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2015年02月16日

ネガティブ情報の発信

 こんにちは。今回は、NPOの情報発信のうち、不利益な情報の発信について考えてみようと思います。
 NPOにとって、自らの活動に関する情報を外部に発信し、理解してもらうことはとても重要な課題です。どのような広報活動をするか、どのような広報ツールを用いるか、といった検討は常日頃からされていることと思います。ただ、このような検討を行う際、自らの活動にとって利益になる情報(ポジティブ情報)ばかりが念頭に置かれていることが多くないでしょうか。
 NPOにとって不利益になる可能性がある情報(ネガティブ情報)を、発信する必要はないのでしょうか。
 NPOが広く公益性を有している団体であること、多くのステークホルダー(自治体・住民などの一般社会、役員・スタッフ・会員などの団体内部、企業・寄付者・事業委託者などの支援者等)の理解、信頼、支援を得てこそ、有意義な活動ができることを考えると、団体の健全性を示して賛同を得るためには、必要に応じてネガティブ情報を発信しなければならない責任があると言えるでしょう。
 また現代においては、情報に接した者は誰でも情報を全世界に発信できるツールを持っていることや、NPOが自ら発信するより先に第三者がネガティブ情報を発信した場合の影響なども考慮しておく必要があります。不祥事や事故が起きた際に、企業がその初期対応を誤り、その情報を知った一個人が、FacebookやTwitterなどのSNSを通じて企業より先に情報発信したため、大きな影響を受けたという例は枚挙にいとまがありません。NPOでも同じように、第三者が発信した情報がステークホルダーに伝わってしまい、初期対応を誤ったことで委託事業が打ち切られたり、寄付が減少するといった影響がでる可能性も否定できません。
 もっとも、様々な種類のネガティブ情報がありますので、その全てを発信する必要はないでしょうし、現実的でもありません。何か一定の基準を設けて発信の要否を判断すべきだと思います。具体的な基準は、各NPOによって異なるでしょうが、抽象的には、その情報が軽微なものか、同種の事故・不祥事が起きる可能性がないか、事故・不祥事の対象者が限定されているか、(発信することで)不利益を受けるステークホルダーが存在するか、(発信しないことで)不利益を受けるステークホルダーが存在するか、といったようなことで判断することになるでしょう。
 また、発信する場合には、その方法も検討しなければなりません。緊急性があるかどうか、広く一般に伝えるかどうか、によって、団体のウェブサイトで公開する、広報誌に掲載する、関係者に個別に通知するなど、方法もいろいろと考えられます。
 不祥事・事故の対応は、迅速性が求められます。不祥事や事故が起きてから、一から考えて動き出すとなると、迅速な処理が非常に難しくなります。どのような基準で発信の有無を判断すべきか事前に一度シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。
 2015年3月21日(土)に開催予定のシンポジウム「弁護士が教える『情報』との上手な付き合い方」では、ネガティブ情報の発信の有無とその方法についても、皆様と一緒に考える予定にしています。ご興味のある方はぜひご参加ください。

(担当:金山)
posted by 日向寺 at 10:31| Comment(0) | TrackBack(0) | NPOの法律問題