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ドイツ視察報告A [2017年10月18日(Wed)]
 ドイツ訪問4日目は、ドイツ南西部のシェーナウ市にあるシェーナウ電力会社を訪問しました。
 シェーナウ電力は、1986年のチェルノブイリ原発事故をきっかけに、原発に依存しない電気を求めて住民が始めた市民活動から立ち上がった電力会社です。
 シェーナウ全景.jpg

 シェーナウ電力 社屋.jpg

 「自然エネルギー社会を子どもたちに」という理念のもと、ドイツ初の「市民の市民による市民のための」電力供給会社として発足しました。
 2008年には、その足跡を描いたドキュメンタリー映画『シェーナウの想い』も制作されて、日本でもたびたび上映会が開かれています。

 今回の視察では、同社の創設メンバーであるスラーデック夫妻と、エネルギー専門家のエヴァさんにお話をうかがうことができました。
 シェーナウ電力 集合写真.jpg

 シェーナウ電力は1997年創設で、今年20周年を迎えました。
 現在は水力・風力による自然エネルギー100%電気の小売を行い、18万人の顧客がいます。
 グループとして小売以外に風力パーク15MW、ソーラー6.5MWなどの発電所も所有しています。
 シェーナウ電力.jpg

 顧客がドイツ全土に広がったことについて、
「お客さんは、ただ風力や水力の電気を買っているわけではない。シェーナウが困難を乗り越えてきたストーリーに共感した仲間として買ってくれている」
「いわゆるマーティング的な広告は打っていない。講演会を聞いて共感した人たちが、口コミやボランティアで宣伝イベントを開いてくれたりして広まってきた」
 と説明してくださり、顧客は単なるお客さんではなく、エネルギーシフトをする仲間、という意識を強く持っていました。

 また「地域のお金を大電力へ流さない仕組みを作ることがもっとも大事」として、地域電力会社が新たな選択肢として小売事業を始めることの重要性も話していただきました。

 社内には、これまで同社が受賞した表彰状やトロフィーの展示スペースも。
 シェーナウ電力 社内.jpg

 市民活動を始めた当初を振り返って、スラーデックご夫妻は  
「最初は知識も技術もなかった。“勇気”だけがあった」
「こんなに大変だとわかっていたら、やらなかったかも(笑)」
 と笑顔で語ってくれました。

 脱原発と地球温暖化防止を素人の市民が自ら切り開いてきた20年間の集大成として、シェーナウ電力の広がりがあることがわかりました。
 原発事故が起こってしまった日本のエネルギーシフトを応援したい! という気持ちも伝わってきました。

 3人からは、そんなエネルギーシフトの取り組みだけでなく、それを通じて人生を豊かに作り上げていくことも大切だよとメッセージをいただきました。
 エネルギーシフトをライフワークにする大先輩との出会いは、とてもありがたい体験で、これから日本で生かしていきたいと思います。

 シェーナウ中心部にある教会の前で。
 ここにも太陽光パネルが設置されています。
 シェーナウ 教会.jpg 

※そのBへ続く
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