8月22日(水曜日)
<何故か「すいか」と名付けられた衣料品店があった>
今日は、午前中特に予定がなく時間があったので、久しぶりに街歩きをすることにしてヤンゴン中央駅の辺りまで散歩。ヤンゴン中央駅は、ネピドーのあるピンマナを経由して、中央部の古都マンダレーまで伸びるミャンマー国鉄の大動脈の起点であるだけでなく、ヤンゴン環状線の中心駅でもある。
ミャンマーの鉄道も老朽化が深刻で、最近になってようやく、マンダレー・ヤンゴン間の幹線の高速化や、ヤンゴン環状線の近代化の話が浮上。日本企業が中心になって支援の取り組みが始まったところである。
ヤンゴン環状線は45キロ、東京の山手線の35キロより少し長い区間だが、スピードが遅いので何と一周を3時間近い時間をかけてのんびり走るのだという。それでも、乗ってさえいれば始発駅に戻ってくれるので安心だ。
<プラットホームに人だかりしていると思ったら、列車が入って来た>
一度乗ってみようと思うのだが、問題は2時間に一本という運転間隔(途中までの列車ならもっと頻繁にあるようだが)。今回もそこまでの時間的余裕はないので乗るのは諦め、線路をまたぐ陸橋から駅の写真を撮る。
大変オープンな駅の構造である。駅の敷地内であるにも拘らず、線路脇には物売りの露天が店開き。プラットホームに意外に大勢の人だかりしていると思ったら、列車が入って来た。
中央駅の前にはサッカースタジアムがあり、それを囲むように商店が並んでいる。
ミャンマーはサッカーが盛んでプロのチームからなるナショナルリーグまであるのだそうだ。
<プロのフットボールチームの看板がかかるサッカースタジアム入り口>
そう言えば、以前読んだTrouser Peopleという本によると、ミャンマーが英国の植民地であった当時、ミャンマー人が英国人に対する鬱憤を堂々と晴らせる唯一の機会としてサッカーの英緬対抗戦は大変な人気だったのだとか。
商店街のそこかしこに大きな金属製の箱が置かれていた。停電に備えたディーゼル発電機であった。ヤンゴン市内の中心部でも、停電が頻繁に起きる。商店はこうして自衛しているのだ。
新政権にとって電力事情の改善は、最優先課題の一つであり、数ヶ月前にも日本政府が緊急対策としてディーゼル発電機の供与を発表したばかりである。
<商店の前には大きな非常用発電機が>
その後、スタジアム傍のスーパーを覗いたりしていたが、雲行きが怪しくなって来た。急いで、ホテルに帰って一息ついていると、雷鳴が轟いたと思ったら、ついに土砂降りのスコールが始まった。
これほどの雨になると、傘をさしても役に立たない。犬さえも雨宿り。人通りの耐えた通りを車が水しぶきを散らして通り抜ける。
昼休み、マッサージクリニック「ゲンキー」を経営するビジネスコンサルタント、西垣さんの紹介で、初めてジャパンハート代表の吉岡医師に会うことが出来た。視覚障害者のための、マッサージ指導事業や、ミャンマー最北部の少数民族州、カチンでの取り組みなどについて意見交換。
<野良犬(?)も軒先で雨宿り>
午後2時、ホテルの前からタクシーを捕まえて、一人、ミャンマー独立生活運動(MILI)のオフィスへ。久しぶりにMILIの4人の幹部全員が揃って待っていてくれた。来年と再来年に開催予定の障害者芸術祭の準備状況や、明日、責任者のデリック教授がやって来るIDPPなどについて打合せ。 アウンコミンさんとネイロンソーさんの二人は、明日はネピドーで国会議員と会って、国会で現在審議中の「障害者基本法」に関するヒアリングに臨む由。新政権は、法律の制定に当たっては、障害者に限らず当事者の意見の聴取を積極的に行っているようだ。尤も、そのために法案の成立に予想以上の時間がかかっているようだが。これも、民主化では不可避のコストである。
12時 ジャパンハート吉岡代表、ゲンキー西垣さん
14時半 ミャンマー独立生活運動(MILI)にて打合せ
18時半 日本大使館丸山公使、JICA田中所長