2022年03月20日
「基本」の出題について
NPO法人会計力検定
「基本」の問題構成
【範囲】
NPO法人会計力検定公式テキスト「基本」
【出題数】
全17問
【内容】
NPO知識は、主に【〇×式、語句選択式、用語記述式】
会計知識は、主に【〇×式、語句選択式、用語記述式、計算問題、仕訳作成】
【問題の趣旨】
・NPO知識は、NPO法、NPO法人会計基準(特に、財務諸表)についての正確な理解を問う
・会計知識は、仕訳、総勘定元帳、試算表作成の流れと、それらを作成する力を問う
会計に関する問題3
貸借対照表に関する問題
問:貸借対照表の下記、( )に適切な語句、及び金額を記入しなさい

解説
この問には、多くの方が苦戦された様子でした。
これは、貸借対照表の構造を正しく理解できているかどうかがポイントです。
NPO法人の貸借対照表は、資産、負債、正味財産が、縦に並んでいますが、
企業ではよく見かける形式、横に並べてみます。

貸借対照表の、資産、負債、正味財産、の関係は、次のようになっています
資産合計 = 負債合計 + 正味財産合計
この式が、成り立っているかどうかを確認するために、資産、負債、正味財産が縦に
並んでいる場合には、いちばん下は、負債合計+正味財産合計、の金額を入れて、
資産合計と一致しているかをみます。
したがって、解答は、次のようになります。
問:貸借対照表の下記、( )に適切な語句、及び金額を記入しなさい

解説
この問には、多くの方が苦戦された様子でした。
これは、貸借対照表の構造を正しく理解できているかどうかがポイントです。
NPO法人の貸借対照表は、資産、負債、正味財産が、縦に並んでいますが、
企業ではよく見かける形式、横に並べてみます。

貸借対照表の、資産、負債、正味財産、の関係は、次のようになっています
資産合計 = 負債合計 + 正味財産合計
この式が、成り立っているかどうかを確認するために、資産、負債、正味財産が縦に
並んでいる場合には、いちばん下は、負債合計+正味財産合計、の金額を入れて、
資産合計と一致しているかをみます。
したがって、解答は、次のようになります。

NPO法人に関する問題5(税務)
NPO法人に関わる税金に関する問題
問:内容が間違っているものを、2つ選びなさい
@NPO法において「特定非営利活動に係る事業」と「その他の事業」の区分があるが、この区分と法人税法による区分とは全く関係がない
A法人税は申告納税方式であり、事業年度終了後2カ月以内に法人自ら税額を計算して納付する
BNPO法人については、消費税の納税義務が免除されている
CNPO法人が発行する領収書及び受け取る領収書には、収入印紙を貼る必要がない
DNPO法人が契約書を交わす際、収入印紙の貼付に関して、契約文書ごとに課税か非課税かを検討する必要がある
解説
5つの選択肢のうち、「間違っているもの」を選びなさい、という問です。
慌てて解答して、正しいもの、を選ぼうとしてしまうことがあるので注意が必要です。
×B 消費税については、NPO法人だからといって免除はありません
×C 営業に関しないもの、ということで、NPO法人が発行する領収書は収入印紙の貼付は
不要ですが、「受取る領収書」は、発行する相手(企業等)によっては、印紙の貼付は
必要です
問:内容が間違っているものを、2つ選びなさい
@NPO法において「特定非営利活動に係る事業」と「その他の事業」の区分があるが、この区分と法人税法による区分とは全く関係がない
A法人税は申告納税方式であり、事業年度終了後2カ月以内に法人自ら税額を計算して納付する
BNPO法人については、消費税の納税義務が免除されている
CNPO法人が発行する領収書及び受け取る領収書には、収入印紙を貼る必要がない
DNPO法人が契約書を交わす際、収入印紙の貼付に関して、契約文書ごとに課税か非課税かを検討する必要がある
解説
5つの選択肢のうち、「間違っているもの」を選びなさい、という問です。
慌てて解答して、正しいもの、を選ぼうとしてしまうことがあるので注意が必要です。
×B 消費税については、NPO法人だからといって免除はありません
×C 営業に関しないもの、ということで、NPO法人が発行する領収書は収入印紙の貼付は
不要ですが、「受取る領収書」は、発行する相手(企業等)によっては、印紙の貼付は
必要です
会計に関する問題2
問:法人設立1年目のNPO法人ABCの期末財務諸表には、次のデータが記載されている。
この法人の期末貸借対照表の資産の部(資産合計)の金額を計算しなさい。

