ClearWaterProject(クリアウォータープロジェクト)
豊かな水辺環境を未来の世代に![]() 川や海へ遊びに行って「意外に濁っているなあ」「汚い……」などと思ったことはありませんか? ClearWaterProject(以下、CWP)の活動のきっかけは、まさにそこでした。 代表理事・瀬川貴之さんの趣味はサーフィン。そのため海へ行く機会が多いのですが、ずっと「海の汚れ」が気になり「綺麗にできるといいな」と考えていたそうです。自身に子どもが生まれ、子供たちに良い環境を渡して上げたい、という想いも合わさり、ついに行動に移すことを決意。瀬川さんの思いに共感した仲間も自然に集まり、2013年、CWPのスタートとなりました。 しかし、瀬川さんをはじめ、主要メンバーは皆、プログラム開発やコンサルティングなどに携わってきた人たちばかり。実際に水辺環境を変える(例えば土木などの)知識や技術はありません。ならば「自分たちの強みを生かそう!」と始めたのが、ITを軸とした取り組み、Webサービスでした。 だれもが利用・参加できるWebサービス![]() では、CWPが展開するWebサービスとは、どのようなものなのでしょう。 立ち上げ当初にリリースした「AQMAP」は、モニタリング/情報共有ツールです。ユーザーはパソコンやスマートフォンからモニタリングに参加、各地の水辺情報を地図上に登録することができます。そうすることで、どこの水辺に問題があるのかを「見える化」し、行政・企業・環境団体・市民で情報を共有、ともに問題解決に当たれるようにしています。「IT×市民協働」で水辺情報を集約するだけでなく、改善にまでつなげたところが大きな特徴と言えるでしょう。 続いてリリースした「川遊びマップ」は、川遊びの楽しさや安全性、スポットなどを検索/共有できるポータルサイト。例えば、川遊びのできるスポットを条件指定して検索できたり、ユーザーが投稿した写真や情報を見ることができたりします。ルート検索も可。「楽しい」を軸に、川辺に興味を持つ人たちの輪を広げ、水辺のサポートへとつなげます。 そして、「カワサポ」。これは購入型クラウドファンディング(*)を利用したもので、一般市民や企業が、流域を良くしていく団体(環境団体だけでなく他NPO、企業、行政等組織も)を資金面で応援する仕組みです。 瀬川さんは「Webサービスの完成度は20%程度。まだまだこれからです」としながらも、「『川遊びマップ』を入り口に川ファンを増やす→『カワサポ』で水辺の環境団体や活動を支援→『AQMAP』で改善活動を促進」という流れを確実にしていきたいと話します。 人と触れ合うフィールドワークも大切に![]() Webサービスを次々にリリースしてきたCWPですが、時に「ITだけで、実際の現場を知らないでしょう?」「現場、フィールドを持っていないじゃないか」といった声が聞こえてくることもあるとか。しかし、これは大きな誤解です。 「フィールドワークも、私たちの活動のひとつなんです」と話すのは、コーディネーターの伊藤匠さん。これまで、料理教室とコラボした川遊び、川の水質検査フォーラム、子ども向け流域環境講座(「流域Kids2016」全7回)など、さまざまな活動やイベントを企画提案・実施運営してきました。「『水辺環境に興味や関心を持ってもらいたい』のは言うまでもなく、Webサービスを周知するためにも、リアルに人と触れ合うフィールドワークは大事なことで、欠かせません」 ITならではの取り組みで、活動の拡大・継続を![]() 瀬川さんは「現場を主体とした皆さんからしてみれば、ITでの取り組みは、なかなか理解しづらいところがあるかもしれません。けれども逆に、現場だけでは、いつまでたってもボランティアの域を出ないのではないでしょうか」と疑問を呈します。 2016年7月には、新しいWebサービス「つりチケ」もリリースされる予定です。漁協と協力した遊魚券オンライン販売システムで、事前に遊魚券を購入できるため、現地に着いたらすぐに釣りを楽しめるというもの。サイトでは各河川の動画も見られ、釣り場の様子を知ることができます。 「Clear Water Project」の主な活動
→団体HPへ 代表理事の瀬川さんより一言!![]() 私達は、川だけでなく海や湖も、水の中だけでなく周りの空間も含めた「水辺環境」を、生物も溢れ人も楽しい環境にしていくために、ITを軸にしながらも出来ることは何でもやっていっています。今の「ミズベ」は今までの私達の生活の結果で、結局「ミズベ」を変えるには、関わる色々なことを変えていかなければいけないからです。 |