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2016年12月01日

LGBTから考えるダイバーシティ&インクルージョン

NPO大学の最初のゲストは、NPO法人ReBit(リビット)代表理事の薬師実芳さんでした。
テーマは、「LGBTから考えるダイバーシティ&インクルージョン」。
ここでは、薬師さんの講義内容をお伝えいたします。

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藥師さんは女性として生まれたものの、小さい時から違和感を覚えており、18歳のときに男性として生きる道を選択しました。それまでは明るい女の子を演じる一方で、誰にも相談できず1人で悩んでたといいます。自身の原体験についても触れながら、LGBTとダイバーシティについて、社会の課題を説明してくれました。

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■小さな積み重ねで社会を変えていく。ReBitという名前に込められた思い

今回の講座のゲストである藥師さんは早稲田大学商学部の出身。現在、自身が代表を務めるNPO法人ReBitという団体の紹介から講座は始まりました。

「ReBitという名前には社会を”little bit”を繰り返していくことで変えていけたらという思いが込められています。」

NPO法人ReBitはLGBTの子ども若者に特化した事業を行い、NPO法人化して3年目の団体です。現在は全国にいる300名の大学生・社会人スタッフと活動を行っています。

NPO法人ReBitの事業は3つ。1つ目は学校でLGBTについて話す事業、2つ目はLGBT成人式、3つ目がLGBT就活です。

藥師さんは女性として生まれたものの、小さい時から違和感を覚えており、18歳のときに男性として生きる道を選択しました。それまでは明るい女の子を演じる一方で、誰にも相談できず1人悩んでいました。

「ありのままで生きていけない。そう感じている人にあなたのままでいいんだよ、ということを伝えたいと考えています。ReBitはそれをLGBTという切り口で行っています。」

■ダイバーシティって一体なに?

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講座のテーマであるダイバーシティ。最近よく耳にする言葉ですが、その意味を理解している人は少ないのではないでしょうか?

「違いって何だろう、と考えてみた時にカテゴライズされた違うではなくて、一人ひとりの考え方、価値観自体そもそも違うよねという話だと思うんです。マイノリティが生きやすい社会だけではなく、あなたが生きやすい、違いが生かされる社会だと考えるといいのではないでしょうか。私はこの考え方がとても良いなと思っています。」

LGBTについて考えるとき、考えなくてはならないのは性別の問題です。日常生活で性別を考えるとき、からだの性だけで考えてしまいますが実は私たちの性別は4つの性別の掛け合わせで構成されています。

1つ目がからだの性、2つ目がこころの性、3つ目が好きになる性、4つ目が表現する性です。

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「例えば私は今、ネクタイをしているんですがこれは男性的だと言われることもあります。それから僕という呼び方や、ブラックコーヒーを飲むことなど。これは表現する性です。このようにからだの性だけではその人の性別を決めることはできないんです。」

同性愛者、男性も女性も恋愛対象の人、体と心の性が一致しない人など性的マイノリティの方々も人それぞれです。

「私がお伝えしたいことは2つです。1つはからだの性では性別は決まらない、そのため見た目ではわからないということ。2つ目は人の数だけ性はあるので男女だけでは分けきれないということです。」

LGBTは約13人に1人の割合で日本にも存在しています。それは左利きの人やAB型と同じくらいの割合です。

■LGBTから考える5つの問題

LGBTについて学んだところで次はLGBTから考える課題5つを紹介してくれました。
1つ目は「世界とLGBT」。世界の国々の中でLGBTへの差別禁止法を制定し、権利を守っている国はまだ約3分の1です。また日本にもLGBTへの差別禁止法はありません。

2つ目は「日本とLGBT」。2020年のオリンピックに向けて作成されている五輪憲章では性的指向による差別禁止の条項が盛り込まれました。その他にも2016年1月には超党派の議員連盟が発足、昨年には渋谷区が同性のパートナーシップを認める条例をつくりました。渋谷区の取り組みは東アジアで初の取り組みで世界中から注目を浴びています。

3つ目が「経済とLGBT」。日本のLGBTの人々が消費する市場の規模は5.9兆円。この市場の消費の傾向に注目が集まり、マーケティングの世界では一躍話題となっています。

4つ目は「職場とLGBT」。現在、働く職場の同僚に自分がLGBTであることをカミングアウトできている人は全体の4.9%。男女雇用機会均等法ではLGBTへの差別をセクハラと認定するなど様々な取り組みが行われているものの、職場でのカミングアウトは依然として難しいのが現状です。それでもGAPやLUSH、JALやANAなどLGBTの問題へ取り組む企業も増えてきました。

5つ目は「子どもとLGBT」。69%の性同一障害の子どもが死にたいと思い、そのピークが成長期であることがわかっています。70%がいじめや暴力を受けた経験を持つ一方で学校でLGBTについて学んだという高校生は全体の9%です。9割以上の子どもに必要な情報が渡っていない現状があります。

最後にメッセージをいただきました。

「今日からできることを話し合ってもらいましたが、”できること”と”やること”には常にギャップがありますよね。それでも小さな一歩を続けていくことで社会って変わるんじゃないかと思います。だからLGBTのことを理解してほしいということだけを伝えたいわけじゃなくて、見た目でわからない違いを誰もが持っているからこそ、あなたと誰かが違うことを前提として、その違いを尊重していけたら素敵だなということを伝えたくて話しました。そのきっかけにLGBTがなれば嬉しいです。」




次回からは、薬師さんの講義を聞いて、それぞれの受講生が書いた記事を紹介していきます!
posted by 池田 at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | LGBT

NPO大学とは

日本財団CANPANプロジェクトとオルタナSは2016年7月から、NPO大学を始めました。
NPO大学は、大学生・若手社会人を対象にした連続講座です。

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若手NPO代表らをゲストに招き、子どもの貧困や地域活性化、動物愛護などさまざまな社会問題をテーマに、その原因と解決策について考えていきます。
受講生は、NPOと社会問題について学びながら、発信技術とファンドレイジングのスキルを身に付けます。

8月から毎月1回、講座を開いてきました。
毎回、講座の終了後には、受講生たちがゲストについて、600字ほどで記事を書きます。
こちらのブログでも、その記事をご紹介いたします。

タグ:大学生 NPO
posted by 池田 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | NPO大学とは