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多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
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今月の俳句(25年3月) [2013年04月14日(Sun)]
今月の俳句
(平成25年3月)


少し遅くなりましたが、3月の俳句サークルの句会で選んだ俳句を掲載します。
3月の兼題は「ぶらんこ」です。俳句では、「ぶらんこ」は「春」の季語になっています。中国での春を招く行事がもとになっているそうですが、寒い冬に外に出たくても出られなかった子供たちが、少し暖かくなって賑やかにぶらんこを漕いでいる姿は、春らしい風景です。
藤戸さんの句評と一緒に掲載します。(皆川)


坂多き町に住み馴れ梅三分」  
小野 洋子

ume2.jpg

私達の住む三井台は丘の斜面の住宅地で、どこを歩いても坂ばかりです。
作者はこの地に永らく住まわれたのでしょう。坂道にも馴れて散歩を楽しまれているのかもしれません。春浅き頃から、梅を楽しみながら歩かれている様子が浮かびます。

梅の里匂ひはるかに富士のぞむ」  
大森 初代

ume3.jpg

富士を遠くのぞむ梅の里とはどこでしょうか。富士の裾野のどこかでしょうが、梅の香の満ちた広々とした梅林の景が浮かんできます。
青い空、その空を背景に雪の残る富士山が優雅な姿を見せています。気持よい大きな景の句となりました。

ぶらんこに揺られて思ふ母のこと」  
佐藤 朋子

ぶらんこ.jpg

三月の兼題「ぶらんこ」で詠まれた一句。ぶらんこといえば誰もが反射的に子供時代を思い出します。子供時代の思い出は母親との関わりによるものが多いと思われます。
作者もぶらんこに揺られているうちに母のことをあれこれ思い出されたのでしょう。幾つになっても親は恋しいものです。しみじみとした味わい深い句となりました。

廃屋に錆しぶらんこ風に揺れ」  
皆川 瀧子

s-buranko2.jpg

無人のぶらんこは、他の遊具と違って何か寂しさを漂わせるものです。まして廃屋の荒れた庭に置き去りにされた錆の出たぶらんことなると、かってそのぶらんこを漕いで大はしゃぎをしたであろう子供のことまで考えてしまいます。錆た金具が揺れる度に軋む音まで聞こえそうです。ぶらんこにまるで心があるかのように哀れに思えてきます。俳句を始められて日の浅い作者ですが、素晴らしい感性の持ち主です。

残雪に草色混じる谷間かな」  
皆川 眞孝

s-zansetu.jpg

早春の谷間の景。谷間ですからあまり日当たりが良くないかもしれません。まだ残雪がしっかり
地を覆っているが、その所々に草の若葉が顔を出し春の到来を告げています。作者は雪の中に
若草色を見つけた時、春待つ心が一気に沸き立ったかもしれません。その感情を素直に表現されたと思います。

久々に空を蹴り上げ半仙戯」  
宮ア 和子

bura1.png

半仙戯(はんせんぎ)とはぶらんこのこと。(半ば仙人の気持ちになれる遊戯具、の意味)
兼題としてぶらんこが出されて、作者はお孫さんを連れて公園に行かれ、本当に久しぶりにぶらんこを漕いだそうです。楽しかったとその感想をお聞きしました。
子供にかえってぶらんこを一生懸命漕がれたその喜びと勢いが、空を蹴り上げ、の中七に充分に
表現されました。エネルギッシュな作者のお人柄のよく出た一句となりました。

ぶらんこや活断層の上に住み」  
渡辺 功

jisin.gif

ぶらんこと活断層ですか。驚きました。発想がユニークですね。
ぶらんこは「ふらここ」ともいいます。読んで字のごとく、揺れる遊具のことです。そこから不安定な状況、不安な気持ち、定めなき心、と想像は広がります。日本は地震大国という有難くない代名詞を持っていて、活断層は至る所に走っています。それでも我々はまるで自分の住む地には大地震はこないものとして日常を営んでいます。
でも深層ではいつも地震を恐れているのです。その不安な心を作者はぶらんこに託して表現されました。なかなか底力のある作者とお見受けしました。

観劇に若草色の春ショール」      
藤戸紘子

New_Kabukiza.JPG

説明がほとんど不要で、鮮やかな色が目に浮かぶ俳句です。観劇といえば、柿葺落したばかりの歌舞伎座をすぐ思い浮かべます。女性はおしゃれして行きたい場所でしょう。まだ少し寒い時期で、ショールは必要ですが、春らしい若草色を選ぶというのが、心憎い配慮です。うきうきした気持ちが伝わってきます。(コメント:皆川)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
この記事のURL
https://blog.canpan.info/nsk/archive/1685
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コメント
このブログをご覧いただいている皆様へ

皆川さんのコメントにちょっと補足させていただきます。
そもそも俳句は座の文芸と言われています。座とは人々の集まりです。そこで提出された俳句について皆であーでもない、こーでもないと意見を言い合い、知恵を出し合い、俳句を磨き上げていきます。南窓会の俳句会はこの段階にあります。こうして互いに勉強したり、激論になることもありますが、協力して良い俳句に仕上げていく作業をいたします。そのうちに、それぞれの個性がでてきて
もう他人がとやかく言えない独り立ちの俳句ができるようになります。そのレベルを目指して皆さん、努力の最中です。発足当初、ほとんどが俳句のはの字も知らない初心者というより入門者という方々でしたが、どうでしょう!本当にすばらしい歩みをされていると思います。これからが楽しみです。
Posted by:藤戸 紘子  at 2013年04月15日(Mon) 12:10

荒川様
  私たちに才能があるなんて、とんでもない。
誤解されるといけないので、私たちの句会の裏をお話します。毎月1回、それぞれ3句を持ち寄って、誰が作ったかわからないようにして、他人の句を3つ選句します。そのあと、藤戸先生にそれぞれの句について、悪い点、良い点を指摘してもらい、このようにしたら良くなるというヒントをもらいます。それを参考に全員で意見を述べたり、考えたりして、できた俳句がこれらのものです。ですから、一人の作品というよりも、共同作業の結果ともいえます。
私たちは初歩ですので、まだまだ勉強中の段階。このようなプロセスを経て、すこしずつ向上していきたいと思っています。
皆川眞孝
Posted by:皆川眞孝  at 2013年04月15日(Mon) 08:59

皆川様
 超お忙しい中、早速3月の俳句をアップして頂きありがとうございます。イラストを上手に挿入して下さって恐縮するやら、さすが〜!と感嘆しております。俳句の門を何も知らずに潜ってしまい、怖いもの知らずを今実感しています。

藤戸様
 いつも身に余る講評、ありがとうございます。継続は力を頼りに先生の後を歩んで行けますよう願っております。
推敲して頂き、歳時記をフル運転、使いこなさなければと思いました。これからもよろしくお願いいたします。
宮ア
Posted by:ミセスミヤ  at 2013年04月14日(Sun) 21:36

皆川・藤戸さま
みなさま全員が俳句への優れた才能をお持ちだと感じられ、ひたすら羨望の気持ちが増すばかりです。一句一句批評といっしょに読ませていただくと、同じ人間で何故このような閃きのある人と私のように無い人に二分されるのだろうかと思ってしまいます。私は皆様のすぐれた作品を鑑賞するだけで満足しております。
Posted by:荒川健三  at 2013年04月14日(Sun) 20:02

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