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ピープルズコミュニティ

〜輪之内町から生まれた生ゴミは、輪之内町の土に還そう!〜




いきいき貸農園2_1351.JPG


 こんなにたくさんのゴミが捨てられているなんて……」。ゴミ焼却炉で大量の可燃ゴミが処分されているのを見たときの衝撃が、設立のきっかけになったというピープルズコミュニティ。とにかくゴミを減らそうと「生ゴミの堆肥化」から始めた“普通の主婦”たちの活動は、多くの人を巻き込み、今では町全体の取り組みへと広がっています。




  • どんな団体NPO法人・行政委託型

  • 会員数約460名

  • スタッフ数15名

  • 活動エリア岐阜県安八郡輪之内町と周辺地域

  • 年間予算約1000万円


[2016年05月07日(Sat)]

「可燃ゴミから生ゴミの分別処理」でゴミを減らそう


◆親子で学ぶ「ぎふ地球環境塾」

 岐阜県南西部、揖斐川と長良川の下流に位置する輪之内町。田畑が広がる「輪中のまち」で、ピープルズコミュニティは15年以上、ゴミと向き合ってきました。


 「あまりにもたくさんの生ゴミの混じった可燃ゴミがボトボト音を立てて捨てられているので、びっくりしたんです」と話すのは、事務局長の浅野かつ代さん。平成11年、当時の輪之内町婦人会で可燃ゴミ焼却場を視察したときのことでした。町には生ゴミを埋めるのに十分な土地があるにもかかわらず、回収してわざわざ遠くまで運び、燃料費を使って焼却していました。これに対し『環境の面においても費用の面においても何とかしなければ』と、参加した婦人会役員のみなさんは強く感じたそうです。


 そこで思い立ったのが、生ゴミを可燃ゴミから分別すること。「家庭から出る可燃ゴミの約46%が生ゴミから出る水分ですから、それらをなくせば、可燃ゴミを半分近く減らせるし、燃料の油も削減できます」と理事長の安田裕美子さん。こうして、可燃ゴミから生ゴミを分別し、EM(菌)のボカシ(米ぬかともみがらにEM液を混ぜて発酵させたもの)を使って生ゴミを堆肥化し土に埋める、つまり「可燃ゴミ減量活動」を始めました。婦人会の役員30人によるボランティアでのスタートでした。




ひたむきな情熱が周囲を巻き込んで


◆保育園での生ゴミリサイクル説明会

 一口に「生ゴミの分別処理」と言っても、ボカシの作成から生ゴミの回収・処理まで、やらなければいけないことはたくさん。町役場住民課職員や区長のバックアップを得たうえで、町内53地区において可燃ゴミの減量をするための生ゴミ分別処理を説明、地域住民に理解と協力を求めました。


 しかし、ここで1つの問題にぶつかります。多くの人が環境問題に関心を持ってくれたものの、生ゴミを分別する生ゴミ処理バケツが2,000円、ボカシも購入する場合は月数百円かかることから、取り組みをためらう人が少なくなかったのです。


 そのため、浅野さんたちは「バケツを無料にしてほしい!」と町長へ直訴することに。「その頃は、町長に会うのに手続きが必要だということも知りませんでした」と笑います。「役場の町長室前で待ち伏せして、町長が現れたところを引き止めてお願いしたんですよ」。


 話を聞いた町長が出した条件が「生ごみ分別説明で町の文化会館(650席)を満席にしたらOK」というものでした(ちなみに輪之内町の人口は約1万人)。そのころはチラシの配布や広報紙での告知などの知識や費用もなく、現在ほど各種団体、行政の協力もありませんでしたが、役員が一団結して周囲への積極的な声かけや口コミなどの草の根運動をし、見事にその条件をクリア。当日は、立ち見が出るほどの大盛況だったとか。650人以上を前に「ゴミの分別・減量化の大切さ」「生ゴミ堆肥で育てた野菜のおいしさ」などを説明したこの日を境に、「生ゴミ分別処理」は一気に町全体へ広まったということです。


 「当初の目的は生ごみの堆肥化では無く、とにかく可燃ごみを減らしたいという気持ちでいっぱいでしたが、長年この活動を続けるうちに生ゴミ堆肥の値打ちや重要さがわかってきて、生ゴミ堆肥を使った野菜作りや生ゴミ堆肥で育てた野菜を使ったエコクッキングにも活動が広がりました。」(浅野さん)




