シンガポールの中の「日本」 [2009年03月06日(Fri)]
3月6日(金曜日)
カンボジアのような東南アジアの低開発国を回ったあと、シンガポールにやって来ると、シンガポールの先進国ぶりが際立って感じられる。それもその筈、シンガポールの国民一人当たり国民所得額は一昨年の段階で、既に日本を上回っている。尤も、人口の少ない都市国家であるシンガポールと、一億以上人口の日本では単純な比較は無理、厳密な比較には為替レートの変動を考慮する必要がある、と言われるが、どちらが上であるにせよ、その差は僅か。シンガポールが堂々たる先進国であることは疑いようも無い。 <シンガポールの所得水準は日本以上> そんなシンガポール市内でも、日本製品は高級イメージのようで、それをうまく取り込んだ商業戦略に出くわすことが少なくない。私が今回滞在したホテルの近くのショッピングモールで目撃したものをいくつか紹介しよう。 先ずは、「渦巻きアイスクリーム」である。抹茶を練りこんだソフトクリームのようだが、地上の映画館の横と地下一階の食品街の2ケ所に店舗を出している。そこには、大きく日本語で「日本の茶畑で取れた最高品質の茶葉を使った最高品質の抹茶を使った世界最高の抹茶アイスクリーム」と書いてあった。日本人観光客がお目当てでもないようなので、日本語を理解できないシンガポール人でも漢字を少しは解する華僑系の人にアピールすると見てのことだろうか。抹茶の看板の横には、可愛いピンク色の姉妹製品、桜アイスの看板もあった。 <「渦巻きアイスクリーム」は抹茶入り> ショッピングモール地下の食品街には、既に定番となったすしなどと並んでたこ焼きスタンドが常設されて、人気を博している。 また、「東洋」と言う名のキャンデーストアには、わざわざカタカナでイーストオーシャンと書いてあった。ただ、カタカナ文字はお手本を手書きでなぞったもののよう。 <たこ焼きも人気> 地上のショッピングモールの洋品小物の店には、おしゃれなバッグと並んで藍染の帆布で作った手提げ袋が麗々しく並ぶ。 <藍染の帆布で作ったバッグ> 仕事の方は、経済開発庁の非営利団体の担当者、ロー・チンフイ氏と会って、障害者のための大学院大学の構想を相談。シンガポール政府は、これまで外国企業に直接投資を勧奨して来たが、今後は、NGOなど非営利団体のアジア地域センターを招聘したい考えとか。 昼は、ミャンマー情報省に食い込んでいるマッコム社のウイルソン・ハウ社長と面談。奥さんのフィリピン人キャサリンさんも同席。彼女は、国際機関のコンサルタントとしてミャンマーで働いている。 夜、ジャカルタから帰ってきたばかりのASEAN事務局長特別顧問ラジャラトナム氏と面談、ASEANと日本財団との提携事業などを相談する。超多忙の彼を独占できる貴重な時間だ。 9時 経済開発庁 ロー・チンフイ氏 12時半 マッコム社ウイルソン・ハウ氏 19時 ASEAN事務局長特別顧問ラジャラトナム氏 |