1月17日(日曜日)
<ヤンゴン環状線の路線図>
今日は、日曜日。何も予定がないので、日本財団ヤンゴン事務所に所属する農業問題の専門家の間遠さんを誘って、前から乗ってみたかったヤンゴン環状線の電車に乗ってみることにした。
現在、日本からの2億5000ドルのローンによって、ミャンマー国鉄に所属するヤンゴン環状鉄道のアップグレードプロジェクトが進行中だと聞く。環状ラインの長さは全長46キロメートル。全38駅の修復や車両の交換が予定されている。
<ヤンゴン中央駅で列車を待つ>
ヤンゴン環状線は東京山手線の1倍半の長さがあるというが、全行程を乗ると3時間というから、平均時速は山手線の半分ほどということになる。
今回は全部を回るのは無理なので、途中までにすることにした。間遠さんの車の運転手に相談したところ、10番目の駅、チャウッイェドゥェン駅までの切符を買ってくれた。45分の短い旅。彼はその駅に先回りして、我々を待っていてくれることに。
<車両は日本製のディーゼル車だった>
我々の電車の出発を待つ間に、構内に入っていた別の客車に乗ってみた。凄まじいほどのおんぼろで、しかも、かなりの汚れ様。
しかし、私たちが乗った車両は、日本製の中古ディーゼル車だった。車体の脇には日本とミャンマーの国旗がアレンジされ、日本政府の支援によるものであることがわかる。
電車の中もそれなりに小奇麗で、こちらには余り違和感はなかった。しかし、長いすに完全に寝そべるスタイルで眠っている乗客はミャンマースタイルか。
<車内の光景>
外に目をやると、停車駅のベンチでも同じように昼寝をする人の姿がちらほら。
線路の保線状態が良くないためか、確かに、スピードは至ってのんびり。
日本では、徐行運転のようなスピードだ。冷房は切られているが、開けっ放しの窓からの風が心地よい。
間遠さんの運転手に買ってもらった我々の乗車券は20円。バンコクのバスと同じ、手もぎの薄っぺらな紙の切符だった。
<乗車券は20円>
だが、ヤンゴン駅のホームの一角では、椅子一つ、机一つにラップトップコンピューターと小型のプリンターを備えた若者が、麗々しく「コンピューター発券」と書かれた「カウンター」を構えて切符を売っていた。
コンピューター発券とは言っても、日本などのように、予約システムと連動しているはずもない。単に、区間名を入れると金額が表示され、それにあわせた切符が印刷されると言うだけの代物だろうと思われる。
ミャンマー国鉄の近代化は、まだまだこれからだ。
<コンピューター発券を謳ったカウンター>
目的地チャウッイェドゥェン駅の前は小さなマーケットになっていた。
朝の買い物時間を過ぎてしまったからだろう。買い物客の姿もなく、店番をする人たちもけだるそうにしていた。
マーケットを通り抜けた車道で、間遠さんの運転手に拾ってもらって、ホテルに戻った。
夕方は、間遠さんの他にも、梅村所長代理など日本財団のヤンゴン事務所のメンバーが加わって、ホテルのラウンジでハッピーアワー。
こうして、ヤンゴンで久しぶりにのんびりした日曜日を過ごしたのであった。
<駅前の小さなマーケット>
10時 間遠さん
11時 ヤンゴン環状線試乗
17時半 日本財団ヤンゴン事務所メンバー