カナダ旅行記(14) [2012年09月04日(Tue)]
カナダ旅行記(14) 14.バッファロー・ジャンプ 8月7日(火) 今日はウオータートンからカルガリーへ帰る日だ。まっすぐ帰ると、カルガリーで時間が余る。どこか途中で立ち寄る場所はないかと探したら、面白そうな場所が見つかった。ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプ(Head-Smashed-in Buffallo Jump)と舌をかみそうに長い名前の場所だ。しかもここはUNESCOの世界遺産になっている。どんな所か興味がわく。 朝食をゆっくり済まし、ロッジを9時半にチェックアウト。カーナビは住所がきちんとわからないと案内をしてくれないが、とにかくカルガリーへ行く途中だと大雑把に場所を設定して出発する。 カルガリーに向かって、ほぼ真北の方角に進む。ウオータートンを離れると、平原が続く。牧草地が多いが、農地もある。そして、突如、風車の大群が現れた。見渡す限り風力発電風車が何列も整然と並ぶ。 カナダでも自然エネルギーを使った発電に力をいれている。ただし、現状は風力発電は1%以下でまだ原子力発電(20%)に頼っている。日本では脱原発をして風力発電をもっと進めるべきという声が大きいが、日本には風力発電に使えるこんな広大な土地はない。脱原発が実際はどんなに困難かこの一事をみてもわかる。 高速道路2号線を降りて、西に向かうが、見渡す限り何もない平原が続く。こんなところに世界遺産があるのかなと思いながら車を走らせる。突然、駐車場と案内板が現れる。 車を止めて、坂を上ると忽然と断崖がみえる。ここが、バッファロー・ジャンプ(野牛狩り場)だ。 このあたりは、平原インディアン(アボリジニ)が数千年前から住んでいた。彼らにとってバッファロー(野牛)は生活上最も重要なものだった。肉は食料に、皮は衣類やテントに、骨は道具や楽器に利用した。彼らがバッファロー狩りに利用したのが、崖だった。村全員が周到に準備して、野牛の群れをうまく追い立て、崖から落とす。崖下で待ち構えて、その野牛を解体する。その歴史が残る場所だ。 バッファローが落ちる様子 外からは良く見えなかったが、土に埋まったような設計で立派な博物館がある。 まず、崖の近くまで歩いていく。 草いきれ野牛落とせし高き崖(眞孝) 博物館内部では、崖の上から野牛がのぞいている。 大きな野牛の剥製 そして先住民の生活についての展示がある。狩りの様子を再現した映画もあった。 北アメリカ大陸には野牛が無尽蔵にいると思われていたが、現在は全滅して、わずかに残っている野牛は飼育されているもの位だ。インディアンの狩りも一因であろうが、一番大きな要因は、白人がスポーツとして野牛狩りをしたからだと、説明があった。鉄道の発達で、走る列車の中から野牛を銃で撃ってその数を競ったりしたそうだ。そういえば、映画「ダンス・ウイズ・ウルフ」でも白人のバッファアロー狩りの場面があったのを思い出した。今は動物愛護で捕鯨まで反対するアメリカ人やカナダ人も、100年前は動物に残酷で無益な殺戮をしたものだと、わかる。この場所は、いろいろ考えさせられる場所だ。 レストランでサンドイッチの昼食をとり、一路カルガリーに向かう。まだ200キロ以上ある。広大な平原の道をひたすら車を走らせる。 夏雲や原を貫く白き道(眞孝) カルガリーに近づき、車の数も多くなり、道路が複雑になった時に、今までの晴天から一転、雷が鳴り、夕立となった。前が見えない程の豪雨だ。カーナビだけが頼りで、カルガリーのホテル(Holiday Inn)にたどり着く。到着したら雨は止んだ。 ホテルの部屋に、思いがけなく電子レンジと「ミニ流し」がついていた。それで、近くのコンビニに車で行って、果物やサラダを買って、ご飯を炊いて夕食とした。夜は、大型デジタルTVがあったので、オリンピック放送を見て過ごす。 (続く) (文責:皆川) |
Posted by
皆川眞孝
at 09:00