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多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
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今月の俳句(令和二年二月) [2020年02月24日(Mon)]
今月の俳句(令和二年二月)

  二月の兼題は「うすらひ」です。春先に薄く張った氷で漢字では「薄氷」と書きます。これを「うすごおり」と五音で読むこともあります。句会では、兼題の句が多く出されましたが、今月の俳句に各自が選んだのは、冬から春にかけての俳句となりました。


玻璃窓のあるかなきかの初ごほり(氷)」
  皆川 眞孝

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玻璃(はり)はガラスのこと。氷が冬の季語。今年は暖冬で積雪もなく池に氷が張ることもありませんでした。が、立春過ぎてから冬に逆戻りしたような寒さに襲われました。この句で詠まれた初氷の意味はその冬で初めて水が凍ることで、お正月の氷ではありません。しかし今年は寒中でも凍ることはありませんでした。この句が詠まれたのはまだ冬の時だったのか、立春過ぎてからの初氷だったのでしょうか。作者はあまりに遅い初氷に驚きと感動を感じられて詠まれたのでしょう。
氷は冬の季語ですが、この季語とよく似た季語に「薄氷(うすらい)」という語があります。薄氷は春になってごく薄く張る氷のことで春の季語です。同じ氷でも季節により細かく読み分ける俳句はなんと繊細な文芸かと思います。今年のように天候不順ですと俳句を詠む者としては大変悩ましいところです。

葉の上の薄氷風と共に消ゆ」
  宮ア 和子

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先の句でも取り上げましたが、薄氷(うすらい)が春の季語。春先になって、ごく薄く張る氷のことで解け残った薄い氷のこともいいます。冬の氷と違って薄く消えやすいことから、この季語には淡い儚い情感があります。作者のお宅の庭での景。葉っぱの上に薄い氷をみつけ、掌に乗せたそうです。その時さっと風が吹いたと思ったら掌の氷が消えて、びっくりしたそうです。はかなく消えた薄氷に作者は思いを深くされたことでしょう。詩情豊かな一句となりました。
単純に掌が暖かだっただけでは、などというリアリストの意見はこの際無視しましょう。

わが町は坂道多し鳥曇」 
 木原 義江

コメント 2020-02-22 224313.jpg

鳥曇り(とりぐもり)が春の季語。日本へ渡ってきた雁や鴨などの渡り鳥が春再び北へ帰る頃は天気が変わりやすく曇ることも多い。その雲のことを鳥雲といい、吹く風を鳥風といいます。我々の三井台は小山の南面に造られた住宅地、従って全体が坂の町となっています。若い頃は何でもなかった坂道が加齢とともに足腰にこたえるようになりました。足腰を鍛えるには絶好の環境ですが、外出が億劫になるのも現実です。そんな日々の生活を鳥曇りという鬱陶しい季語で表現されました。

浮雲や連山染まる春夕焼」
  皆川 瀧子

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単に夕焼けといえば夏の季語。夕焼けはどんな季節でも表れますが、はんなりと西空を染める春の夕焼けは、のどかな一日が暮れるのを惜しみ明日に期待を寄せる風情がただよいます。浮雲とは空に浮かび風に従って動く雲のこと。浮雲がゆっくりと流れ、春の夕焼けの柔らかな光が東側の山並みを明るく染めています。静かで満ち足りた時がゆっくりと流れていきます。

夕暮れの瀬音滑らか猫蛛v 
 小野 洋子

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猫蛯ェ春の季語。日当たりのよい小川の縁や山地の渓流の岩の隙間などに自生する落葉低木。生け花でもよく使われるのでご存じの方も多いと思います。早春、葉よりも早くふわふわした銀白色で覆われた花穂を上向きにつけます。夕暮れに浅瀬を流れる水音が滞ることなく滑らかに穏やかに響いています。
穏やかで滑らかな川音と猫蛯フ滑らかな銀白色の花穂の手触りがよく響き合って春の夕暮れの柔らかさが伝わってきます。

