★海外記事の紹介:2014年、NPOのソーシャルメディア活用を変える「8つのトレンド」 [2014年01月21日(Tue)]
フィリピン、シリア、中央アフリカ共和国、南スーダンなど、2013年はソーシャルメディアを経由して世界中の人道的救援活動のニュースが流れてきました。2014年もNPOは支援者、寄付者、メディア、研究者ともっと情報を共有し、関係性を深め、社会的なインパクトを生むことを願ってやみません。今回は、NPOやNGOのグッドニュースを発信する“ママブロガー”のネットワーク「Mom Bloggers for Social Good」創設者が発表した、NPOのソーシャルメディア活用「2014年予測記事」をご紹介します。
![]() image by Dell's Official Flickr Page. 8 Social Media Predictions for Nonprofits in 2014 | Impatient Optimists -- Bill & Melinda Gates Foundation http://www.impatientoptimists.org/Posts/2013/12/8-Social-Media-Predictions-for-Nonprofits-in-2014 WRITTEN By Jennifer James December 30th, 2013より抄訳 |
1.クリエイティブなキャンペーンを(このままだと伝統的な企業と一緒)。 少し正直に申し上げると、NPO業界は一般的にソーシャルメディアのクリエイティブの限界に挑戦していません。私たちは莫大な予算と最新鋭のマーケティングチームを持つ企業ブランドによる非常にクリエイティブなキャンペーンをよく見かけます。しかしなかには目を引くNPOのソーシャルメディア・キャンペーンもあります。なぜ目を引くのでしょうか。それはオンライン上で支援者とつながる様々な方法に取組んでいるからです。 貧困救助に取組む米国NPO「ONE」はキャンペーンサイト「Resolution Roulette」を立ち上げました。※1 無理して寄付行動を起こしてもらわず、自分や他の誰かが楽めるような面白い(くだらない?)GIF画像をサイトで流し、ソーシャルメディアで紹介してもらうことで、メールマガジン登録者を一気に獲得することが目的です。 他にもあります。2013年のNPO最優秀動画キャンペーンに選ばれた「4 Year Olds Bucket List - Water is Life」です。※2 ケニアに住む4才の少年が死ぬまでにやりたいこと(バケットリスト)の実行をサポートする感動的な動画です。(この地域では、5人に1人は5才まで生きられません。それは綺麗な水が飲めないことも原因のひとつです。) このトレンドが続くのであれば、2014年は既成概念にとらわれず、独自の方法で支援者をひきつけるクリエイティブなソーシャルメディア・キャンペーンを見ることができるでしょう。 ※1:http://resolutionroulette.org/ ※2:http://youtu.be/XYf82F3CHYo 2. NPOはもっとファンとソーシャルメディア上で会話をする。 組織規模に関わらず、より多くのNPOが気付く1つのことは、ソーシャルメディアは双方向のやりとりでなければならないことです。世界で大きな影響力のある芸能人を見れば、彼らもしくは彼らのソーシャルメディアチームはファンのつぶやきに注目してRT(リツイート)を多く行い、ファンに話しかけています。間違いなく、芸能人たちはソーシャルメディアは双方向のコミュニケーションであることを理解しています。その理由は、ファンのつぶやきにRTして反応したり、コメントを付けたりすると、ファン自身のFacebookやInstagramやテキストメッセージ、電話、友人といったファン内のネットワークに拡散されることに芸能人は気づいているからです。セレブやブランド、NPOはすべて異なった立場にあるとはいえ、ソーシャルメディアのテクニックは同じです。あなたも支援者と関係構築をもちろんしたいですね?。 貧困の子ども対策に取組む米国NPO「No Kid Hungry」が好事例です。※3 「No Kid Hungry」のツイッターアカウントは、支援者のつぶやき全てに感謝を伝えています。ツイッターですばやくメッセージを贈ることで、オンライン上でつながり、何年も続く信頼関係を築き始めています。このシンプルなコミュニケーションこそが大切です。さらに、支援者に話しかける以上に、2014年NPOは熱心な支援者とオンラインでの関係性を構築する巧みな方法を用いるのではと期待しています。 ※3:https://dashboard.impatientoptimists.org/sitecore/shell//~/media/Blog/Images/BlogPosts/Post%20Body%20Photos/No%20Kid%20Hungry%20%20nokidhungry%20%20on%20Twitter%20(1).png 3.ソーシャルメディアを活用してより多く連携が生まれる。 すでにソーシャルメディア上で素晴らしいコラボレーションが多くあります。メッセージを拡げたり、連携したりと。例えば、母親の健康保健に取組むNPOと世界の栄養に関するNGOが活動テーマに関する社会課題の重要性についてのメッセージを拡散するために、どのように団結するのかを見ることが私は大好きです。コラボレーションはより遠くに、そしてより多くの人々にメッセージを届ける1つの簡単な方法です。2014年はNPO業界におけるソーシャルメディア・コラボレーションをもっと探していきましょう。 4.視覚に訴える、素晴らしいビジュアルストーリーテリングの増加。 数年前に「Pinterest」登場したときから、視覚的に物語を伝える「ビジュアルストーリーテリング」の話題は特にソーシャルメディア業界では持ちきりです。NPOこそ、一目で理解できてすぐに活動内容・取組む社会課題・ミッションが伝わる写真を発信しなければなりません。NPO業界ではありませんが、2つの写真をご覧ください。1つ目はスポーツ専門チャンネル「ESPN」のツイッターによる写真です。全てを物語る写真で、リツイートが1万以上を超えています。※4 2枚目の写真はスターバックスです。“レッドカップ”(#redcup)でコーヒーを提供することで、スターバックスは毎年ホリデーシーズン(クリスマス)の到来を告げています。このクリエイティブな写真はツイッターで約1500回リツイートされ、「Pinterest」でも共有されやすいです。