全国で活躍する名古屋の防災・減災NGO“RSY”

社会に求められる活動を精力的に行っている様子が、その活気のあるオフィスに入ってすぐに感じられることができた。
地震、風水害、噴火など、自然災害が頻繁に勃発する昨今。東日本大震災発生時からまったく息つく暇もなく、西へ東へ奔走するRSYの活動は国内でも類がなく、特筆すべきものだ。阪神・淡路大震災を契機に、日本各地の被災地で支援活動を行ってきたRSYから、その10年にわたる35か所以上の被災現場での経験に基づき、ボランティアの心構えやいかに有効に支援物資を届けるかというミッション、また何よりも、平時のときにこそいかに備えておくことが大切なのか、ということを教わった。
“人と人とのつながり”という大切な『環境問題』

環境NPOとは若干ニュアンスがかわるものの、有事に遭遇したときに、最も大きな力になってくるのは、人と人とのつながりである。人のつながりは人にとっては最も重要な「環境」である。地域活動もなく、隣人がどんな人かも知らない都会で大災害が起こったら、どうなるんだろうか……?
RSYは日本中どこであろうと、今そこで必要としているものを1分1秒でも早く届けるために奔走するとともに、一見平和に日常が進んでいるこの名古屋という都市の有事に備えるために、これまでの類まれな経験を生かして、様々な企画を始めている。もっと多くの市民にRSYを知ってもらい、より多くの市民自身がその活動を進めていくことにつながり、どんな災害がきても、元気に乗り越えられるモデル地域になれた素晴らしいなと、思うところである。
日頃から『備える力』を身につけるために……

全国でも類をみない、防災・減災のNPO。これが私たちの暮らす愛知県にあるというのはなんと心強いことであるか。と同時に、まだまだ多くの人がこの団体の存在を知らないというのは、なんとも残念なことである。災害ボランティアに関わるような事態になっては困るのだが、災害が起こってからでは遅い。しかし有事にならなければ防災の大切さをなかなか実感できないのも事実である。そういった全てを見据えて今、何をしていくことが必要か、それを一番理解しているのがRSYであり、それが少しでも可能になるような協力体制を私たちも微力ながらできないものかと、感ぜずにはいられない訪問だった。
「レスキューストックヤード」の主な活動
1. 災害時の被災者支援活動
2. 日常からの防災・減災活動
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代表理事・栗田さんより一言
実は私、萩原門下生で、法人化で悩んでいた頃、強く肩を押していただいたおかげで現在の自分があります。あれから早や12年。防災も根っこは環境分野です。時に牙をむく災害ですが、地球にとっては単なる自然現象。ただしそこからの被害を最小限にするためには、もっと人間の努力が必要。「リサイクル」という言葉が当たり前になったように、「減災」が同じように理解されていくために諸先輩方の活動に学びたいと思っています。