アースアズマザー(母なる地球)
心と体の健康=『食』の見直しから持続可能なコミュニティへ夏野菜が元気に育ち、田んぼに若い稲穂が出始めた8月の上旬、アースアズマザーさんの農事部の拠点、豊田市猿投町と藤岡町に伺いました。この日案内してくださったのは、同法人の副理事長・村野さん。村野さんは、20代のころから多様な事業に携わりながら代替療法や統合療法を学び、「未病※予防」の大切さを実感するようになったそうです。現代人の多くが《未病》状態と思える社会にあって、健康なからだづくりの基本である『食』の大切さ、病は気からというようにメンタル面の健全さ、そして、メンタルヘルスに大きく関わる仕事や人と人とのかかわり方の問題、ひいては生き方そのものを問い直す取り組みの必要性を感じていたとき、想いを同じくし、メンタルヘルス・カウンセラーとして活躍する当時、「環境と人のあり方を考える会」代表の山本さんとの出会いがありました。こうして運命的出会いにより共感共鳴しあったお二人の未来への想いを、行動に移し実現するために2007年に設立されたのがNPO法人アースアズマザーです。 ※《未病》とは、現代医学で病気と診断されなくても、病気へ向かって体調が低迷している状態を指す。 『市民農園』や実践農から始まった!有機循環自然農法実証事業アースアズマザーさんの取り組みは、心身ともに健康に生きてゆくために暮らしをどうするのか?という視点から組み立てられています。ですから、『心の学校』は心の健康のため、『農事』は体の健康のため、『モノづくり・伝承』と『福祉』は社会(人と人とのかかわり)・文化の健康のため、『環境問題』は文明の健康のため……ととらえると、とても筋の通った取り組みをされていると感じます。しかし巷では、モノゴトを分野ごとにたて分けて見ることが多いせいでしょうか? 暮らしや生き方そのものについて多角的で総合的なアプローチをするアースアズマザーさんの活動に対し、『わかりづらい』という声もあるそうです。 それなら、モデルを示すことが大事!と考え、取り組まれているのが豊田市での事業です。 農と福祉をベースに『半農半就』の暮らしと生き方モデルをつくる!「藤岡へ来るまでに紆余曲折はありましたが、会の設立当初から、『半農半就』というスタイルで、誰もが健康に笑顔で暮らせるコミュニティのモデルづくりをめざしていたんですよ」と語る村野さん。藤岡で『市民農園』や有機循環自然農法を実践する中で、元気でおいしい野菜が育つ自然農法の取り組みが少しずつ進み、村野さんたちの活動は、地域の方々に徐々に理解されていったそうです。また、農業の取り組みだけでなく、地元の方々との付き合いを大切にする中で、収穫物の選別や出荷作業等を行う作業所、スタッフの住まいとなる家を借りることができ、さらには農事に携わるスタッフや村野さん自身も家族とともに豊田市猿投や藤岡地区に移住を決行。この地域で障害のある人もない人も、老いも若きも『農』に関わりながら暮らす、持続可能なコミュニティづくりに本格的にかかわっています。 未来につなぐ『食育』・若者の『自然農体験』受け入れ 最後に訪れた農事専従スタッフの住まい、通称『猿投寮』では、ボランティアとして来ていた名古屋の高校生たちと会いました。彼らは、アースアズマザーさんが農産物を販売するマルシェで出会い、ぜひとも農体験をしたいと足を運んでくるそうです。この日も朝早くから農作業で汗だくになりながらも、収穫した野菜に舌鼓を打ち、理事長の山本さんや村野さんの『食』にまつわる豊富な話題に知的好奇心を刺激され、ここへ来るのがとても楽しい!と語る姿が印象的でした。 そう語る山本理事長のお話に大きく共感! 採れたてのスイカと村野さん手作りの美味しい紫蘇ジュースをごちそうになり、幸せな気持ちでその日の訪問を終えたのでした。 アースアズマザー(母なる地球)の主な活動
→団体HPへ →活動ブログへ 村野さんより一言!
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