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多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
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今月の俳句(令和元年十一月) [2019年11月20日(Wed)]
今月の俳句(令和元年十一月)

今月の兼題は「冬隣」「冬近し」。まだ冬に入っていないので、秋の季語です。立冬を過ぎましたが、まだ爽やかな秋晴れもある今の季節にはぴったりです。句評はいつも通り藤戸紘子さん、今月の一句の選と評は宮ア和子さんです。

「うず高く山家の薪(たきぎ)冬隣」 
  宮ア 和子

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薪ですぐに二宮金次郎を思い浮かべました。若い方は薪自体をご存じないかもしれません。電気やガスの設備が無い時代には薪(焚木の意)は竈での煮炊きや風呂を沸かすなど生活に欠かせないアイテムでした。今の時代でも山家(山中や山里にある家)では薪の生活が営まれているのでしょう。本格的な冬に備えて一冬分の薪を集めることは重労働でしょう。日毎に嵩高くなる薪に住民の冬備えの緊張が感じられます。

「霧の中浮かぶ備中松山城」
  木原 義江

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この句で咄嗟に浮かんだのが兵庫県の竹田城でした。天空の城は竹田城だけではなかったのですね。備中とは吉備の国の一部です。吉備国とは古代山陽道にあった国で、天武・持統天皇の頃、備前・備中・備後に分れました。現在の岡山県と広島県東部にあたるそうです。愛媛県松山市にも松山城がありますが岡山県にも松山城があるのですね。日本は山国ですから当然あちこちに山城が建てられたのでしょう。霧(秋の季語)の中に浮かぶ山城は真に宙に浮いているように見えることでしょう。幻想的な水墨の世界が想像されます。

「この土地に住みて五十年(いそとし)木守柿」
  皆川 眞孝

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この土地とは言わずと知れた三井台。半世紀も住み続けられたとは驚きました。ということは住み始められたのは30歳頃ということになります。まさに男盛りの頃で坂の町を闊歩されていたことでしょう。外地勤務やお子さんの成長過程、ご結婚等々ご家庭の歴史の詰まったこの町への思い入れが木守柿(きもりがき)の季語の斡旋により深く読む者に伝わってきます。ちなみに木守柿(冬の季語)とは収穫のあとに1つだけ(もしくは複数)木に残しておく実のことで、翌年の実生りへの祈りからとも小鳥のために残しておくともいわれています。自然との共生を大事にした先人達の暖かい心が感じられる季語だと思います。

「冬日浴び惰眠貪る獅子の群」
  小野 洋子

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獅子とはライオンのこと。動物園のライオンの景。野生のライオンは百獣の王と言われるに相応しい風格がありますが、動物園のライオンは戦うことも自ら食を得る為に他の動物を襲う必要がない為に真にだらしない寝姿で、言を変えれば安心しきって眠っています。その姿を初めて見た時は精悍なライオンを期待していただけにがっくりしました。考えてみればライオンといえど動物園で生まれ餌を与えられて育ったのですから野生を期待する方が無理な注文かもしれません。可愛らしくライオンが冬日を浴びて眠りこけていることは平和の証であると思いましょう。

「花型の和紙で繕ひ白障子」
  皆川 瀧子

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障子が冬の季語。障子洗ふ、障子貼る、障子襖を入れる(秋の季語)と障子に関する季語はこの他にも沢山あります。日本家屋に欠かせない障子・襖は取り付けたり、外したりと季節によって温度・湿度・風の調整に重要な役目を果たしてきました。しかし所詮木枠に紙を貼っただけの間仕切りに過ぎない障子は子供の手や風によっても容易く破られてしまいます。その手当をするのは女性の手に委ねられていました。女性達は単に破れに紙を貼り足すだけでは見栄えが悪いので様々に工夫をしました。この句はまさにその景。綺麗に花型に和紙を切り破れた部分を補正したのです。つつましく丁寧に生活されている姿勢が窺えて、祖母や母のことまで思い出しました。暖かく懐かしい気持ちになった一句。

「秋澄むや香の芳しき鉋屑」 
      藤戸 紘子

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鉋屑(かんなくず)は、どうしてあんな良い香りがするのでしょうか?製材所で出る「おが屑」と違い、大工さんが鉋を掛けてでる鉋屑からは、本当に良い香がします。特にヒノキでは、精油として使われるヒノキチオールが含まれていて、疲労回復。消臭効果、に良いといわれています。今では、通販で鉋屑を買うこともできます。その香は爽やかで、「秋澄む」という季語にぴったりです。また、作者は、「香(か)の芳(かんば)しき屑(かんなくず))と「か」の音を畳みかけて使っています。これは、日本語では難しい頭韻の技法ですが、ここではとてもリズミカルで、丁度鉋を使っている音が聞こえるようです。(句評:皆川眞孝)

「冬隣」の他の句

「鳥どちの餌(えさ)の完食冬近し」
 皆川眞孝
「牧牛(まきうし)の背な黒々と冬隣」
  小野洋子
「裏木戸の微かなる音冬隣」
  藤戸 紘子

今月の一句(選と評:宮ア和子)

「罅(ひび)深き廃寺の礎石草紅葉」

 藤戸 紘子 

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 一読してふと武蔵国分寺跡が浮かびました。上五句「罅深き」が歴史を思い、草紅葉で秋の静寂を感じて 選ばせていただきました。後で国分寺へいらしたと聞き一層草紅葉の景がはっきりと見えました。往時の武蔵国分寺は全国の国分寺中一番広大だったそうで、周辺には尼寺も存在していたと聞いたことを思い出しました。それで尼寺の跡かしらと思いが広がりました。十七文字の世界最短の詩さらりと詠まれた私の好きな一句となりました。(句評:宮ア和子)
 
《添削教室》(藤戸紘子)

原句「石蕗(つわ)咲いて子のいぬ島の海の紺」小野洋子
作者が沖縄の鳩間嶋に行った時の句。過疎の島で、子供が住んでいないので、小学生を離島留学生として寮に受け入れているそうです。この俳句では切れがないので、「島や」と切れ字をいれ、「海の紺」を「海の蒼」とした方が、引き締まります。
添削句
「石蕗咲いて子のいぬ島や海の蒼」
小野 洋子

Posted by 皆川眞孝 at 09:00
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