楽しみながら広がるエコ活動の輪
ホームページを見ると、〈5月―賀茂川グリーン作戦〉〈6月―キャンドルナイト〉〈8月―ネイチャーゲーム収穫祭〉〈12月―みのかも市民環境大学講座〉…etc. かなり多くの年間イベントを実施していることがわかり、相当人手のあるNPOだとのイメージで訪問しました。
実際伺ってみると(それは間違いではないのだけれど)みのかもグリーンネットは、美濃加茂市の環境団体をコーディネートする“中間支援的な活動”を行っていることが判りました。前述のイベント開催のほか、蛍の棲息地として有名な三和地区の自然保護団体と環境学習事業を運営したり、地域の主婦団体と協働で廃食用油の回収事業、ペットボトル・缶等の資源回収などを行っています。
手作りイベントは、今やまちの恒例行事に
代表の渡邉さんより会の成り立ちを伺って、その活動スタイルに納得。平成13年に施行された「美濃加茂市環境基本条例」により、「みのかも環境まちづくりプラン」が策定されたのが平成15年。そのプランの実働部隊としてさまざまな団体がエントリーしましたが、川の浄化活動、環境学習グループ、資源循環に取り組む会等々、個性豊かな団体の取りまとめを任されたのが「みのかもグリーンネット」設立のきっかけだそうです。
それまで市民運動等の経験はなかったという渡邉さん。問題解決に突っ走るだけじゃダメ、楽しみながらじゃなきゃ続かない!との考えのもと、当初より参加者(市民)に喜んでもらえるイベントを中心に活動を展開し、キャンドルナイトや蛍の保護活動、農園での収穫祭などいくつもの行事が今ではすっかり市の恒例行事となっています。
行政プランのフォローアップから活動は新たな段階へ……
ちょうど10年活動を続けてきて、どんな課題があるのか渡邉さんに率直に伺ってみました。すると……「行事の参加者集めに困ったことはないけれど、会員はなかなか増えず、主体的に関わる人・運営側にまわってくれる人は出てこない。活動をさらに進化させるために、市内の環境団体やNPOの連携組織が要るとの認識はあるが、今ある活動が忙しく、そこまで手がまわらない……」こんな悩みを伺うことができました。
こうした事業の担い手不足は、NPOに限らず、日本中のあらゆる組織にとって共通課題です。さらに言うなら、リーダー不足は深刻な社会問題であるといっても過言ではありません。こうしたリーダー育成の問題に対し、美濃加茂市は今、好機到来かもしれない!そんな話が飛び出しました。なぜなら、日本で一番若い市長が立ち、新たなことに取り組む機運が生まれているからです。渡邉さんも『市長お出かけトーク』などで、既に新市長と何回か懇談しており、こうしたチャンスをとらえて、行政を巻き込んだ《リーダー育成塾》を実施するとよいのでは?という意見も出されました。行政主導の「みのかも環境まちづくりプラン」が、市民の自発的なまちづくりへとつながっていく、今、その分岐点に差し掛かっているのかもしれません。
「みのかもグリーンネット」の主な活動
1.川づくりプロジェクト(主に賀茂川の環境保全)
2.エコハウスプロジェクト(資源の分別回収)
3.廃食用油の回収・再利用事業
4. 省エネプロジェクト
5. キャンドルナイト、収穫祭等の企画・運営
→団体HPへ
理事長・渡邉さんより一言
私達みのかもグリーンネットは一言で言うと「環境をテーマにしたまちづくりをしている団体」です。年間を通して色々な楽しい事業を通じて市民の皆さんと環境・まちづくりについて考えています。今後はもっと楽しいそして多くの市民の方々と美濃加茂の環境について考えていきたいと思っています。さらなるご支援・ご指導をよろしくお願いします。