福田 弘(大阪市政調査会、大阪市在住)
縁があって大阪市内のある商店街の役員をしている。そこもご多分にもれず、いわゆる「シャッター街」である。先だって京都の商店街のみなさんと意見交換をする機会があったが、「商店街あるある話」で盛り上がり、同じ課題を抱えていることをあらためて感じた。
なぜ商店街がシャッター街になるのか。よく言われるのは、近隣に品揃え豊富な大型スーパーができてお客が流れ、さらに商店が減って品揃えが悪くなるという悪循環である。店をたたんでシャッターを下ろすぐらいなら、若者に安く貸せばいいのではないかと思うが、そうもいかないらしい。古い商店街の多くは店舗兼住宅が主流で、階段が店内にあるため、上階に(元)店主が住んでいる場合は貸し出すのが難しいという。
確かに、家主が住んでいなければ店舗兼住宅の方が別の場所に住んで店舗に通うより、家賃も安くてすみ、税制上も有利だ。しかし、住宅スペースに風呂がないことも多く、付近にあった銭湯も廃業するところが増えている。改装して若者向けに貸し出せばいいとはいうが、もともと商店街は店舗の集まりであり、不動産開発の機能がないのである(もちろん商店街に面した店舗兼住宅を専門とした不動産業者はあるし、不動産業者が絡んで成功している商店街もないわけではない)。
よく商店街の活性化として集客イベントが行われるが、一過性の効果しかなく、逆にイベントで役員が消耗したりもする。必要なのは、集客イベントではなく客を呼べる店舗なのだ。しかし自治体の助成金はイベントやキャンペーンにつくことが多い。その企画や申請作業をコンサルに任せると、まさにコンサル助成になってしまったりする。一時「商店街マップ」などもよくつくられたが、店舗の入れ替わりですぐ使えなくなってしまう。
客を呼べる店舗ということでは、かつて大阪市には1年間だけ家賃を1万円助成する制度があった。非常にシンプルな制度で、必要な書類も賃貸契約書ぐらいのものだ。実際にこの制度を使って開店した店舗もあった。万博IRに巨額の公費が使われる一方で、普通会計ベースで大阪市の商工費は維新市政がはじまってから3割以下に削減されている。このようなところに少額でもいいから使うべきではないかとも思う。
商店街は一国一城の主の集まりなので、合意形成が難しいという話もある。同業者の店主の仲が悪いということもよくある。まさに同業者ばかりの集まりである道具屋筋のように、商売敵と思わずに同業者どうし盛り上げようとはならないのである。
商店街の活性化は一筋縄ではいかないし、商店街によってそれぞれ事情は異なる。商店街は歴史的な役割を終えたという人もいるが、周辺地域に住む住民からはやはり必要とされている。新しい可能性の追求も含めて、商店街に関わっていきたい。