会員の木下嗣生さんが来局されました!
[2017年02月22日(Wed)]
会員の木下嗣生さんが事務局に来局されました!
「日本のカブトガニの保全に関するシンポジウム」に参加し、その感想やご報告に来てくださいました!
日本のカブトガニの保全に関するシンポジウム
◆日時
平成29年2月18日(土)13時〜17時
◆場所
生物圏科学研究科C206講義室
◆主催
広島大学生物圏科学研究科/付属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター
◆共催
広島大学総合博物館
◆内容
司会:富川 光(広島大学総合博物館)
挨拶:前田照夫
1.「広島県竹原市の現状」
大塚攻(瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター)
2.「広島県の生物多様性の取り組み」
神川勇人(広島県環境県民局 自然環境課)
3.基調講演「カブトガニから考える日本の海岸・河川の環境保全」
清野聡子(九州大学院工学研究院環境社会部門生態研究室)
4.事例報告(1)「広島県江田島市の現状」
西原直久(大柿自然環境体験学習交流館)
5.事例報告(2)「曽根干潟の事例」
米谷まり・飯田健・中村龍太(広島大学生物生産学科)
6.事例報告(3)「長崎県の事例」
齋藤英俊(広島大学生物圏科学研究科)
7.事例報告(4)「国指定伊万里カブトガニ繁殖地の保全活動〜伊万里市の取り組み」
船井向洋(佐賀県伊万里市教育委員会生涯学習課)
木下会員の報告の概要(カブトガニの血液が人命救助に!)
昭和30年代くらいまでは、瀬戸内海、九州北部の各地の干潟で普通に見ることができたカブトガニですが、今や絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧種1類」に分類されている希少生物です。
一方、漁業者、特に刺し網漁業を営む方にとっては固い甲羅、尾剣などを網から外すのに困っている生物でもあります。
そもそも、カブトガニとは約2億5千年前から殆どその姿を変えず生息しています。名前は「カニ」とついていますが「クモ」や「サソリ」の仲間に分類されます。大人になるのに10年を要し、中国、タイ、インドネシアなどでは食用にされることもあるそうです。
カブトガニの保護区域を定めているのは岡山県笠岡市や佐賀県伊万里市、愛媛県の3か所で、国の天然記念物に指定され様々な保護がなされています。その一方で法的保護のない海域では危機に直面しているようです。
同人は山口県平尾湾並びに馬島海老養殖跡地において漁業(アサリ生産)を営んでいます。
近年網にかかるカブトガニが増えてきて、対応に苦労しているので、もっと活用の方法がないかといろんな方にご相談をしているところです。
シンポジウムでの事例報告(4)の船井さんの伊万里市での取り組みに感銘を受けたのだそうです。
その内容は、アメリカでは近年カブトガニの血液が検査薬として活用されているというものでした。(カブトガニの血液は銅が多いので色は人間と異なりブルーだそうです。)
カブトガニの採血写真を見せて頂きました。採血は体液400ccのうち100ccを採取し、再放流をします。
@体内に侵入してきた細菌を取り組んで固める作用があるため、がんの早期発見に利用
A最近では、エイズウイルスが体内で増えるのを押さえる働きがあることも判ってきたようです。
特に、猛毒のエンドトキシンは大腸菌などに含まれる毒素で、人間の血液中に混じるとショック死を起す危険な物質ですが、カブトガニの血液はゲル化する性質を持つことから検査薬にも使われているそうです。
カブトガニを厄介なものとせず、採血手法などの技術の協力者がいれば、網にかかったカブトガニを採血したのち放流できないか?との課題提供でした。
カブトガニを守るためには、漁業者もカブトガニの役割をよく知り、活用できる工夫を学びたいとのお話でした。
自然から恵みを受けている漁業者ならではのお話でした。
ご協力頂ける方は当会、あるいは木下さんの携帯電話(090-8065-8563)にお電話ください
「日本のカブトガニの保全に関するシンポジウム」に参加し、その感想やご報告に来てくださいました!
日本のカブトガニの保全に関するシンポジウム
◆日時
平成29年2月18日(土)13時〜17時
◆場所
生物圏科学研究科C206講義室
◆主催
広島大学生物圏科学研究科/付属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター
◆共催
広島大学総合博物館
◆内容
司会:富川 光(広島大学総合博物館)
挨拶:前田照夫
1.「広島県竹原市の現状」
大塚攻(瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター)
2.「広島県の生物多様性の取り組み」
神川勇人(広島県環境県民局 自然環境課)
3.基調講演「カブトガニから考える日本の海岸・河川の環境保全」
清野聡子(九州大学院工学研究院環境社会部門生態研究室)
4.事例報告(1)「広島県江田島市の現状」
西原直久(大柿自然環境体験学習交流館)
5.事例報告(2)「曽根干潟の事例」
米谷まり・飯田健・中村龍太(広島大学生物生産学科)
6.事例報告(3)「長崎県の事例」
齋藤英俊(広島大学生物圏科学研究科)
7.事例報告(4)「国指定伊万里カブトガニ繁殖地の保全活動〜伊万里市の取り組み」
船井向洋(佐賀県伊万里市教育委員会生涯学習課)

