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2015年03月27日

シンポジウムレポート! vol.1

 去る3月21日(土),当ネットワークとCANPAN様共催のシンポジウム「弁護士が教える『情報』との上手な付き合い方〜NPOを発展させる6つのコツ〜」を開催いたしました。
 当日は土曜日にも関わらず,多くの方にお越しいただきました。ありがとうございました。初めてのシンポジウムで,運営面に課題は残りましたが,講演やパネルセッション,配布資料といった「コンテンツ」については,幸い参加者の方からのご好評をいただいております。
 このブログでは,このシンポジウムについてレポートいたします。

 今回は,当ネットワーク所属の田中伸英弁護士の基調講演1についてです。
 タイトルは,「NPOのための情報管理」です。情報の管理面,特に「営業秘密」にスポットを当て,NPOとしてはどういった対応をしていけばよいのか,その方策について,田中弁護士が3つのコツを伝授しました。
 今回は,このブログをご覧頂いている方にもお伝えいたします!まず,@「団体が保有する情報を重要な情報とそうでない情報とに区別しよう!」=「情報の棚卸し」,次に,A「情報の重要度に応じた管理体制(ルール)を確立しよう!」,最後に,B「ルールの周知・教育を継続的に行おう!」(志的勉強会に参加しよう!),以上の3つです。棚卸し,ルール化,周知徹底です!
 また,個人情報やSNSの利用まで幅広く情報の管理に関する法的に意味のある書式を8つご提供。「せっかく来ていただくので,団体に持ち帰っても使えるものを提供したい。参加されるNPOの方も様々だが,これだけ用意すれば,どれかは必ず自分の団体に使えそうな書式があるはず」とは田中弁護士の談。結果は大当たりで,参加者の方にはご好評頂けました。
 熱弁を振るう田中弁護士など,当日の様子は,写真をご覧ください。
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 次回は,基調講演2「NPOの情報発信の注意点とアカウンタビリティ」のレポートです。
(日向寺)
posted by 日向寺 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント情報

2015年03月23日

情報の管理と活用で、NPOは強くなる!

こんばんは、はじめまして。
ネットワークのメンバーのはなわです。

今月21日に開催したシンポジウム「弁護士が教える『情報』との上手な付き合い方」にご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

当日は、情報管理に関心のある意識の高いNPOの関係者の皆様にたくさんお集まりいただき、手前味噌ですが、大盛況のうちに終えることができたように思います。

「NPOのための情報管理」「NPOの情報発信の中心点とアカウンタビリティ」というテーマでネットワークのメンバーが基調講演をした後、「現場から見る情報との付き合い方」というテーマでパネルディスカッションを行いました。

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私は、特定非営利活動法人難民を助ける会の専務理事・事務局長である堀江良彰さん、特定非営利活動法人CANPANセンターの常務理事である山田泰久さんさんとともにパネルディスカッションを担当しました。
基調講演とパネルディスカッションの内容は、後で外のメンバーから報告があることを期待して(笑)、今回は、私がパネルディスカッションの中でお話した内容の一部を、簡単にご紹介します。

情報の「管理」の側面、リスクの側面について、基調講演をお聞きいただいた皆さんは、よくご理解いただいたと思います。情報の「管理」には、ルール化が必要なのです。ルール化して、それにもとづいて実践することで、「管理」できるのです。

一方で、NPOは、情報を「活用」していかなければなりません。

私がNPOに関わり始めた頃、「NPO・NGOの一番大事な役割は、『(社会課題を)知ってもらうことです。』」という言葉に出会いました。

もちろん、究極的には、そのNPOが取り組む課題を完全に解決することがゴールなのですが、もしそれが「役割」だとすれば、一つの社会課題に一つのNPOがあれば済むことになります。
そうではなく、同じ課題に取り組む複数のNPOが必要なのは、色々な方法で「(社会課題を)知ってもらう」必要があるからで、各団体で情報の活用の仕方は違うはずなのです。「(社会課題を)知ってもらう」ことで、仲間集めをして、団体は強くなり、最終的に、それぞれの方法で社会課題を解決するというゴールに辿り着くのです。

ではどうやれば、「活用」すればいいのでしょうか。

それにも、ルール化が必要なのです。

ルール化していないと、暗黙の了解でできること・できないことが決まることになりますが、それでは、皆さんの新しく加わった仲間達は、何ができて、何ができないかわかりません。
ルール化は、「してはいけないこと」を決める一方で、「していいこと」も明確にするのです。

