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大野修一(日本財団)
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犬山城 (01/18)
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バブーニヤへ7時間の旅 [2011年01月12日(Wed)]
1月12日(水曜日)
前夜はなぜか寝つきが悪く、殆ど眠らないうちに目覚ましが鳴る。
朝5時半。まだ外は暗い中を梅村君、ラクシ副会長と3人でセワランカ財団の車に乗り込み出発。途中、朝食の場所でウデニさんも合流、4人になる。
今日の目的地は北部の旧タミル支配地区にあるバブーニヤ。内戦終結後、タミル避難民を収容するための大規模なキャンプが設置されていたところだ。日本財団は、避難民の中に多数見られた四肢切断者に義手や義足を処方するための臨時診療所の設置を、スリランカ政府から要請され決定したのだった。
ところが、その後、欧米の批判を受けて、スリランカ政府は国内避難民の帰還作業を急いだために、臨時診療所の必要性はなくなってしまった。そこで、日本財団は事業を担当する国際NGOカンボジアトラストと協議の結果、臨時診療所ではなく、バブーニヤとトリンコマレの二箇所の中央病院内に恒久の義肢専門クリニックを開設することを決定。昨年、11月に第一弾としてバブーニヤのクリニックが開設されたのだ。
今回は、その現場を初めて訪問することにしたもの。


               <あちこちで冠水した道路に遭遇するも通行は可能>

シンハリ地区最北の古都、仏教遺跡で有名なアヌラーダプラが近づくにつれ洪水の被害が目立つようになる。あちこちで道路の一部が冠水しているが、幸い通れないほどではない。むしろ、一段高く作られた道路の周辺での被害が大きいようだ。完全に水没した田畑や、水に漬かった民家が点在する。
よく見ると、足元のみ水に漬かっているように見える、やしの木やバナナの木の幹や枝にも、高さ2メートルくらいまで乾いた泥がついている。ピーク時にはその辺りまで泥水に漬かっていたのであろう。木の前の民家の住民はどこかにでも避難したままなのか、人の気配がしなかった。
さらに北上し、バブーニヤに向かう。標識などの表示にタミル文字が目立つようになった。仏教寺院の代わりに、ヒンズー教寺院も多くなる。タミル人地区に入ったのだ。


              <水が退いた後も人の気配がしない民家>

11時45分、セワランカ財団バブーニヤ支部に到着。コロンボを出発して、途中、朝食に45分費やしたので、250キロの移動にかかった時間が5時間半ということになる。
今夜はここのゲストハウスに泊めてもらうのだ。宿舎として割り当てられた室に自分の荷物を置き、一休みして昼食をとることにする。身体の調子が悪い。寝不足で長時間、車の冷房に当たったために、どうやら風邪を本格化させてしまったらしい。
身体の節々が痛む。こんなところで風邪をひいている訳には行かないと、慌てて手持ちの風邪薬を飲み、ベッドに潜り込もうとして気が付いた。ここでは、ベッドには掛け布団も毛布も準備されてはいないのだ。しかも、シャワーは冷水のみ。どうしよう。昼食の時にウデニさんに相談、夜は、特別に毛布とバケツに湯をもらうことに。
今日の午後は、バブーニヤ中央病院の義足クリニックの視察と、近隣2箇所の小学校校舎の修復予定地訪問のスケジュールが入っている。抵抗力の衰えているときの病院訪問は避けたほうが無難なのだが、クリニックは昨日、メアリーさんから佐々木さんが我々の訪問に備えて一足先に入ってくれている、と聞いたばかり。キャンセルする訳には行かない。そこで、学校訪問だけ、一箇所に減らしてもらうことにした。 

