里山会
豊かな山を守る活動![]() 大野町北部の「森林空間・絆の森」は滝谷山(標高398.1m)、大谷山(356m)を含む人気のハイキングコースです。山には広葉樹が多く、リス、シカ、ムササビなどの動物、鳥や虫、ヒラタケ、キクラゲなどのキノコ類も生息し、晴れた日には名古屋駅や長島まで見渡せるとか。 自然が多く残るこの山も、以前は不法投棄に悩まされていました。ある日山に登っていると、道端にゴミがたくさん!井戸水の利用者が多いこの地域で山のゴミ問題は地下水汚染につながるのではと考えた人たちが、月に一度、山の清掃を始めました。 ボランティアで一年程続けたころ、当時中心となっていた伊藤岸男さんが活動に掛かる費用を出してもらえないか役場に掛け合ったそうです。役場から法人格を取ってくれれば出せると言われ、平成21年2月にNPO法人里山会が設立しました。そして、ちょうどハイキングコースの保守点検をどこに頼もうか検討中だった町から、月に一度の点検を委託されたそうです。 誰か見ている?ゴミ不法投棄を見張るのは・・・![]() 松久正幸さんが設立当時のことを話してくれました。「私が入会した平成21年の春ごろは、ゴミ拾いの最盛期。ロープで降りて行って、パソコンや洗濯機、古タイヤなどを引き上げ、役場所定の場所まで運び込みました」 ハイキングコースの不法投棄ゴミをなくそうと里山会が行ったのは、枯れ木を利用した人形作りです。それと一緒に「水を守ろう!」「ゴミを捨てないでね」と書いた看板も立てました。効果は絶大!誰かに見られているようで捨てにくくなったのでしょう。不法投棄はなくなり、人形の枯れ木が枯れ落ちてなくなった今もコースにゴミが捨てられることはなくなりました。 法人化から7年― 活動が続いている理由コース点検はもともと健康づくりのため毎日のように山に登っていた人たちに、歩くついでに行ってもらっているそうです。とは言え、普段自分が歩かないコースまで点検してもらうには無償のボランティアでは限界があります。行政から業務維持するお金が出ていなかったら活動を長く続けるのは難しかったと伊藤さんは言います。 口コミで増えた会員は今では17人になりました。現在の理事長、福田勝好さんの声掛けで会員になったのは青木定一さん。退職後、時間を持て余していたところ、ソフトボール仲間の福田さんから声を掛けられ、今では二人で一緒にコースの点検をしているそうです。 「今後もう少し若い人を増やしていきたい」と福田さん。「とは言っても仕事を持っている人はなかなか活動に参加できません。定年して時間に余裕のある人たちに入ってもらいたいです」とも話して下さいました。 ハロウィンランタンはカボチャ作りから![]() 里山会の活動は他にもあります。いび地域環境塾で子ども向けに開催しているのは体験農園での「ハロウィンかぼちゃの栽培〜収穫〜ランタン作り」。栽培したハロウィンかぼちゃに子どもたちと一緒に顔を描くと、穴を開けて工作。自分で作ったハロウィンかぼちゃのランタンはローソクを入れていつまでも飾っておきたくなりそうですね。 また、森でラズベリーやマルベリーを採ってジャムを作るイベントを紹介してくれたのは松久幸義さん。10年程前から生態系がおかしいと感じてニホンイシガメの飼育をしている松久さん。ニホンイシガメは日本唯一の亀の古来種で、5年ほど前から岐阜大学が研究に乗り出し、研究には松久さんの育てた亀が使われているそう。そんな松久さんと一緒に山に入れば生き物のこともいろいろ教えてもらえそうです! 活動の積み重ねが築いたもの![]() 昨年、岐阜県で開催された育樹祭のサテライト会場となった大野町では「おおの木育フェア」を開催。町から協力の依頼があり里山会が担当しました。 今では山のことを一番知っているのは里山会!と行政からも地域の方からも信頼の厚い里山会ですが、認知されるようになったのは設立から5年ほど経ったころだったと言います。 次に福田さんたちが目を向けているのは、今問題になっている空き家問題。大野町では住宅地図の業者に調査依頼しているそうです。「スタッフを揃えて行政ができないところをやっていきたい」。「絆の森」のゴミ問題を住民のアイデアで解決した里山会。新しいメンバーを向かえて今度はどんなアイデアが生まれるのか、期待が膨らみます。 「里山会」の主な活動
「里山会」の環境活動理事長・福田さんより一言!![]() 里山会は発足8年、会員は60〜70歳台決して若いとは言えませんが、皆元気に時には酒を呑み、持病の薬を飲みながら、皆がそれなりに頑張っています。 |