東北北三県の旅 (14) [2017年12月19日(Tue)]
東北北三県の旅 (14) 八甲田山-1 八甲田山は、青森市にある標高1500〜1600mの連峰で八甲田山という単独峰はありません。 那須火山帯のなかの八甲田火山群で、カルデラを形成した巨大噴火は、65万年前と40万年前の2回、調査判明していて、2016年12月から気象庁の常時観測火山に追加指定されています。 八甲田山は直木賞作家新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」で知られ、映画化されました。 小説は明治38年に勃発した日露戦争の3年前に陸軍がシベリヤ極寒の環境下の戦争に備えて青森第5連隊と弘前第31連隊に八甲田山の耐寒行軍を命じ、悲惨な結果を招いた事件を題材にしたドキュメンタリー作品です。 行軍の犠牲者は専ら青森第5連隊で、行軍参加210名中199名が凍死しました。(冬季山岳遭難事故としては世界最大の事故です) これに対し38名の少数精鋭で臨んだ弘前第31連隊は全員無事帰還したのです。 青森第5連隊が出発したのは明治35年(1902)1月23日朝6時55分で、115年を経た現在、大多数の人には忘れられた事件ですが、先人の犠牲、苦労を偲び、この山域を自分の目で見るのも意義があると思いました。 続く 文責 荒川 |
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wild river
at 09:00