6月7日(木曜日)
12時直前にNTIDのデカロ教授と会うために一階のロビーに降りて行くと、フロントのところで一行にばったり。飛行機の到着が遅れ、今、チェックインの手続きをやっている最中だった。インドネシアの盲人の若者でシンガポール国立大学のリークアンユースクールを卒業し、今は、IDPPの仕事を手伝ってもらっているジョニさんや、日本財団の職員で本事業担当の吉田君も手話通訳の大石さんと元気そうな顔を見せている。
デカロさんが部屋に荷物を置いて降りて来るのを待って、そのまま、昼食をとりながら、二人だけで打合せ。今後のアジア化に向けての手順などに着いて貴重なアドバイスをもらう。彼は、私が11年前に日本財団に入って、聾教育に携わるようになって以来の、聾社会や聾文化などについて、あるいは、障害者問題全般に対する私の先生だ。
その後、全員でシンガポール国立大学ブキテイマキャンパスにあるリークアンユー公共政策大学院へ。自宅がシンガポールにあるため、マレーシアでのIDPPミッションに参加しながら昨日は自宅で寝んだという、ASEAN事務局長のスリンさんの右腕、ラジャ特別顧問も加わった。シンガポール国立大学は、彼の母校でもあるのだ。副学院長のアストリッド教授と全員でミーテイングに臨む。
<シンガポール国立大学で会議>
会議の後は、カジノで有名になったマリーナベイサンズへ。トップフロアーにあるレストラン「クーデター」でIDPPの一期生である聴覚障害者のユーウェンさんと待ち合わせをしているという。57階の空中庭園に上がるにはお金がかかるのだが、「クーデター」に行くなら観覧料はいらないというのだ。
しかし、エネルギーの会社でIT担当者として忙しく働きながらIDPPの授業も受けているというユーウェンさんが手話通訳を連れて現れたのは8時近く。そのころには、周りがうるさくて話が出来ないほど。しかし、手話の世界では騒音は問題に鳴らない。アメリカ手話が出来る吉田君と二人は楽しそうに話していた。手話とは便利なものと感心するも、我々が彼の話を聞くには不適当だ。
そこで、急遽、私の提案で、彼に我々のホテルに来てもらい、話を聞くことに。
タクシーに分乗して、ホテルに戻る道すがら、ユーウェンさんと彼の手話通訳と三人になった私は、彼から本音の話を色々聞くことが出来た。
ホテルでは、10時過ぎまでユーウェンさんを囲んで、IDPPの一期生として、また、聴覚障害者の学生としての苦労話などを詳しく聞くことが出来た。
<夕食会はマリーナベイサンズで>
12時 NTIDデカロ教授打合せ
14時半 ホテル発
15時 シンガポール国立大学(アストリッド副学院長)
19時 夕食会
21時15分 IDPP一期生ユーウェンさんヒアリング