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« 【3月27日 日タイ国際児×外国籍女性を支援するタイ人女性 トークイベント開催!】 | Main | いよいよ明日です★明日の空色〜人身売買と負の連鎖を超えて〜 »
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【いよいよあと2週間!】イベントに向けて理事からご挨拶[2016年03月13日(Sun)]
「3月27日イベントを前に、思うこと。人身売買問題と私」

てのひら理事の村上です。
私がTJC(日タイ国際児)とのワークショップを始めてから約8年が経ちました。
毎年こちらがタイを訪れて開催してきたワークショップですが、
今回初めてTJCを日本に招き、みなさんの前でTJCがスピーチをしてくれる運びとなりました。
ご支援をしてくださるみなさん・TJCセンター如田真理さん・ウェラワーリー山崎パチャラーさん、
そして勇気を持ってスピーチに挑戦してくれるTJC、アイラダーきのうちさんに改めて感謝を申し上げます。

少し個人的な話を書かせて頂きます。
私が日本における人身売買問題を知ったのは、10年ほど前のことです。
1本目の劇場公開映画を監督したあとに、次作の取材を重ねるなかで知った、驚くべき事実でした。

1980〜90年代、バブルで浮かれていた東京で、私は美術大学で絵を描いたり
フィルムを回したりする気楽な日々を過ごしていました。
その同じ時期に、タイを含む多くの外国籍女性が騙され脅され日本に渡り、
強制的な性労働搾取に遭っていたこと。
それが、自分の暮らしている街で起きていたこと。
その悲しみや苦しみを全く知らずに、自分の日常が存在していたこと。
無知が、世界や人を壊すのだ、と思い知らされました。

その後「てのひら•人身売買に立ち向かう会」(現てのひら)を知り、
急かされる気持ちでタイへのスタディ・ビジットに参加しました。
その時は、人身売買問題を取材し映画にすることで人々に知らせねば、という思いがあったのです。

数回にわたる北タイへのビジットでは、様々な人々と出会いました。
かつて日本で人身売買被害に遭ったタイ女性、その子どもたち(TJC)、少数山岳民の子どもたち。
人々の眼差しや暮らし、取り囲む風景に直接触れることで、徐々に自分の思いが変化していきました。

センセーショナルな問題定義で人身売買問題を掘り下げるのではなく、
当事者やその子どもたちがエンパワーされる(人がもともと持っている生き生きとした力や可能性を湧き上がらせる)
ことを通じて、人々とこの問題を共有したい。
そう思ってからは、映画の「テーマ」「モチーフ」として人身売買問題を考えることは止めました。
エンパワメントそのものに取り組みたいと思ったのです。

あの頃、自分がのほほんと暮らしていたこの日本で、人身売買され耐え難い痛みを抱えていた人たちの苦しみを、
そのまま理解すること・ましてや癒すことなど私には出来ません。
私が知っているのは、表現する力を得た時に、人は少し自分を好きになれるということだけ。
ならば、「表現する力」を広げるためのサポートをやってみよう。
独りよがりかもしれなくても、出来ることを始めよう。
TJCが、自分に対する誇りを育てられるように。
そのことで、TJCの母親である女性たちに喜びを感じてもらえるように。

その経過点として、2013・14年にTJCプロジェクトとして一本の短編映画を作りました。
エンドロールに自分の名前を見つけ、TJCひとり1人が浮かべた笑顔は、
彼女ら彼らが持っている力の広がりを感じさせてくれるものでした。

表現する力が、その人を生かす。
今回、TJCのひとりアイラダーきのうちさんが、みなさんの前でスピーチをすることも、
彼女が伸びやかに彼女自身を表現する経験の一つになるよう、願っています。
どうかみなさん、そんな彼女に会いに来て下さい。

ご来訪を心よりお待ちしています。(てのひら理事・村上なほ)

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