※5 そして、国際連合世界食糧計画(WFP)の比較画像を見てみましょう。この写真もまた読み切り小説のようで、大きな反響を呼ぶものになっていますね。※6 2014年は、ただ写真を共有するだけなく、すべてを物語るような素晴らしい写真を共有することが大切になるでしょう。 ※4:https://twitter.com/espn/status/413703990350577664 ※5:https://twitter.com/Starbucks/status/410095702157426688 ※6:http://www.wfp.org/stories/how-i-escaped-poverty-and-hunger 5.支援者との関係を深めるクローズのソーシャルメディアの活用。 オープンに公開された場ではなく、すきな友人にだけ写真や動画を共有するソーシャルメディアサービスを利用する人はますます増えています。ツイッターや「Instagram(インスタグラム)」を活用して携帯電話で撮影した写真や動画を、一般公開せずにある特定の友人にDM(ダイレクトメッセージ)で共有ができます。2014年もし、Instagramのダイレクトメッセージ機能に、一斉に情報を共有したい人リストをつくることができたら、NPOが熱烈で献身的な支援者にむけた情報共有の理想的なかたちになるでしょう。 6. “自動消滅”写真共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」をNPOが試行錯誤しはじめる。 Snapchat(スナップチャット)は多くの人にとって理解しがたいでしょう。私たちは使いたいとは思っていても、まだ理解しようと努力している段階です。影響力があり巻き込みたいがFacebook離れをはじめている若年層にリーチするために、音楽専門チャンネルの「MTV」とパンケーキショップの「IHOP」はSnapchatの運用を始めています。2014年、NPOはユーザーの興味を引くSnapchatの使い方を理解するでしょう。しかしうまく運用することは簡単ではありません。というのもメッセージが“自動消滅”してしまうメディアで活動のストーリーをどのように伝えるのでしょうか。若い人々が気にしている問題についてSnapchatで共有する方法を考え、何百万ものユーザーを動かしましょう。 ※参考記事: (1)米高校生に爆発的人気 “自動消滅”付き写真共有アプリとは? 「スナップチャット」が支持される秘密 | 日経産業新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD08003_Z00C13A1000000/ (2)10代に大人気!フェイスブックも惚れた新星 スナップチャットの常識外れの人気と自信 | 東洋経済 http://toyokeizai.net/articles/-/24680 7. 音楽が聴き放題の無料ストリーミング配信サービス「Spotify(スポティファイ)」の利用が増加。 あなたは企業ブランドがSportifyで専用の音楽再生リストをすでにつくっていることをご存知ですか?例えばコカコーラはSportifyで3万人ものフォロワーがいて、世界で最も影響力のあるツール、つまり音楽を通して消費者を魅了しています。※7 コカコーラは音楽が大好きな人たちの興味・関心をインターネット上でつかんでいて、ソーシャルメディア上で音楽再生リストを彼らに共有してもらっています。どんなふうにファンがコカコーラのプレイリストを利用しているか、ツイッターでチェックしてみてください。※8 SportifyはますますNPOに浸透するではと予測します。もしSportifyがあなたのNPOにとって意味をなすのであれば、特に世界の音楽ジャンルで、いちかばちかやってみてください!音楽はNPOが取組むテーマの背景・ストーリー強くします。そして、楽しんでください! ※7:https://play.spotify.com/user/coca-cola ※8:https://twitter.com/search?q=coca%20cola%20spotify&src=typd&f=realtime 8.ニュースリーダーアプリ「Flipboard(フリップボード)」でNPOマガジンがもっと発行される。 2013年、スマートデバイス(モバイル)向けのニュースリーダーアプリ「Flipboard」は、米国ユニセフ※9、国境なき医師団※10と提携を開始しました。「ビッグアイディア」というデジタルマガジンのカテゴリから共有したくなる社会課題を、Flipboardの利用者は自身のモバイル端末、スマートフォンで簡単に雑誌感覚で読むことができ、ソーシャルメディアで共有できます。そしてさらに、Flipboardはより簡単に写真を共有できるようになりました。これは視覚に訴えるビジュアル重視の流行において非常に重要です。記事をソーシャルメディアで共有するとき、添付する画像を選ぶことができ、デジタルマガジンのカバー写真も変えることができます。Flipboardには1億人以上のユーザーがおり、支援者の中の利用者を増やすのに本当に簡単なツールです。とても簡単で、人手を必要とせずに写真や動画を共有できるので、Flipboardを使うNPOはもっと増えるのではないかと思います。 ※9:https://flipboard.com/section/child-labor-bv4xt5 ※10:https://flipboard.com/section/the-syrian-crisis--bAj0rn 以上、ソーシャルメディア活用を変える「8つのトレンド」は、2014年に大きな流れを生み出すのではないでしょうか。 8 Social Media Predictions for Nonprofits in 2014 | Impatient Optimists -- Bill & Melinda Gates Foundation http://www.impatientoptimists.org/Posts/2013/12/8-Social-Media-Predictions-for-Nonprofits-in-2014 WRITTEN By Jennifer James December 30th, 2013より抄訳 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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