「していいこと」を決めて、情報を活用するためにも、是非ルール化を試してみて下さい。

もちろん、ゼロから、ルール化にチャレンジするのは大変です。
ですから、今回のシンポジウムで配布させていただいたソーシャルメディアガイドラインなどをたたき台にして、導入を検討してみて下さい。

皆さんは、情報を管理・活用する、コントロールする重要性について、ご理解いただけたと思います。
しかし、導入を検討する過程で、「そんなの面倒くさい」「うるさいことを言われるのは嫌だ」という反対意見も必ずでると思います。

その時は、今日の私の話を思い出して下さい。
「していいこと」を明確にすることで、むしろ自由に情報を活用することができるようになり、団体を強くすることができる、その為にはルール化が必要なのだ、と。

会社であれば、こういったガイドラインは、トップダウンで導入することができますが、非営利団体の皆さんは、ボトムアップで導入しないと、浸透しません。
是非、こういう議論を団体内でしてみて下さい。
ルール化の必要性を研修でいくら学ぶより、必要性をちゃんと議論することで、そのルールはきっと団体内に浸透し、皆さんの団体を本当の意味で強くすると思います。

ルール化の内容で困ったときには、当ネットワークのメンバーにご相談下さい(笑)
posted by 樽本 at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2015年03月16日

「NPOをつくりたいのですが・・・」

「NPOを設立したいのだけれど・・・」というご相談を受けることがあります。
「子どもへの絵本の読み聞かせグループを発展させて、子ども預かりなどを行う育児支援広場を作りたいんです。」という働くママ、
「東日本大震災以降、被災地でのマッサージのボランティアを続けています。施術先が複数あり、共感して一緒に活動してくれる同業の方も増えました。まだまだ待っていてくれる方がいるので自分が現地に行けない時でも対応できるように、NPOなど団体を作った方がいいのではないかと考えています。」という接骨院の先生、
「社員研修・人材育成会社経営のノウハウを生かして、被災地の10代女性向け支援プログラムの提供を行っています。NPOを作って支援プログラムを充実させ、オンラインで広く提供していきたいのですが。」という女性経営者などなど。

 それぞれ意義深い素敵な活動をされていることに感心すると共に、NPOがより身近になってきていること、女性目線を生かした身近な活動が増えていることを実感します。どの活動も、着実に継続されていくことを願ってやみません。

 もっとも、これらのケースではどれも、結局NPOを設立するにはいたりませんでした。それぞれの形で益々充実した活動を行っておられます。
 なぜでしょう??

 NPOを設立すること自体は難しくありません。設立自体のご相談を受けたこともあるのですが、自治体からガイドブックも出されていますし(東京都の場合 http://www.npo.metro.tokyo.jp)、相談窓口に尋ねることもできます。専門家に依頼せず、団体自身で設立にこぎつけることは十分可能です。
 大変なのは設立以降です。法に基づき総会の開催や事業報告書の提出などが必須になります。前回までのブログで見てきたように、契約締結や情報管理など、NPOとして法的対応が必要な場面も出てくるかもしれません。それに見合う活動実態やメリットがあるか慎重に検討する必要があります。

 先に挙げた事例の1つ目では、子どもの預かり事業の目処が立っておらず、今のところ団体が契約主体となるべき場面も責任主体を明確化すべき場面もなかったこと、広く一般の参加や支援を受けるというより、グループ内の持ち回りの活動の段階であり、補助金申請なども予定していないことなどから、NPO設立はいったん見合わせました。
 2つ目の事例では、NPOになるメリットもいくつかありましたが、団体として永続的に活動を行うというコンセンサスがなかったことなどから、やはり設立を見合わせています。
 
 今回、NPOを設立しなかったケースを取り上げたのですが、NPO認定数は改正特定非営利活動促進法施行後急速に増加しており、今後も着実な増加が期待されます(内閣府政策統括官(経済社会システム担当)付参事官(市民活動促進担当))。また、安倍政権の成長戦略において、女性活躍推進のための具体的施策として「起業・NPO 等の立ち上げを希望する方向けに、マザーズハローワークや学び直し支援、トライアル雇用や創業スクール等の取組を進める 」とされるなどNPOへの期待は高まっています。皆様が、NPOをプラットフォームに、益々活発な活動をされることを応援しております!
(担当:藤井)
posted by 日向寺 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題

