかろうか。と記している、そして、そのための基本的な廃校活用のフローチャートを示している。
@ 廃校が発生する前後の廃校活用検討委員会の組織化
A 最初の検討課題
(活用か、暫定利用か、グランドのみ開放か、体育館等部分活用か、放置か、取り壊しか)
B 活用内容の検討
C 運営主体をどうするか・運営組織のあり方を決める
D 管理・運営方法を決める
E 業務・活動内容を決める(スタッフの業務体制等)
F 地域のサポート体制の検討
G 資金・収支計画
H 議会の議決・行政の支援決定
I 廃校活用への改築・リニューアル計画・設計・耐震診断
J 工事施工
K 竣工(竣工イベントの実施)
L 運営主体の活動開始(基本業務の遂行と廃校活用年間イベントの実施)
M 定期的評価・反省会の会合
廃校活用にあたっても地元地域との連携(農家民泊等のスローツーリズム、道の駅、直売所、農家レストラン他)や、廃校活用同士の連携・ネットワークが重要であり、廃校活用ファンの掘り起こしと連携 (クラブ会員、スタンプカード、イベントオーナー制 ) など、Social Networking Service等の活用で、廃校活用の「連携」が新たな活性化策にも繋がっていくであるとしている。
熊野稔教授は、2024年9月現在、北海道文教大学 人間科学部 地域未来学科の教授・学科長として教鞭ととっています。https://www.do-bunkyodai.ac.jp/professor/14116
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