記事◆宿根草ガーデンのススメ [2020年01月27日(Mon)]
私たちが関わる駅前花壇は、ほとんどの部分で「年2回、一年草全面植替え」という設計になっています。一年草は彩りがあって華やかで、寒い季節にはまちの中に「ポッ」と灯るあかりのように、心和ませてくれます。
でも、植替えのたびに、花壇の全面で一年草を抜き取って捨ててしまうのは、どこかもったいないようにも思えてしまうのです。そこで「皆で宿根草を取り入れたガーデンについて学んでみよう」という試みが始まり、昨年7月には、会で関わっている花壇で、宿根草・低木類が多く用いられている「大岡山駅前花壇」「入新井公園花壇」を見学する勉強会を行いました。そうした学びの成果を、蒲田駅前花壇の一部で形の悪くなった低木の植替えや、ふれあいパーク活動の現場に生かしています。 ![]() ↑蒲田駅前花壇の「シンボル道路」花壇の一部は、もともと低木や宿根草(ヤブラン)が植えられた「宿根草ガーデン」となっていますね。 ![]() ![]() ↑ローズマリー、マートルなど、ハーブ 類にも低木・宿根草が多い。大きく育つと枝を切り戻して、活用もできる。 ![]() ↑大岡山駅前花壇。面積で約95%以上が低木+宿根草(+作業園路)で、一年草を彩りとしてポイントに少量だけ植えています。 ![]() ↑大岡山駅前花壇、宿根草混植風景。@ホソバヒイラギ ナンテン(開花期:冬)、Aアカンサス・モリス(同:初夏)、B斑入りヤブラン(同:初秋)、Cアガパンサス(同:初夏)、Dツルニチニチソウ(同:春)。年間を通じて常緑で、葉の色で魅せるガー デンでもあり、季節ごとに順次花が咲きます。時々切り戻しをするほかは植替え不要。 ![]() ↑日陰で丈夫なトリオ。Eツワブキ「浮雲錦」(開花期:冬)、Fクリスマスローズ(同:冬〜春)。地面をきれいに覆ってもくれる働き者です。 宿根草ガーデンのメリット
宿根草ガーデンのデメリット
花苗の材料費の比較一年草を年2回植替えする場合、宿根草ベースの花壇では初期費用は高額になるが、2年目以降の植替え費用は徐々に下がります。![]() ↑花壇1u辺りの試算。一年草だけの花壇では春と秋の植替えで花苗代が年間6,900円かかり、2年目以降も毎年同じ金額がかかります。一方、宿根草ベースの花壇では、最初に宿根草を入れるので1年目は8,700円ですが、あとは一年草の少量植え替えになるので2年目以降は2,700円になります。 もちろん宿根草も環境に合わない場合には、枯れたりうまく育たなかったりしますので、全くこの通りにいかないこともあります。 |