2015年03月12日

引き取り手のない相続財産の行方

 こんにちは。ネットワークの代表の樽本です。
 少し前になりますが、2月14日、15日のファンドレイジング・日本2015に参加しました。ご存知の方も多いと思いますが、毎年この時期に東京で開催されるソーシャル・セクターのファンドレイジング(資金調達)をテーマにした人気のフォーラムです。年々規模が大きくなり、今年は1200名を超える参加者が日本各地から集まりました。
 私は昨年に続いて講師としてセッションをひとつ担当しましたが、セッションの冒頭でお話しした話題が参加者のウケがよかったので、ここでご紹介したいと思います。

 金融業界では年間800億円にものぼる休眠口座の活用が近時活発に議論され、いよいよ形になる日も近いと言われていますが、これとは別に、年間300億円を超える額の法律上行き場のないお金が国庫に帰属し、しかも年々その額が数十億円単位で増えていることをご存知でしょうか。

 それは相続人の不在により、引き取り手のない相続財産です。相続されず、遺贈もされず、特別縁故者(被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者)への分与もされずに残った個人の財産は、最終的に国庫に帰属することになります(民法959条)。
 相続人の不在には、文字通り相続すべき相続人がいない場合だけでなく、全ての相続人が相続を放棄した場合も含まれます。
 「平成26年度の裁判所の一般会計歳入予算概算見積書(現金収入)」によれば、相続人不在及び所有権放棄(※所有者のいない不動産等の国庫帰属について民法239条2項)により国庫帰属となった金銭等は、平成22年度に261億円、平成23年度には332億円、平成24年度には375億円と増加の一途をたどっています。それだけ相続人がいない世帯が増えているということです。
 国立社会保障・人口問題研究所の人口ウェブサイトに国民の生涯未婚率が紹介されています(統計資料集2014  表6-23)。この資料によると、例えば1990年(平成2年)の生涯未婚率は、男性5.57%、女性4.33%だったものが、2010年(平成22年)では男性20.1%、女性10.6%と右肩上がりに上昇しています。
 今後もしばらくの間は相続人不在による相続財産の国庫帰属となる金銭等の額は増え続けることが予想されます。
 どうでしょう。ちょっと衝撃的な数字だとは思いませんか?
 なお、この国庫に帰属する金銭等は、裁判所の収入として計上されていますが、裁判所が自由に使える司法予算になるわけではないようです。
 平成25年、26年の数字も確認でき次第こちらでご紹介したいと思います。
(樽本)

2015年03月07日

「情報」との付き合いの果て

 コミュニケーションツールが発達し、誰でも簡単に、しかもコストをかけずに無数の情報を発信、受領できる現代にあっては、情報との付き合いなしでは団体の発展は望めません。NPOの情報に関わる出来事としては、例えば、イベントに参加してくれた支援者に団体の詳しい情報を送ったら次の支援につながった、ウェブサイトで現場スタッフの生の声を届けたらSNSで多数の関心層にリーチできた、自分や団体の名前や写真が意図しない形で勝手に使われてしまった、個人情報が何者かに持ち出された、誹謗中傷を受けたというようなことかと思います。情報に関してだけでも、いろいろな悩み、歓びがあり、時には事件が起こり得ます。だからといって、何かあるたびに、感情的になって、悩み、歓んでいたら、それはそれで疲れてしまいそうです。

 そのため、情報に関する有事に備えて、人的・物的制約がある中で万全なものとはいえなくとも、ある程度の適切な管理をしておき、その時々に冷静に対応することが重要です。例えば、会員や寄付者の個人情報などの第三者に知られたくない情報であれば、法的保護が受けられる程度に管理体制を整えることで、万一のときに備えておくべきです。また、団体や団体の関係者が誹謗中傷された場合には、放置して様子を見るのか、削除するよう手続きを執るのか、ホームページや会報誌などで反論をすべきかなど、予め対策を考えておくことが重要になります。
 そうすることで、情報に関する有事の際に、被害の拡大防止損害の回復を図れますし、そもそも被害の予防にもなります。
 発信、受信される無数の情報の中から、必要な情報を選別し、適切な管理をしつつこれを活用し、情報と上手く付き合っていくことが、団体の発展のコツといえます。 

 その第一歩として、3月21日(土)13時からの当ネットワークのシンポジウムに参加して、「情報」との上手な付き合い方を学びませんか。情報に関する悩み、歓びは、各団体においてそれぞれ異なりますが、他の団体がどういったことに悩み、対処してきたのかを学ぶことはきっと今後の団体の発展につながると思います。
 シンポジウムの情報はこちらに掲載しています。
 https://blog.canpan.info/npolawnet/daily/201502/18
 お申し込みは、上記ページ内のリンク、またはこちらからお願いします。
 http://goo.gl/forms/Cmy4ch6S6T
(北村)

posted by 日向寺 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(1) | NPOの法律問題

