サンパウロの治安改善はまだ [2011年10月15日(Sat)]
10月15日(土)
一夜明けて、朝9時にホテルにこの日系人スカラーOGの朱山さん一家が来訪。朱山さんは、コロンビア出身の女医さん。彼女がこのプログラムの奨学生第1号だ。最初の面接の頃の思い出話で盛り上がった。 3年ほど前に、鹿児島大学での博士課程を終えた後、アルゼンチン国籍の日系人の御主人と結婚。今は、一人息子のセバスチャン君と三人でブエノスアイレスに暮らしている。素晴らしい家族に囲まれとっても幸せそうだ。 面接当時は、日本での勉学の後は、ふるさとのコロンビアに戻り、ストリートチルドレンの保健衛生のために働くと言っていた彼女だったが、今後は日本の医師資格を生かして、アルゼンチンで働くという。 アルゼンチンでも近年は、近隣の国からの不法移民に加えて、困窮した農民が地方から流入して、首都のブエノスアイレスでは治安や公衆衛生環境の悪化など、様々な問題が生まれていると聞く、きっと、日本留学で得た知識と技術をアルゼンチンの人々のために役立ててくれることであろう。 <快晴のブエノスアイレス空港だったが> 快晴のブエノスアイレスを後に、サンパウロに着くと、空模様は一転、雨が降っていた。空港にはサンパウロ日伯援護協会の菊池会長らが、わざわざ出迎えに来てくださっていた。忙しい中をわざわざ来て頂くのは心苦しいのだが、ブラジルは治安の問題があり、一般のタクシーの利用はリスキーといわれている。 思い出すのは、私自身が遭遇した6年前の出来事。サンパウロの外港、サントスの老人ホームの記念式典の際、司会役の事務局長が時間になっても現れず、携帯電話でも連絡が取れないのでやむなく、別の人が急遽代役となって式典を行ったことがある。事務局長からようやく連絡が入り、事情が明らかになったのはその日の夕刻のこと。実は、彼は自宅を出たばかりのところで、3人組の強盗に襲われ、自分の車のトランクに押し込められ、危うく殺されるところを、命からがら逃げ出してきたのだ。 しかし、それから時間が経ち、近年のブラジル経済は立ち直り、新市長の下でサンパウロ市内の環境整備も進んだ。特に、今回3年ぶりにサンパウロを訪れた私の目には、小奇麗になった町並みが印象的だった。菊池会長に、この分なら治安も良くなったのではと訪ねると、「それが、景気は随分良くなったのですが、治安の方は余り改善してませんねえ」との答え。 <サンパウロの街はきれいになったのだが、、、> 9時 日系スカラーOB朱山さん一家と朝食 11時 ホテル出発 14時00分 ブエノスアイレス発 16時35分 サンパウロ着 19時 サンパウロ日伯援護協会主催夕食会 |