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多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
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今月の俳句(令和3年9月) [2021年09月19日(Sun)]
今月の俳句(令和三年九月)

 兼題は「秋簾」です。「簾」は夏の季語ですが、「秋簾」は秋の季語です。秋になっても残暑が続くので吊るしておきますが、やはり季節外れなので、場合によっては、放置されたままでうら寂しいという感じを受けます。

「野菜置く無人の店や秋簾」
  宮ア 和子 

sudaremise.jpg

この句は農家の方の畑近くに設けた屋台ほどの店でしょうか。夏の強い日差しを浴びると野菜はすぐ萎れてしまいますから、店主の方が簾を吊るされたのでしょう。
ひと夏の日差しに晒された簾は色褪せ、雨に打たれ、埃に汚れて見すぼらしくなっていることでしょう。しかし秋とはいえ日差しが強い日もあり、西日も結構強いので店主は簾を吊るした儘にしているのかもしれません。痛んだ簾に季節の推移を作者は感じられたのでしょう。

「花街の三味線の音秋すだれ」
  木原 義江

shamisenn.jpg

花街もコロナ禍ですっかり寂びれたと聞いたことがあります。その状況と秋簾の本意、夏に活躍した簾も色褪せや汚れが目立つようになり、季節の推移(時の経過)を感じさせ、行く夏を惜しむ思いが込められています。客の無い日に三味線の稽古をしているのでしょうか。そこはかとない寂しさが感じられます

「カルストの台地ゆ仰ぐ天の川」 
 出浦 洋子

akiyo.jpg

カルストと言えば山口県の秋吉台が有名です。作者の故郷は山口県。中学生の時の思い出の場所だそうです。台地に寝転んで星空を仰いだ時を思い出して詠んだそうです。明る過ぎる東京ではもう天の川を見ることは出来ません。
台地ゆ のゆですが、動作の時間的、空間的な起点を現す格助詞です。従いまして句意は、カルスト台地から仰ぎ見る天の川となります。天の川が秋の季語です。

「朝霧の流れ連山見え隠れ」
  皆川 瀧子

yamagiri.jpg

霧が秋の季語で地面や海面に接した気層中で水蒸気が凝結し無数の微小な水滴となって大気中に浮遊し煙のように見えるもので、同じ現象でも春は霞(かすみ)、秋は霧(きり)、季語ではない場合は靄(もや)と言いわけています。日本人の感性の繊細さを感じます。
この句は作者が避暑に出掛けられた小淵沢から八ヶ岳を眺めて詠まれた句です。解説は何もいらない。句を読んだだけで大きな景が立ち上がってきます。

「色変えぬ松柔道の朝稽古」
  皆川 眞孝

irokaenu.jpg
色変えぬ松が秋の季語。晩秋になると周りの木々は紅葉、黄葉、落葉と変化していく中で緑の美しい松を讃える言葉です。季節に拘わりなく朝稽古に励む柔道者達と色変えぬ松の取り合わせが見事です。また、柔道は日本独特の武道の一つで攻撃・防御の技を行うと同時に身体の鍛錬と精神修養とを目的とする術で、その伝統を伝えていく人々を季語の斡旋により強調しています。
また7音という長い季語を755の破調に纏められた力量が光ります。

「座布団にちんまり沈み生身魂(いきみたま)
  小野 洋子

bonnno.jpg


生身魂が秋の季語。聞き慣れない言葉だと思います。お盆には精霊を迎え、供養をしますが、ご先祖様だけでなく、父母や主人、親方など目上の人に子や目下の者が饗応したり贈り物をするという行事が生身魂です。室町時代以降からの習俗といわれ生き盆とも言います。生きている御魂を拝しその生命力に与るのが本来の意義です。
この句の生身魂さまは大層ご高齢のようで小さくなられ分厚い座布団に座られた景をちんまり沈むとの措辞により的確に表現されました。周りには子・孫・曾孫いや玄孫もいるかもしれない。この奥ゆかしい幸せな習俗が続くよう祈るばかりです。

「赤錆の墓の鉄扉やちちろ鳴く」
    藤戸 紘子

chichirona.jpg

久しぶりのお墓参りの景でしょう。鉄扉がついている立派なお墓ですから、きっと東京ではなく地方なのでしょう。なかなか墓参りができず、扉が錆び付いています。ご先祖様に申し訳ないなと思いながら、鉄扉をガチャガチャさせていると、草叢からはコオロギの声が聞こえます。作者は、ここを墓じまいして、便利な場所に小さいお墓でも作ろうかと思っているのかもしれません。そんな寂しい気持ちが、「ちちろ鳴く」の季語で伝わります。(ちちろとは、その鳴き声からコオロギのこと、秋の季語)色々考えさせられる俳句です。(評:皆川眞孝)

秋簾の他の句
「秋簾きりりと巻きて京の路地」
      小野 洋子
「灯の洩るる下町の路地秋簾」
     藤戸 紘子
「古民家の廻り廊下や秋簾」
    木原 義江
「雨音の強き荒れ庭秋簾」
   皆川 眞孝

