CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2014年08月 | Main | 2014年10月»
昆虫は何を考えているのか [2014年09月13日(Sat)]
第225回 昆虫は何を考えているのか 2004/09/07

akamatu2004.jpg

 なんにも考えてはいないのである。昆虫は本能のまま、種の存続のためだけに生きている。
 山の仕事だから、昆虫は身近である。チョウチョやトンボやバッタの類はかわいらしい。セミは遠くで鳴いているだけである。身近でスキンシップを求めてくるのは、次の4つくらいである。これが困りモノ。

 アリ・・地面にシートを敷いて昼寝をすると、彼らの幹線道路をふさいでしまったのだろう。器用に這い登ってきて、長袖・長ズボンのわずかな隙間の袖口とか襟元を通過されるたびに、平穏なお昼寝タイムを中断されて怒っている。
 ブト・・蚊柱というやつ。ゴミみたいに小さいのが、下刈で歩いている後からずっとついて回り耳元でいらつく羽音を出す。雨上がりに一斉に孵化して飛び回る。顔面以外は露出していないで、刺されることはないが、その顔面が一番気になる。刈払機で両手がふさがっているので、唇を曲げてはふっと息を吹いて相手を飛ばす技を身につけた。虫除けスプレーはあるのだが、汗で流れちゃう。
 アブ・・ぶんぶんうるさいのはこれが一番。そのわりにトロくて、止まって刺そうとするのに気づいてから叩き落しても大丈夫。でも、こちらから先制攻撃をしかけようと思うと巧みに逃げ回り、半径1m以内をからかうようにぐるぐる飛んで戻ってくる。なめとんか!?と、座って本式に戦いだすと5分くらいの仕事の小休止が得られる。捕まえたら半殺しにして、羽を片方ちぎって放す。うちのじいさんは尻に松葉を刺して放したらしい。私が死んでアブの国に生まれ変わったらきっといじめらるだろう。
 ハチ・・命がけである。クマに襲われる人よりもハチに刺されて死ぬ労災事故のほうがはるかに多い。私はこの夏一ヶ月の間にスズメバチに3度刺されたが、幸い今でも生きているから、ハチアレルギーではない。ササバチやアシナガには何度もやられてきたが、スズメバチは今年が初めてだった。痛いのなんの。2日間は手が腫れてグローブのようになる。藪の中に地雷が埋まっているようなものだから、出会うかどうかは確率しだい。刈払機の刃先まで1m余りの距離で見つけて逃げる反射神経があるかどうかである。いやならこの仕事やめるしかない。

 なんにも考えていない昆虫であるが、山の中で生まれて、初めて人間に出会ったはずなのに、どの一匹も間違えずに人間に対応してくるからすごい。血を吸うとか、巣を守るための攻撃とか目的はあるが、どこをどう狙えばいいかどうして知っていたのだろうか。これがをシンプルな生命の本能とすれば、知性ある人間は遙に遠い(持続可能性の欠如)ところに来てしまっている。虫一匹もいない環境なんてとんでもない。"金鳥の夏"で、たまには適度に蚊にかまれてポリポリやってるくらいがサスティナブルでいい感じと思わないか。(2004/09/07)
| 次へ