昭和30年代くらいまでは、瀬戸内海、九州北部の各地の干潟で普通に見ることができたカブトガニですが、今や絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧種1類」に分類されている希少生物です。
一方、漁業者、特に刺し網漁業を営む方にとっては固い甲羅、尾剣などを網から外すのに困っている生物でもあります。
そもそも、カブトガニとは約2億5千年前から殆どその姿を変えず生息しています。名前は「カニ」とついていますが「クモ」や「サソリ」の仲間に分類されます。大人になるのに10年を要し、中国、タイ、インドネシアなどでは食用にされることもあるそうです。
カブトガニの保護区域を定めているのは岡山県笠岡市や佐賀県伊万里市、愛媛県の3か所で、国の天然記念物に指定され様々な保護がなされています。その一方で法的保護のない海域では危機に直面しているようです。
同人は山口県平尾湾並びに馬島海老養殖跡地において漁業(アサリ生産)を営んでいます。
近年網にかかるカブトガニが増えてきて、対応に苦労しているので、もっと活用の方法がないかといろんな方にご相談をしているところです。
シンポジウムでの事例報告(4)の船井さんの伊万里市での取り組みに感銘を受けたのだそうです。
その内容は、アメリカでは近年カブトガニの血液が検査薬として活用されているというものでした。(カブトガニの血液は銅が多いので色は人間と異なりブルーだそうです。)
カブトガニの採血写真を見せて頂きました。採血は体液400ccのうち100ccを採取し、再放流をします。
@体内に侵入してきた細菌を取り組んで固める作用があるため、がんの早期発見に利用
A最近では、エイズウイルスが体内で増えるのを押さえる働きがあることも判ってきたようです。
特に、猛毒のエンドトキシンは大腸菌などに含まれる毒素で、人間の血液中に混じるとショック死を起す危険な物質ですが、カブトガニの血液はゲル化する性質を持つことから検査薬にも使われているそうです。
カブトガニを厄介なものとせず、採血手法などの技術の協力者がいれば、網にかかったカブトガニを採血したのち放流できないか?との課題提供でした。
カブトガニを守るためには、漁業者もカブトガニの役割をよく知り、活用できる工夫を学びたいとのお話でした。
自然から恵みを受けている漁業者ならではのお話でした。
ご協力頂ける方は当会、あるいは木下さんの携帯電話(090-8065-8563)にお電話ください

写真は第1回広島ジュニアサイエンスフェアに出展されたカブトガニです。
大島干潟の環境学習の際に見つかったカブトガニ

タグ:カブトガニ