  、

今月の一句 (評と選 皆川瀧子)
「白桔梗ほのと浮き出て庭暮るる」
小野洋子


kikyou.jpg

桔梗は秋の七草の一つで鑑賞用に庭などにも植えられます(秋の季語)。8月から9月頃鮮麗な花を開きます。花の色は青紫色が多いですが園芸品種には白い花もあります。
この句は、『秋の日の釣瓶落とし』と云うようにあっという間に暮れてしまった庭に、白桔梗がほのかに浮き出て咲いている景を詠っています。ここでは白桔梗でなければいけません。それを見た作者は、ほんのりと心が暖まったことでしょう。その情景が目に浮かぶ句です。「ほのと浮き出て」の措辞が良いので、選ばせていただきました。(評:皆川瀧子)

添削教室(藤戸紘子)
原句 「用水路に影を落として彼岸花」
宮崎 和子

彼岸花の美しい景を詠っていますが、「用水路に」の「に」が説明的になります。俳句は散文と違って詩なので、説明を避けて事物をそのまま描写し、あとは読み手に任せるのが良いでしょう。同じ言葉を使って、順序を変えてみました。こうすると、同じ内容ですが、あまり説明的でなくなります。
添削
「彼岸花影を落として用水路」
宮崎 和子
 

Posted by 皆川眞孝 at 21:29
この記事のURL
https://blog.canpan.info/nsk/archive/5133
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コメント
皆川様
ブログのお墓の写真、立派過ぎます。この規模のお墓は明治の元老クラスでしょう。実家のお墓はこの半分くらいかな。でも鉄扉のあるお墓のイメージはあっています。余談ですが、私の子供の頃は鉄扉はありませんでした。戦争の供出で無理に取り外されたとのことでした。
大分経ってからまた取り付けたものです。子供ながらにお墓の鉄扉で鉄砲の玉をつくるなんて、と思ったものです。
Posted by:藤戸 紘子  at 2021年09月23日(Thu) 10:02

荒川様
   毎回、俳句を丁寧に読んで頂き、的確なコメントを有難うございます。私も、生御霊知りませんでした。私の故郷の浜松に、このような風習があるのか、今度姉に聞いてみます。
  
出浦様
  コメントを有難うございます。カルスト台地とは、石灰岩の台地で、スロヴェニアのカルスト地方の台地が名前の起源で、日本では秋吉台が代表だとどこかで読んだことがありますが、まだ秋吉台に行ったことがないのです。写真で見ると、露出している石灰岩がごろごろしているのですね。一度は行ってみたのですが、元気のうちに行かれるかどうか?
俳句にあるように、夜空がきっと澄んでいて天の川もみられるのでしょう。

藤戸様
   いつも全員ほ俳句に、心温まる句評を有難うございます。私たちに励みになります。また、今月は私の句に、望外の褒め言葉をいただき、ありがとうございます。
  生身魂のイラストは、私もみたことがないので、探すのに時間がかかりました。
  藤戸さんの俳句のお墓は、ご実家のお墓でしょうか?扉のある立派なお墓はあまり見たことがなく、ネットに写真もあまりありません。このような写真でよろしかったでしょうか?句評に失礼があったか心配です。

 木原さんから花街のご自分の句についてコメントがきています。学校を休んだ友達に届け物があり、横浜蒔田町に行ったときに三味線が聞こえて来たので、聞いてみたら、その辺り一帯は花街なんだと言われたそうです。ずいぶん昔の思い出ですね。

皆川眞孝
 
  

Posted by:MASATAKA MINAGAWA  at 2021年09月20日(Mon) 18:29

荒川様
早速のコメントありがとうございます。
荒川様ご夫妻は人格的にも年齢的にも立派な生身魂です。句会では
宮崎さんが生身魂と全員で意見一致しました。家制度が崩れ、核家族化が進み、こんな暖かな習俗が消えていくことは寂しい限りです。
また、会員相互で鑑賞しあうことは句会の醍醐味だと思います。

皆川様
今回も素晴らしい写真やイラストを掲載いただき有難うございました。中でも生身魂は秀逸です。殆どの人が生身魂という語すら知らないと思いますのでこのイラストで良く理解できたと思います。
Posted by:藤戸 紘子  at 2021年09月20日(Mon) 13:12

皆川様
 いつも俳句にぴったりの写真や絵を付けて下さり有難うございます俳句が生き生きしてきます。
句会の時、山口県はまだ行ったことがないと仰っていましたが、なかなか良い所ですのでお勧めします。「おいでませ、山口へ!!」

藤戸様
 いつも心温まる句評や解説を有難うございます。今回は皆川様の俳句の「色変へぬ松」という季語を初めて知り、感動いたしました。改めて季語の種類の多さに驚きました。
Posted by:出浦洋子  at 2021年09月20日(Mon) 11:59

皆川&藤戸さま
今月の俳句 ご苦労様です
生身魂・・初めて知る言葉です。七百年も前からの習俗だというのに知らなっかったとはそれこそチコちゃんに叱られます。今年の敬老の日、成人した九州の孫からお茶を贈られました。まさに生身魂です。
「に」が説明的だという添削は自分が教えられてる感じでみました。
早速、・・墓の鉄扉で とすると説明的になるから“や”としたのだなと勝手な自己解釈。
作者相互の批評文は濃密かつ温かみがあって“いいなー”と思いました。
Posted by:荒川 健三  at 2021年09月20日(Mon) 09:13

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