2015年03月04日

「NPOと契約2」(契約とは何か、契約書の機能)

 はじめまして。弁護士の中山です。
 今回のテーマは「NPOと契約2」(契約とは何か、契約書の機能)と題して、前回の「NPOと契約」(https://blog.canpan.info/npolawnet/daily/201502/03)より、少し具体的に契約のお話をしたいと思います。
 NPOを運営していると、例えば行政や企業との間で業務委託契約を締結したり、寄付者や支援者との間では贈与契約等を締結したりする可能性があるでしょう。また、ボランティアや理事との間では委任契約を、職員との間では労働契約を締結するのが通常です。そして、受益者との間では提供する役務の内容に従って、請負、準委任や売買契約を、弁護士や税理士との間では委任契約を締結するでしょう。
 このようにNPOが事業を推進していくにあたっては、様々な契約をすることが必要不可欠です。そこで、本章で今回は、契約とは何かということや契約書の機能等について述べたいと思います。

○契約書の機能
 契約とは、複数の意思表示の合致、すなわち申込みと承諾によって成立する法律行為と言われています。この契約は、契約書がないと成立しないわけということではありません。例えば、八百屋さんで物を売り買いするときの例のように、契約は、原則として、口頭でも成立するのです。世の中にはこのように契約書を作成しない契約も多数あります。ふだんの生活においてお店で物を買う契約などは、ほとんどそうだと言って差し支えないかと思います。
 一方で、とくに重要な契約においては、契約書が作成されることが通常です。例えば、家を賃借するときの賃貸借契約などがそうです。

 それでは、契約書作成の目的、メリットはどのような点にあるのでしょうか。

1.合意、取り決めの証拠
 まず、第1に、どのような合意、取り決めをしたかの証拠となるということです。
 確かに、先ほども触れたように、口頭、すなわち口約束でも契約は成立します。しかし、口約束では、後からそんなことは知らないとか決めていないといわれる可能性があります。そのような際に、トラブルをできる限り排除して、お互い何をするべきなのかを明確にする効果があります。

2.債権債務(権利義務)の明確化
 第2に、債権債務(権利義務)を明らかにするということです。
 債権債務(権利義務)は法律行為、つまり契約で発生します。契約は、法律行為の一つですので、双方の当事者の債権債務(権利義務)を発生させるものであり、また約束をしたのだから守れと言う根拠にもなります。そこで、契約書は、双方のが合意したこと、つまり契約の確認書であり、相手の債権債務(権利義務)とともに、自分の債権債務(権利義務)も明確になります。 その結果、相手方に何を請求できるのか、自分は何をしなければならないかがはっきりするという効果があります。

3.紛争(トラブル)発生時の解決指針
 第3に、万一の紛争(トラブル)発生時の解決の指針になるということです。
 契約をして、取引等をしているとトラブルや何らかの問題が発生することは比較的よくあります。そのような時でもお互いに話し合ってスムーズに解決できるとすれば、それは大変良いことです。しかし、お互い自分の利益のために主張がぶつかり合って、なかなか解決に至らないというケースもあります。そのような時に、例えば、どういう場合に契約が解除できるのかとか債務が履行されないときに誰がどのような責任を負うのか等、トラブル解決の指針を定めておけば、無駄な争いを避ける効果があります。

 このような契約書作成の目的、メリットを考えると、NPOにとって、行政や企業、ボランティアや理事、職員ときちんと契約書を交わし、契約の内容を明確にしておくことは大変重要なことです。

 なお、NPOが寄付を受けるときに寄付者との間で契約書を締結することは日本ではあまり一般的ではないかもしれません。しかし、民法上、書面によらない贈与は、履行が終わった部分を除いて、各当事者がいつでも撤回できることになっていますので(民法550条)、希少性の高い物品の寄贈など、団体の存続にとって重要な財産については、口約束で済ませずに契約書を作成したほうがよいケースもあります。
 万一のトラブルに備え、きちんとした契約書を作成しておくことは、リスク管理の第一歩となります。もし、契約書の作成等にあたって不明なこと、分からないことがあればいつでもご相談いただければと思います。
 今後ともNPOのための弁護士ネットワークをよろしくお願いします。
(中山)
posted by 日向寺 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題