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大野修一(日本財団)
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犬山城 (01/18)
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ESCAP障害者インクルーシブビジネス賞授与式終わる [2013年12月03日(Tue)]
12月3日(火曜日) 
12-03 nanda.jpg
<ナンダさんの司会で授与式が始まった>

いよいよ、国連ESCAPササカワ賞(障害者インクルーシブビジネス賞)授与式の当日となった。
式の開始は正午。私は、午前9時半からリハーサルがあるというのでBTSで会場のホテルへ行った。肝心のリハーサルそのものはあっという間に終わってしまったが、私はこの時間を使って英語のスピーチの原稿の手直し。幸い、二ノ宮さんのカナダ人の奥様であるマーシーさんが来ておられたので、厚かましく、添削をお願いした。
そうこうするうちに、障害者インクルーシブビジネス賞授与式が始まった。主賓は元首相のアナンさん。実は、ESCAP責任者のナンダさんのお父さんである。そして、国連副事務総長でESCAP総裁のへーゼル女史。審査委員長のミーチャイさんを始め、フィリピンのデヘスス元教育大臣ら3人の審査員も顔を見せた。
マスコミ関係者は殆どがデモの取材で忙しく余り来ないとのことであったが、今日予定されていた対政府主催の別のイベントが中止になり、そのお陰で、タイの地元メディアがこちらに大挙してやって来ることになりそうという。
12-03 luanching.jpg
<昼食会を兼ねた式典には120人ほどが集まった>

果して、実際に、タイで大変著名な司会者で自身も車椅子ユーザーのクリサナさんが来てくれた。彼は、自身が車椅子利用者ということもあって、当然ながら障害者問題には大変深い関心を持っている由。
タイ盲人協会の元会長で、全盲の上院議員のモンティアンさんも来てくれた。私の席は、モンティアンさんと、APCD理事長で元外務大臣のテートさんに挟まれた席。お陰で、久し振りにお二人とゆっくり話をすることが出来た。
特に、モンティアンさんにはカンボジアでの「インキュベーションセンター」構想について話したところ、大変興味を持ってくれてタイの盲人協会メンバーの中にもきっと参加させてほしがる人がいるだろうという。更には、カンボジアやタイ、ミャンマーやベトナムなどのインキュベーションセンターが出来れば、それらをつないで、インターネット上に職業紹介のサイトを立ち上げようという話で盛り上がった。
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<受賞したホリデイインにトロフィーを渡すテート元外務大臣>

今回の受賞者が発表された、多国籍企業部門はインドを中心に57カ国で活躍する大手ソフトウエア企業のWIPRO社。同社は、障害者の雇用に力を入れているのだが、単なる「お情け」ではなく、障害者の潜在的な能力を評価する立場から、障害を持ったソフト専門家を育てて来た。その数は今や400人を超えるというから凄い。
各国企業部門での入賞は、ホリデイイン・シンガポール社。総人員の13%が障害者。3年以内に20%まで高めるのが目標だという。同社の力の入れようも大したもので、近くの特殊教育校の中に、わざわざホテルの客室を再現し、そこで在学中にホテルマン教育をして卒業生を積極的に雇用しているという。
最後の零細企業部門はトラッシュトゥーキャッシュというインドの企業。こちらは、従業員の65%が障害者。その仕事は、お祭りに使われた生花を始め、所謂、廃棄物を再利用して商品にするという廃品加工業。製品の販売先にバイエルやバンクオブアメリカなどの大企業を抱え安定的な収益を上げているというもの。
12-03 demoonstreet.jpg
<サイアム駅近くの道路を占拠するデモ隊>

授賞式が終わった後、APCDの二ノ宮所長、佐野さんと暫し打合せ。それを終えて、ホテルに戻るためBTSのサイアム駅に行こうとして、駅に向かう道路がデモ隊に占拠されていることに気が付いた。と言っても、刺々しい雰囲気はない。
繁華街の道路なので、デモ隊がシュプレヒコールを上げる脇を、一般の買い物客や外国人の観光客、果ては、下校中の学生たちまで歩いている。すぐ横には、クリスマスセールの看板やクリスマスツリーが飾られているので、誠に、ちぐはぐな感じなのだ。
車の通行は警察官によって禁止され、迂回するよう指導しているので、道路は歩行者天国状態。そこに、昨日見かけたのと同じ、デモ隊用の様々なグッズを売る露天商が何軒も我が物顔に並んで店開きをするという日本では考えられない光景が現出していた。
グッズ販売の様子を見ていると、一番人気は、タイ国旗と同じ紺白赤の三色のリボンがついた笛。明らかにデモに参加しているとは思えない女学生たちまで買っている。記念品とでも思っているようだ。
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<繁華街の道路は封鎖された>

デモ隊員たちは、殆どがこの笛を首から下げており、アジ演説の合間毎に、拍手する代わりにこの笛をピーピー吹き鳴らしていた。数千人のデモ隊が一斉に吹き鳴らすので大変なボリューム。
それにしても、デモ隊員を相手に飲み物や食べ物を売るだけならまだしも、鉢巻きやリストバンド、笛などこんなにたくさんの種類のものを用意し、露天商に売らせている黒幕は一体どんな人物なのだろうか。タイムリーな商品開発のセンスと、どんなものでも商売のネタにしてしまうと言う商魂に脱帽。
夜は一人でホテル内のラウンジで簡単に夕食を済ませていると、遅くなってから共同通信八谷支局長から連絡。一緒に、夕食を取ることに。今日一日デモの取材に走り回っていたという八谷支局長によれば、国王誕生日を明後日に控え、デモ隊と政府側双方が休戦で合意したのだそうだ。
その内容というのが、我々の理解を超えるものであった。それまで一歩たりとも入れさせないと鉄条網を張ってブロックしていた警察本部敷地内に、シンボリックな行為としてデモ隊を一旦入れさせ、デモ隊のメンツが立ったところで、すぐに退去してもらったとか。何ともヘンテコな話である。
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<路上にはデモ隊員用のグッズを売る露店が並ぶ>

09時 ホテル出発
09時半 ESCAPササカワ賞準備打合せ
12時 ESCAP障害者インクルーシブビジネス賞授与式
15時半 APCD二ノ宮さん打合せ
20時半 共同通信八谷支局長と夕食
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