地域からエネルギーを変える エネルギーから地域を変える [2008年01月31日(Thu)]
NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)主催、おひさまエネルギーファンド株式会社・コミュニティエナジー株式会社協力のもと、1月29日(火)に「第2回ISEP社会イノベーションフォーラム 地域からエネルギーを変える エネルギーから地域を変える」が行われました。今回は、おひさまエネルギーファンドのパートナーであるISEPの古屋が、その様子をお伝えします。(後日、ISEPのホームページに当日の資料が掲載される予定)
![]() 当日の進行はこのようになっておりました。 ----------------------- 1.「イントロダクション」 ISEP所長 飯田哲也 【第1セッション】 2.「21世紀の課題 食糧・環境・エネルギー」 前岩手県葛巻町長 中村哲雄 - ダイアログ - 【第2セッション】 3.「エネルギーの域産域消による脱温暖化からの地域づくり」 長野県飯田市長 牧野光朗 4.「長野県飯田市発の「おひさまの挑戦」」 NPO法人南信州おひさま進歩事務局長 原亮弘 - ダイアログ - 【第3セッション】 5.「環境首都からみえる脱温暖化社会 - ドイツと日本の先進事例から - 」 NPO法人環境市民代表理事 癘{育生 6.「温暖化防止おひさまファンド」 おひさまエネルギーファンド株式会社代表取締役社長 山口勝洋 - まとめ - ----------------------- 前回はグローバルの視点からローカルな取り組みの意義を考えるフォーラムとなりましたが、今回はローカルな取り組みがどのように地域社会を変えていくのかが具体的に示されました。 ![]() 【岩手県葛巻町の挑戦】 岩手県葛巻町は、自然エネルギーへの取り組みをはじめる以前は地域の人たちも「葛巻町は何もない町」と思っていたようですが、環境エネルギーや食糧生産への取り組みの結果を見れば、まったくそんなことはなかったということがわかります。そして、それが具体的な数値として見えたとき、非常に大きな実感に結びつきます。![]() 【長野県飯田市の挑戦】 おひさま進歩エネルギーも活動している長野県飯田市での取り組みが成功した背景には、市長のリーダーシップが非常に大きな役割を果たしていたことがわかりました。また、それだけではなく、自らの地域のことを自らが考え、豊かにしていく「自律性」をもった市民が積極的に関わり、そこから出される多様な意見を行政が調整し、民間企業の力で大きな動きにしていくという地域社会全体の協働が変革のダイナミズムを生んでいるということがわかりました。![]() 【ドイツの地域社会の挑戦】 ドイツの環境首都の取り組みは、いずれも地域の人々の生活を実質的に豊かにしているという共通点がありました。そして、そういった取り組みの背景には核となる人々のパートナーシップがあり、彼らが変革のプロセスを共有し、次第にまわりの人々の意識や関係性がよりよいものに変わっていったということがわかりました。【疑問・不満から一歩進んで実践】 前回の登壇者・参加者のみなさま、今回の登壇者・参加者のみなさまは共通して「国の政策が自然エネルギー促進に向けてもっと大きく動くことが必要」という認識をもっておられました。現在、多くの人たちは、あるべき持続可能な社会像をイメージし、それと現実との間のギャップに疑問や不満を感じているのではないでしょうか?今回のフォーラムでは、そういった疑問や不満をから一歩進んで、実際に地域社会で実践することの意義や苦労などを知ることができました。 【参加者の声】 会場でのアンケートには、 ・自然エネルギーの普及のためには地域での取り組みが大切だと理解できた ・地域の発展につながる環境対策と市民ファンドとの連携に感動しました といった声が寄せられており、地域で取り組んでいる方々の経験や思いが少しでも多くの人に共有されたことをうれしく思います。今後もおひさまエネルギーファンドや地域で実践されている方々と共に、これらの実践をより多くの人に知っていただく機会を設けていきたいと思います。 |