解説
資産の部の金額を導き出すためには、活動計算書と貸借対照表との関係性を理解しておく必要があります
ポイントは、以下が頭に入っているか、どうか、です。
【活動計算書の次期繰越正味財産額 = 貸借対照表の正味財産合計】

計算手順
1.活動計算書の次期繰越正味財産額、を計算する
経常収益D 360,000円 ー 経常費用E 343,710円 = 当期正味財産増減額F 16,290円
当期正味財産増減額F 16,290円 + 前期繰越正味財産額 0円
= 次期繰越正味財産額 16,290円
2.貸借対照表に当てはめる
貸借対照表の資産A = 負債B + 正味財産C
貸借対照表の正味財産C = 活動計算書の次期繰越正味財産額のため、
負債B 100,000円 + 正味財産C 16,290円 = 資産A 116,290円
結果、正解は、116,290円 となる
NPO法人に関する問題4
NPO法人・NPO法人会計基準に関する問題です。
問:正しいものには○を、間違っている場合は×を
@NPOとは、Non-Profit Organizationの略称であり、特定非営利活動法人のことを指す
ANPO法人会計基準は、不特定多数の市民に対する情報提供を主たる目的とする
B介護事業を営むNPO法人が、法人を解散するにあたって、残余財産の譲渡先に
福祉系の一般社団法人(非営利型)を選定した
それぞれ、いかがでしょうか?
@は「×」です
Non-Profit Organization(非営利組織)のうち、特定非営利活動促進法に基づいて
法人格を取得した法人を、特定非営利活動法人という
Aは「○」です
NPO法人会計基準は会計報告を見る側(情報を利用する側)の視点を最重要視し、
不特定多数の市民への説明を通して、NPO法人の根幹をなす情報公開に資することを
目的として策定されました
Bは「×」です
NPO法人が解散する場合、残余財産は定款の定めにより帰属先を決定しますが、
その定めがない場合は、国又は地方公共団体に譲渡するか、最終的に国庫に帰属することになります
[定款で定めることができる残余財産の帰属先]は定められています
他の特定非営利活動法人・国又は地方公共団体・公益社団法人・公益財団法人
学校法人・社会福祉法人・厚生保護法人
問:正しいものには○を、間違っている場合は×を
@NPOとは、Non-Profit Organizationの略称であり、特定非営利活動法人のことを指す
ANPO法人会計基準は、不特定多数の市民に対する情報提供を主たる目的とする
B介護事業を営むNPO法人が、法人を解散するにあたって、残余財産の譲渡先に
福祉系の一般社団法人(非営利型)を選定した
それぞれ、いかがでしょうか?
@は「×」です
Non-Profit Organization(非営利組織)のうち、特定非営利活動促進法に基づいて
法人格を取得した法人を、特定非営利活動法人という
Aは「○」です
NPO法人会計基準は会計報告を見る側(情報を利用する側)の視点を最重要視し、
不特定多数の市民への説明を通して、NPO法人の根幹をなす情報公開に資することを
目的として策定されました
Bは「×」です
NPO法人が解散する場合、残余財産は定款の定めにより帰属先を決定しますが、
その定めがない場合は、国又は地方公共団体に譲渡するか、最終的に国庫に帰属することになります
[定款で定めることができる残余財産の帰属先]は定められています
他の特定非営利活動法人・国又は地方公共団体・公益社団法人・公益財団法人
学校法人・社会福祉法人・厚生保護法人
2019年04月27日
NPO法人に関する問題3(NPO法人会計基準)
NPO法人会計基準の目的は、次の5つです。
(1)NPO法人の会計報告の質を高め、
NPO法人の健全な運営に資すること
(2)財務の視点から、NPO法人の活動を適正に把握し、
NPO法人の継続可能性を示すこと
(3)NPO法人を運営する者が、受託した責任を適切に
果たしたか否かを明らかにすること
(4)NPO法人の財務諸表等の信頼性を高め、比較可能にし、
理解を容易にすること
(5)NPO法人の財務諸表等の作成責任者に会計の指針を
