• もっと見る
«「NPO&SocialGoodをテーマとした注目イベント」カレンダー2014 | Main | 【1/27締切】研修生募集「アメリカン・エキスプレス・リーダーシップ・アカデミー2014」〜NPOの次世代リーダー育成プログラム〜»
★海外記事の紹介:2014年NPO業界へ警鐘!「個人情報・デジタルデータの管理 / クラウドファンディングへの過度な期待 / 公共活動の担い手としての社会課題解決力」 [2014年01月13日(Mon)]
2014年がスタートし、団体の新しい抱負などは決まりましたか?これまでの活動の充実・拡大戦略を構築する上で、環境変化を視野に入れることも大切です。今回はビジネス誌フォーブス(Forbes)から、ポジティブ / ネガティブの両面でNPO業界に大きな影響をもたらす社会変化をテーマにした「2014年予測」記事を紹介します。

by Cea..jpg
image by Cea.

Looking Ahead: Trends And Collisions That Will Challenge The Social Sector In 2014 | Voluntary Sector Network | Forbes http://www.forbes.com/sites/tomwatson/2013/12/30/looking-ahead-trends-and-collisions-that-will-challenge-the-social-sector-in-2014/
WRITTEN By Tom Watson December 30th, 2013より抄訳
1.組織の透明性とNPOが抱えるデジタルデータの管理

2013年はデジタル社会における政府の監視活動が、個人情報保護、プライバシーの観点で話題となりました。NPOや社会起業家にとって、特に寄付者対応において、2014年は個人情報の取り扱いが最重要になってくるでしょう。米国スタンフォード大学のソーシャル・イノベーションに関する研究者ルーシー・バーンホルツ氏も「2014年トレンド予測」でプライバシーを流行語の1つとして次のように紹介しています。“デジタルコミュニケーションに私たちが依存することは脆弱性が増していくこととセットで、個人のプライベートな情報と、組織としての公に関わる微妙なバランスの関係性が、支援者やパートナーといったステークホルダーに関わってきます。”

これまでNPO業界でプライバシーに関する話題が無かったように思えますが、今後は組織の透明性強化とプライバシー不足が話題となり、特に慈善活動に関する取引きに関して2014年は注目が集まるでしょう。財団を含む米国のNPOは、国税局(米国内国歳入庁:IRS)に情報を一部分開示することで、法人として認められています。その他の大部分の情報開示は任意となっています。まさにここに緊張関係が生まれてきます。ほとんどの取引が公共で行われる政治の世界と常に比較されます。資金調達において、寄付者の特定と情報確認を容易に設計されている新しいサービスやデータベースは常にあります。このサービスやツールは、プライバシーの権利を侵害し続けている構造かもしれません(そして、そのよな危機感を抱いている寄付者を何人か私は知っている)。さらに、バーンホルツ氏は次のように指摘しています。“寄付者の情報開示規則は、多額の政治献金が動く2014年のアメリカの中間選挙と共に、メディアの注目の的になるでしょう。”

ではもう一つの見えていない火種はどこにあるのでしょうか。これは数年前では考えられなかった事ですが、現在、非常に可能性があると私は危惧しています。NPO業界は2014年に自身の組織に“エドワード・スノーデン”を抱えるでしょう。主要なNPO、財団、ソーシャルベンチャーのかなり詳細な財政や業務の真実を暴く秘密の情報提供者であり、おそらく他組織で発生する情報提供者によって事実の発覚に拍車がかかっていくでしょう。


2. クラウドファンディングへの「過度な期待」の時期は過ぎ「冷静な判断」を。

クラウドソーシングはもう急速に関心が失われてしまっているテーマでしょうか。次のような大きな問題が2014年を通して生まれると思います。資金調達を目指すプロジェクトで溢れ返る数え切れない程の「クラウドファンディング」サイトが生まれること。寄付者の「寄付疲れ」。クラウドファンディング市場が飽和状態になる可能性など。誤解してほしくないのは、私はクラウドファンディングが存在すべきと思っているし、ネットワーク活かしたテクノロジー活用は、資金提供者を探し、アプローチする手段を改善しています。

クラウドファンディングニュースを提供する「Crowdfund Insider」ディレクターのチャールズ・ルザー氏は次のように言及します。“今、市場には何百もの活発なプラットフォームが存在しています。そのプラットフォームの数は縮小するでしょう。いくつかの初期の市場参入サービスはサイト処理能力の欠如や、ファンの関心の欠如のために終わっていきます。将来的にはより多くの経験豊富な市場参入者も期待でき、ウォール・ストリートからの失業者や銀行業界が、彼らのビジネスに大きな影響を生みだすことを探しているでしょう。”