              <バブーニヤ中央病院に開設された義肢クリニック>

バブーニヤ総合病院で佐々木さんに説明を聞く。ここの義肢クリニックは準備段階では日本人の義肢装具のスペシャリスト佐々木さんが責任者を務めてくれていたのだが、彼は今はコロンボにある義肢装具士養成校(SLSPO)の教務主任に移動し、代わって所長になったアイルランド人の専門家のサポート役に就任。その下で、SLSPOの2人のタミル人卒業生とカンボジアのCCSPOからの2人が義肢装具士として働き、それを、4人のテクニシャンが支える、という体制。2ヶ月前に開設されたばかりだが、既に、97人もの患者が、自分の身体に合わせた義手義足が出来上がるのを待っているという。患者の大半が内戦による犠牲者だそうだ。
元々、日本財団が7年前SLSPOの開設を支援したのは、当時、実現したばかりの停戦を恒常的なものにする一助にと考えたからで、多数派のシンハリ人だけではなく、タミル人にも門戸を開いた教育機関として発足させることを支援の絶対条件とした経緯がある。それだけに、昨年SLSPOを卒業したばかりのタミル人2人が早速、自分たちの出身地で活躍してくれる、というのはとても嬉しいことであった。
さらに嬉しい再会があった。この病院の院長のサティアモルティ博士である。タミール人の彼は、内戦終結のぎりぎりまで、この地で診療活動を続け、一時は、反政府メンバーと間違えられて制圧した政府軍に拘束されたというのだが、その後、誤解も解け、むしろ、身の危険も顧みず、医療を行ったということで英雄と評価され、この中央病院の院長に抜擢されたのだそうだ。佐々木さんが言うには、彼は私を知っていて、今回会えるのを楽しみにしているというではないか。
聞いてみると、彼はSLSPOの最初の理事会のメンバーであった。私が、無理やり頼んで、スリランカ保健省に認めてもらった、タミル側を代表する立場の理事だったのだ。その後、停戦が失効し、内戦が悪化する中で、彼はSLSPOの理事会に参加することも出来なくなり、音信不通のままになっていたのだが、、、。改めて御礼を言われ、私は彼との再会を喜んだのであった。


                <マライヤディトハクラム小学校跡地>

バブーニヤ中央病院を後にして、車で走ること約40分、マライヤディトハクラムという村にある小学校跡地を訪問した。「跡地」というのは、ここに残っていたのはコンクリートの塀の一部と数本の柱だけ、周りは草ぼうぼうで全くの廃墟となっていたからだ。この学校は元々は1880年に創立というから130年の歴史を持つ。この廃墟になった校舎は内戦勃発前の1970年に建てられたものだが、1990年に破壊されたままだという。
我々が来るのを知って村人が集まっていた。全員タミル系だ。手作りのお菓子とジュースで歓迎してくれる。村人たちが口々に言う。自分も、父親も、おじいさんもこの学校で学んだ。内戦前は450世帯もあった村も、内戦の結果、2002年の停戦当時には135世帯にまで落ち込み、今は、僅か25世帯になってしまった。
戻ってきた人も、学校がなくなってしまったために、子供を5キロも離れた村の学校に通わせている始末。学校がないため疎開したまま、村に帰れないという人も大勢いる。もし、この学校が再建されたら、きっと沢山の人が戻ってくる。村が再建できる筈だ。
セワランカの担当者が、日本財団の支援が決まったので、新学期の始まる5月にも校舎の再建が完成するだろう、というと、村人たちは喜んだ。
申し訳ないと思ったが、体調が優れないのでもう一校予定していた視察を取りやめ、セワランカ財団バブーニヤ支部に戻ることに。車に乗る直前に、訪問を予定していた先の校長がオートバイに乗って現れた。お詫びを言う私に校長先生からはお礼の言葉。


                <野生の孔雀に遭遇 吉兆だ>

帰り道、路上に大きな糞。ウデニさんが野生の象の糞だと教えてくれる。さらに行くと、我々の眼の前を野生の孔雀。この辺りは誠に野生の動物の宝庫だ。
ちなみに、スリランカでは孔雀は吉兆なのだそうだ。何か良いことがあるのだろうか。
セワランカ財団のゲストハウスに戻る。、夕食の前に、少しでも身体を休めようとして、いつもの風邪薬に加えて強壮剤のガラナ粉末など手持ちの薬を総動員して横になるが眠つけない。
ゲストハウスのプールサイドでの夕食は、佐々木さんがクリニックのタミル人義肢装具士と一緒に来てくれたほか、バブーニヤ方面軍司令官や米国人の援助関係者 南アフリカ出身のホテル・レストラン・オーナーなど大勢の人たちと一緒。セワランカ財団ハルシャ会長の多彩な人脈にはいつも感心させられる。セワランカにしては珍しくビールが振舞われたので、飲んでいるうちに風邪はどこかへ行ってしまったように思えてくる。
今夜は早めに、特別にもらったお湯で身体を拭いて、借りた毛布に包まって、睡眠薬を飲んで就寝だ。

 
5時半 ホテル出発
6時45分 朝食
12時45分 セワランカ財団バブーニヤ支部
13時半 バブーニヤ総合病院義肢装具クリニック訪問
15時半 マライヤディトハクラム小学校訪問 
17時半 夕食
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