提供すること
NPO法人会計基準に準拠した財務諸表を作成する際に、
「目的」を正しく理解しておくことが重要です。
これらの目的について、穴埋め問題が出されると
答えられずに間違うケースが見かけられました。
2018年07月28日
会計に関する問題1
基本のテキストには「ファイリング」について
記載している章があります。ここでは、ファイリングの
重要性について触れています。
NPO法人会計力検定では、このファイリングに
ついての設問もありました。
問:次の文章の内容は、〇か×か
「ファイリングの目的は、まず見た目をきれいにすることにより
事務所の美観を整えることである。そうすることで効率よく
仕事をすることができる」
回答:当検定では、この文章は「×」としています。
テキストでは、
「ファイリングは、書類や資料などを業務に役立つように一定の
ルールに従い、分類・整理することで、いつでも、誰でも、
必要なときに、必要な文書を迅速に取り出せるような仕組みを
組織的につくること」とし、「誰が何年後に見ても目的の書類を
すぐに見つけ出せるようにするのが基本の考え方」としています。
しかし、上記、検定の設問に対して
「それは人によって答えは違うのではないか」
と問われたことがあります。確かに、人によって、場所によって、
そして法人によって、ファイリングのルールは違います。
もちろん「見た目がきれいであること」ということも大切ですので
「見た目がきれいであること」を否定しているわけではありません。
が、見た目がきれいことと、「必要なときに必要な文書を
迅速に取り出せる」ことは、かならずしも一致しないのではないかと
思います。
見た目がすごく美しく整然としていても、ファイルをした本人しか
わからないようでは、その本人が不在の場合に、他者が必要な書類を
必要な時に迅速に取り出せませんね。
なかなか悩ましい問題ですが、NPO法人では非常によくあるケース
です。当検定ではこういった「現場でよくあるケース」を重要だと
考えています。
2018年06月10日
NPO法人に関する問題2(NPO法人会計基準)
NPO法人会計力検定「基本」レベル
【NPO法人会計基準に関する問題】から、
間違った解答が多かったものを取り上げてみます。
問)NPO法人会計基準に関する次の文章の( )に入る文言を、
用語群から最も適当と思うものを選んで入れなさい。
NPO法人会計基準は、次の2つの考え方を基本としている。
*市民にとってわかりやすい( )であること
*社会の信頼にこたえるために、正確な( )であること
実際の問題では、「用語群」があり、その中から選択して記載する形
ですが、この空白に入る言葉の選択に、間違いが多くみられました。
解答は、両方とも、「会計報告」です。
もう一問、「財務諸表の注記」に関する穴埋め問題です。

「財務諸表の注記」に関する内容で、必ず必要な最初の項目について、
記載間違いが非常に多くみられました。
解答は、「重要な会計方針」です。
その団体の会計を、どういう方針で行っているかを記載して示すための
箇所であり、とても大切な項目ですので、覚えておきましょう。
2018年06月02日
NPO法人に関する問題1
【NPO法人に関する設問】
問「内容が正しい場合には〇を、間違っている場合には×を」
@NPO法人が事業年度終了後3ヶ月以内に所轄庁に提出し、
公開された事業報告書は、所轄庁のチェックを経た正しいものである
ANPO法で求めている外部報告はNPO法人と直接交流がない
一般市民に対して報告することを意図している
解答
@ ×
A 〇
解説
@は、「所轄庁のチェックを経た」ものではありません。
事業年度終了後3ヶ月以内に提出する事業報告書、計算書類は
所轄庁に見てもらうために出す、のではなく、一般市民に公開
することが目的です。したがって、所轄庁が「チェック」したり
「審査」するものではありません。
NPO法人の信用は、行政の管理や監督によって担保されるもの
ではなく、法人自らの情報公開によって、市民の信頼を得、
市民によって育てられ、築いていくものである、というNPO法の趣旨を
理解しておくことが重要です。