ジャーナリストであり社会起業家であり、ニューヨーク大学のファンドレイジング・フィランソロフィーセンターで私の同僚のマーシャ・ステパネク氏もまた、クラウドファンディングへの過度な期待に警鐘を鳴らしています。“クラウドファンディングはNPO分野においては未だ比較的新しいもので、自分たちの活動の周りにいる支援者や潜在的な支援者と関わろうとする組織にとっては魅力的です。クラウドファンディングは活動に対しての認知を高めることができ、新しい領域に寄付者を巻き込むができるのは間違いありません。しかしクラウドファンディングが、多くのソーシャルグッドな組織の新しい収入として、総活動費に貢献していると断言するには早すぎます。クラウドファンディングは、マーケティング施策というよりも組織にとって持続的に支援を増やす方法です。”

クラウドファンディングの現象には2つの見方があると考えます。1つめは、伝統的な資金調達からの自然な拡大(人々は人々に活動を支援するよう頼んでいるから)。それから、初期の成功例と新しいプラットフォームへの流行としてです。
NPO向けに財務会計ソフトやファンドレイジングのためのソフトウェアを提供する米国企業「Blackbaud」のスティーブ・マクラフリン氏も2014年の予測の1つに述べています。“新しいオンラインのソーシャルメディアサービスが現れ、コンサルタント集団がNPOにそのツールを絶対に使わなければならないと言うでしょう。”さらに、スタンフォード大学のバーンホルツ氏も“私たちはクラウドファンディング市場の大きなスキャンダルを体験する”と現実的な予測をしています。


3.資金調達・活動規模の限界を超える鍵は、社会課題の解決へ応えることのできる強さ

Blackbaudのスティーブ氏は、NPOの寄付市場は成長し続けるが10パーセント未満だと予測しています。それは米国の民間寄付市場が40年間GDPの2パーセントに留まっている歴史も関連しています。

ブログ「Social Velocity」執筆者のニル・エジントン氏は、NPO業界が長年にわたって持っている目的である、2パーセントを高めるための新たに取組みを予測しています。“最近ではクラウドファンディングのような新たな資金調達の仕組みが入ってくることは、資金調達におけるガラスの天井を粉砕するための特効薬になるかどうかがいつでも大きなトピックスになっています。しかし、私たちはまだその段階にいない。社会課題は悪化し続け、貧富の格差が広がり、寄付者として新世代が成人します。新しい仕組みから獲たお金だけでなく、社会変革に向けてより多くのお金をNPOが高いパフォーマンスで運用する期待が高まるでしょう。”

彼女はまた、NPOが提供するサービスへの社会の需要増加についても述べています。“私たちの最善の努力にもかかわらず、貧富の格差は拡大し、縮小しないことは明らかです。このますます広がっていく貧富の格差に対応するために、NPO活動の需要が拡大していくことでしょう。問題があまりにも大きく、またどんどん大きくなっています。それと同時に、政府の財政は縮小しています。課題解決に対する大きな役割・期待がNPO業界に寄せられています。”

この期待から生まれる緊張状態は求められ続けるでしょう。時折、しっかりとした効果測定や、注意深く成果を求める資金提供者の主張によって悪化するかもしれません。つまり一般的な資金調達は既存のNPOにとって引っ張ってくることはまだ難しいかもしれません。この緊張関係は、営利企業と同じように社会に高い価値を提供・活動をするNPOリーダーの新しく・力強い見通しによって緩和されるでしょう。世界に大きな影響力を生み出す活動をすることが必要です。


Looking Ahead: Trends And Collisions That Will Challenge The Social Sector In 2014 | Voluntary Sector Network | Forbes http://www.forbes.com/sites/tomwatson/2013/12/30/looking-ahead-trends-and-collisions-that-will-challenge-the-social-sector-in-2014/
WRITTEN By Tom Watson December 30th, 2013より抄訳

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
NPOの最新トレンドをもっと知りたい方へ。
「NPOアカデミー」を開校中。お好きな講座をお選びください。

(講座紹介WEBサイト⇒) http://www.npo-sc.org/npoacademy/index.html
Posted by NPOサポートセンター at 18:53 | 海外記事の紹介 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント