地域に根差した再生可能エネルギー事業の人材育成を目指す「飯田自然エネルギー大学」は、2022年10月に第4期生が入学して、毎月1回ペースで授業が続いています。
5月20日(土)、21日(日)は、第7回授業を開催しました。

今回のテーマは木質バイオマス。
20日は、自然エネルギー財団の相川高信先生から、地域エネルギーシステムの転換に木質バイオマスが果たす役割について、お話を聞きました。
講義を1コマ聞いた後、2コマ目はグループディスカッション。
地域でのバイオマス事業実現に向けて「燃料供給」「エネルギー利用」「その他」の項目ごと、課題を議論して発表しました。

翌21日は、事業現場を視察する実地研修。
「50年の森林づくりビジョン」を策定している伊那市を訪問しました。
研修には、同市在住の林業ビデオグラファー・高橋幸司さんも取材で同行いただきました。
まず5月にオープンしたばかりの市産学官連携拠点施設「inadani sees」を訪問。
市耕地林務課職員の方から、森林づくりビジョンや同施設のコンセプトについて説明を受けて、地域産材がふんだんに使われた施設内を見学しました。
同施設の冷暖房はペレットボイラーで稼働していて、ボイラー設備も見学することができました。

(撮影:高橋幸司)

(撮影:高橋幸司)

(撮影:高橋幸司)
続いて、地域産材を生かした家づくりに取り組む(株)有賀製材所を訪問。
製材工場や木材を置いておく渡場(どば)を見学しながら、同社の建築士・林さん、経理事務の有賀さんから、原木の買い付けや製材工程、乾燥過程等をお聞きしました。

続いて、同市で薪ストーブの販売に取り組む(株)ディーエルディーを訪問。
同社の三ツ井代表取締役から、創業時の状況や薪の配達サービスを中心にお話をお聞きしました。

(撮影:高橋幸司)
再エネ設備として薪ストーブも補助金対象となるよう国に働き掛けている事など、薪ストーブを更に普及するための課題も学ぶことができました。
飯田自然エネルギー大学では、全18回の授業を通じて、再エネ各論や資金調達、法的課題を学びつつ、実地研修や事業計画づくりの演習に取り組んでいきます。
2024年春の卒業時には、4期生全員が事業計画を立てて発表会を行います。
次回の第8回授業は6月、風力発電をテーマに開催します。