汐風の運ぶ梅が香野点傘」
      藤戸 紘子

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野点(のだて)とは、野外でお茶を点てることです。梅園などでは、大きな傘を広げその下で和服の女性たちが優雅にお茶をたてている光景をよく見かけます。
梅見客が参加できる野点もあります。
この句のお茶席の梅園は海のそばなのでしょう。梅の香(春の季語)に潮の香も混ざっているようです。春の華やかな景を詠い、作者の春の到来を喜ぶ気持ちがよく伝わってくる明るい春色満開の俳句です。(句評:皆川)

今月の一句(選と評:小野洋子)

「浮桟橋の鉄鎖軋むや春の潮」
   藤戸 紘子

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作者が清水港に吟行に行かれた時の一句。清水港は七世紀の史書に名がのり、神戸港、長崎港とともに日本三大美港の一つだそうです。国際的な定期コンテナ船や、欧州、鉾米、アジアの大型船が行き交い港は活況を呈しています。
浮桟橋は、港湾において水上に箱状の浮体を浮かべ陸域と連結した係留施設を言います。春になると潮の色は淡い藍色になり、干満の差が大きく、その干満により海の表情が大きく変化します。その情景を鉄鎖の軋みという細かい角度から詠まれたことが、見事だと思います。(句評:小野洋子)

薄氷の他の句
「薄氷(うすごおり)散歩の犬の白毛かな」
     皆川 眞孝
「薄氷の間(あい)より金の鯉の口」
     藤戸 紘子
「薄氷を掌(てのひら)にのせはしゃぐ子ら」
     宮崎 和子
「犬の鼻薄氷つつきまた突く」
    宮崎 和子
「うすらひや姉と疎開の田舎道」
    皆川 眞孝


<添削教室>(藤戸紘子)
原句「薄氷を手にした途端崩れ落つ」 皆川瀧子
 宮アさんの俳句で説明した通り、薄氷は儚いものです。手に取った薄氷の溶け行く情景を詠った句ですが、散文的です。次のように語順を変えただけで、俳句らしくなります。
 添削句:「手に取れば崩れ落ちたり薄氷」
  皆川 瀧子
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
この記事のURL
https://blog.canpan.info/nsk/archive/4887
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コメント
荒川様
暖かいコメントをありがとうございました。暖冬で薄氷も見られなかったので皆さん大変苦労して作句されたようです。それでもこれだけ出揃う底力がついたと私は大変嬉しく頼もしく思いました。コロナウイルスのせいで外出が怖い日々です。俳句は自然の中にいてこそ感動や発見があって詠めるものなので一日もはやい終息が待たれます。

皆川様
今月は全部写真でしたね。すばらしい選択をしていただきありがとうございました。世間はコロナウイルス一色で、心晴れない日々ですがこの俳句のブログだけは長閑な春の景色満載で気持ちが軽くなりました。
Posted by:藤戸 紘子  at 2020年02月26日(Wed) 10:41

荒川様
  いつも暖かいコメントを有難うございます、
  今冬は暖冬のために、大雪もなく薄氷も見られませんでした。そのため、皆さん句作りには苦労されたようです。
私は、薄氷というと昔疎開した田舎の道を思い出しました。都会では道が舗装されていて水たまりもあまりありませんが、田舎の道は泥道でした。冬には霜柱も薄氷もよく見られました。
今、あの疎開した村がどうなっているか、一度行ってみたい気がします。
皆川眞孝
Posted by:皆川  at 2020年02月24日(Mon) 21:15

皆川&藤戸さま
令和2年元旦を迎えたと思ったら2月となり、3月は目前に迫りました。今月の俳句はすべて “詩情豊かな句” だと思いました。薄氷を鋭く観察されていて、日常見過ごしてしまうところを見逃さない感覚は素晴らしいと思いました、たとえば犬が鼻の先で薄氷を突っついている情景が作句されるとは…浮き桟橋の鉄鎖の軋み…等々
添削で「語順」の重要さが何回か指摘されましたが、俳句は推敲が鍵の一つなんですね。
Posted by:荒川 健三  at 2020年02月24日(Mon) 12:20

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