世界最大の大聖堂 [2009年11月06日(Fri)]
世界最大の大聖堂 世界最大の聖堂はどこにありますか?そう質問されれば、ほとんどの皆さんは、ローマのバチカンだと答えるでしょう。カトリックの大本山・サンピエトロ大聖堂だと。ところが、ギネスブックによれば、違うのです。世界最大の聖堂は、アフリカのコートジボアールにあるのです。 荒川さんのブログ記事「世界ふれあい祭り」の中に、コートジボアールの首都はヤムスクロというところを読んで、10年前にヤムスクロの大聖堂を訪問したのを思いだしました。 コートジボアールの内陸ブアケにあるWARDA(アフリカ・ライス研究機関)を訪問した時に、話のタネに、アビジャンから車で行く途中にあるヤムスクロに立ち寄ったのです。 平原のむこうに、突然大聖堂が見えました。 ヤムスクロは首都ということになっていますが、コートジボアールの最大の都市は、アビジャンです。アビジャンは、かってアフリカのパリと呼ばれた大都会で、1983年まで首都でした。3車線の高速道路もあり、高層ビルも立ち並んでいます。(ちなみに、アフリカのロンドンはどこでしょうか?答は、このブログの末尾に)アビジャンには、国民の20%近くの400万人が住んでいます。 ところがヤムスクロには大聖堂以外は何もありません。人口も20万人とずっと少ないようです。コートジボアールの初代大統領で33年在職したウフェ=ボワニ大統領の生まれ故郷なので、首都にしたそうです。そして、この大統領が世界最大の聖堂を建設したのです。 周りに建物がないので、大きさがわかりませんが、近づくと確かに大きな建物だとわかります。ところが、人はほとんどいません。アビジャンから遠い奥地のために、信者も観光客も来ないのです。 中央に立っているのが筆者 ローマのサンピエトロ大聖堂を模したというだけあり、円屋根はそっくりですが、少しだけ高いそうです。 窓は大きなステンドグラスで飾られていますが、内部はがらんとしていてあまり人の気配がありません。 この大聖堂は、正式には「平和の聖母聖堂」(la Basilique Notre Dame de la Paix)というのだそうです。 大理石はイタリアから、ステンドグラスはフランスから輸入したそうで、総工費3億ドル(300億円)、1980年に完成したばかりです。貧乏なこの国で、膨大な費用をかけて大統領はなにを目的としたのでしょう。 その大統領も1993年に死亡し、私が訪問した2か月後の1999年12月24日に、クーデターが起きて、暫定大統領は追放され、コートジボアールは内乱状態がつづきました。この近くでも戦闘が行われました。大聖堂を訪問できる状態ではありませんでした。現在はどうなっているのでしょうか? これだけのお金をかけた壮麗な世界最大の聖堂もほとんど訪問する人がいなければ、世界最大の無駄遣いではないでしょうか? (文責:皆川) (答:ケニヤのナイロビが、アフリカのロンドンといわれています。) |
Posted by
皆川眞孝
at 08:08
サンピエトロ大聖堂より大きい聖堂が、しかもアフリカにあるとはびっくりしました。ステンドグラスも立派ですね。国を繁栄させるため?人間の欲望?神不在?もったいない等と考えてしまいました。ケニアのナイロビがアフリカのロンドンと言うお話もちょっとわかる気がします。貴重な体験談ありがとうございます。
宮ア