町の後押しで、婦人会からNPOへ


◆粘り強く地区説明会を行う

 文化会館での説明会が成功を納め、町から「生ゴミ処理バケツへの補助」「EMボカシの材料の提供」を取り付けた婦人会。加えて、各地区で年2回、自分で使うボカシを町民のみなさん自身の手で作成してもらうことで、ボカシの無料化も実現しました。


 こうして活動が広がる中、婦人会は大きく変わろうとしていました。ボランティアでは支えきれないことを実感していた頃、輪之内町の可燃ゴミが50t減量できていることを知り、活動費として生ゴミ処理費用を請求したのです。しかし町からは「仲良しこよしの団体には払えない。法人格を取得すれば委託契約が出来る。」と指導され、町長への直訴の際にも「いつまでもこのままではダメ。法人を立ち上げるように」と言われたのです。「『NPOって何?』『定款って何?』という状況」でしたが、こうしてNPO設立へと動き出し、役場の職員などに助けてもらいながら勉強を重ねて2年後の平成13年11月、NPO法人ピープルズコミュニティを設立するに至りました。


 法人化とほぼ同時期に岐阜県の県政推進事業に応募し農園造成事業が採択されました。補助金では足りない部分を補うために役場職員とスタッフが現場作業を手伝い、「いきいき貸し農園」(全50区画/1区画20u)をなんとか開園にこぎ付け、管理・運営を始めました。翌年10月には町からの委託で、資源ごみの回収と環境学習の拠点である「エコドーム」(持ち込み資源ゴミ50品目)の管理・運営も任されるようになったそうです。




人と人とのつながりを大切に


◆ボカシ作りに参加する住民の方々

 ここまで順調に進んできたように思えるピープルズコミュニティですが、実際には決して楽な道のりではありませんでした。生ゴミ分別処理協力世帯が増え、埋めることの出来る畑を持たない住宅地世帯の生ゴミ回収を各地区の役員が始めましたが、回収処理はボランティア、しかも回収した生ゴミは各役員が自分の畑に埋めているため、家族からの不満に耐えられなくなる人が続出。また「汚い・臭い・えらい(辛い)」生ゴミ処理に音を上げて辞めていく人も多く、婦人会の頃には30人いた役員が3人になってしまったことも。世代間の考え方の違いなどもあり、後継者の育成は現在でも大きな課題です。


 それにもかかわらず、活動を15年以上続けてこられた背景には、地道な作業の積み重ね、それに伴う周囲の環境意識の向上はもちろん、各地域の住民・区長・町役場との「コミュニケーションの形成」に尽力したことがあったのではないでしょうか。


 例えば、支援団体会議や総会のあとの懇親会などでは、生ゴミ堆肥で育てた野菜も使った手作り料理を一緒に食べながら、本音で語り合える場を設けていることもその一つ。また、年2回行われているボカシ作りも、住民とのコミュニケーションの場になっていると言います。


 「チラシを配ったりするだけでなく、面と向かって話をすることが大事」「真面目に取り組んでいれば、誰かがちゃんと見ていてくれる」と、安田さんと浅野さんは口を揃えます。そして「いい人たちに恵まれました。これからも人と人とのつながりを大切にしていきたいです」と話してくれました。



「ピープルズコミュニティ」の主な活動



  1. 1.ボカシの作成、ボカシによる生ゴミの回収・処理

  2. 2.生ゴミ収集、運搬処理業務

  3. 3.エコドームの管理・運営

  4. 4.いきいき貸し農園の管理・運営

  5. 5.継続的な各地区説明会の開催

  6. 6.ぎふ地球環境塾の管理・運営


→団体HPへ



理事長・安田さんより一言!



 環境問題に取り組む人たちが講師となる「ぎふ地球環境塾」の運営に携わるなど、環境教育にも力を入れています。塾は西濃地域の小学生とその保護者が対象ですが、一緒に楽しく学んでほしいですね。そこから何かを感じて、少しでも環境問題にかかわってもらえるようになれば。環境リーダーを育成することも、目標の1つです。


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