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犬山城 (01/18)
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Epic Onlineで、障害者学生たちの英語能力チェック [2011年06月24日(Fri)]
6月24日(金曜日)
朝起きてみると、昨日からの雨が今日もまだ激しく降り続いていた。9時半にホテルを出てトーマス・ヌンさんが社長を務めるGenashtim社へ。
トーマスさんは、IDPPの設立に当たり、各分野の専門家に声をかけて集まってもらった諮問チーム、いわゆるDream Teamのメンバー。障害者の職場創出にIT技術を活用するというユニークなアイデアを持ち、率先して盲人、聾者、肢体障害者雇用を実践、大きな成功を収めている企業家だ。
トーマスさんは中国系のマレーシア人、ニュージーランドの大学で学び、自宅は今、オーストラリアのメルボルン。そして、自分が経営する会社の本社はマニラ、というわけで一年の大半、アジア中を飛び回っている。しかし、Genashtimという変わった社名は夫人と娘さん、息子さんの名前の頭の部分をくっつけて作ったというほど家族思いだ。
彼は現在、4つの事業で60人以上の社員を雇っているが、そのうち、37人が、視覚障害や肢体障害などをもつ障害者だという。例えば、とてもてきぱきと仕事をしてくれる、彼の秘書のマルセルさんは車いすの障害者だ。今日も、我々一行につきあいながら、トーマスさんが携帯電話を使って彼女にいろんな指示をすると、彼女からすぐに返事や報告が返って来るのを目撃した我々だったが、何と、彼女はマニラに住んでいないという。マニラから遠く離れたフィリピン南部のダバオ市の自宅からコンピューターと電話で秘書業務を行っているという訳だ。トーマスさんはこともなげに言った。「僕は彼女と今まで一度も会ったこともないんだ。面接もスカイプで済ませたしね。でも、彼女の仕事ぶりにはとても満足しているよ」
     
                 <Genashtim社でトーマス社長を囲んで>

トーマスさんのモットーは、「同情は一過性で長続きしない。僕が彼らを雇うのは彼らの方が健常者より僕のビジネスに向いているからだ。情報通信分野では障害者の方が向いている分野が少なくない。探せばもっとある筈だ。それによって障害者が自信と誇りを持って仕事をしてもらえるよう手助けしたい」
今日、我々一行が彼の会社を訪ねたのは、当初予定していたアテネオ・デ・マニラ大学訪問が、同大学の教授会と重なり不可能になったため。以前から、協議を進めていた、IDPPに参加を希望する学生たちの英語能力チェックについて話し合うため。トーマスさんの会社の主力事業である、「スカイプ」を用いた英語のマン・ツー・マンレッスンシステム、「Epic Online」を利用して、障害者学生たちの英語能力チェックをしてもらうためだ。このシステムの教師は、ネイティブ並みの完璧な英語を話すフィリピン人たちだ。教師のうち、大勢が視覚障害者や車イスの障害者だという。
次いで、一行はアテネオ・デ・マニラ大学と並ぶ私学の雄、デ・ラ・サール大学を訪問。ラグーダ学長らと、IDPPについて協議。デ・ラ・サール大学は日本財団がNTID(米国立聾理工学院)を通じて、過去10年に亘って実施してきた聴覚障害のある大学生の学習支援のための国際ネットワーク、PEN-Internationalの中心校のひとつ。本来なら、NTID前学院長のデカロさんが訪問団の団長格として、旧知のデ・ラ・サール大学幹部との面談を取り仕切ってくれる予定であったが、突然の病気で不在となったため、我々だけで対応せざるをえなかった。しかし、結果的には、ここでも好感触が得られ、前向きの検討を約束してくれた。

                <デ・ラ・サール大学での打ち合わせを終えて>
     
デ・ラ・サール大学から戻り、全員で総括ミーティング。と間もなく、私以外のメンバーは、午後の便でシンガポールに戻るべく、飛行場に出発せねばならない時間。私は、この後、午後5時からアテネオ・デ・マニラ大学のクルス学部長と会い、国連平和大学事業について意見交換する予定。そこで、ホテルの玄関で一行を見送る。
一行を送った後、ホテルの部屋に戻り、メールをチェックすると、クルス学部長から連絡が入っていた。予定通りの5時からの面談を確認するものだったが、何と、昨日から続く悪天候のため、午前に予定されていた教授会が中止になったとか。昨夜のうちに分かっていれば、急遽、アテネオ・デ・マニラ大学行きをセット出来たかも知れないと思うと残念至極。
午後5時、クルス学部長と会い、国連平和大学事業についての意見交換の前に、デッリック教授からもらっていたIDPPの説明資料に基づき、IDPPの説明と、パートナー校になることのメリットにつき説明。
非常に興味を持って聞いてくれた。早速、契約書のドラフトが欲しいというので届けることになった。これで、今回の3カ国出張だけで、新たに4つの大学が加わる可能性が高くなった。来月の授業開始時までには、IDPPは6カ国の8つの有力大学が加入することになりそうだ。
夜、ベッドに入り、昼間の車の中や大学の会議室でのクーラーの効き過ぎで、体調を崩したらしいことに気がつく。誠に、東南アジアの国々は、クーラーが効きすぎ。エネルギー節約を考えて、下手に半袖でいると風邪をひくリスクに身を晒すことになる。
    
     
9時 朝食打合せ
9時半 ホテル出発
10時 Genashtim社訪問
12時 昼食
12時45分 ホテル出発
13時 デラサール大学訪問
17時 アテネオデマニラ大学 クルス学部長
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