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NPO法人 地域の未来・志援センター
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アースアズマザー(母なる地球)

〜未来の子供たちのために、健康で持続可能な農業・福祉コミュニティを目指して〜



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 同団体は現在、『マザリーアースプロジェクト』と題して『心の学校』『農事』『寺小屋』『福祉』『環境保全』の5事業を推進しています。今回の訪問では、地域の自然と共生するコミュニティ農業の在り方を追及する実践地、豊田市藤岡地区をお訪ねしました。




  • どんな団体NPO法人、事業型

  • 会員約70人

  • 活動エリア豊田市藤岡地区など

  • 年間予算約5,900,000円


[2015年09月01日(Tue)]

心と体の健康=『食』の見直しから持続可能なコミュニティへ


豊田市藤岡地区の市民農園

 夏野菜が元気に育ち、田んぼに若い稲穂が出始めた8月の上旬、アースアズマザーさんの農事部の拠点、豊田市猿投町と藤岡町に伺いました。この日案内してくださったのは、同法人の副理事長・村野さん。村野さんは、20代のころから多様な事業に携わりながら代替療法や統合療法を学び、「未病予防」の大切さを実感するようになったそうです。現代人の多くが《未病》状態と思える社会にあって、健康なからだづくりの基本である『食』の大切さ、病は気からというようにメンタル面の健全さ、そして、メンタルヘルスに大きく関わる仕事や人と人とのかかわり方の問題、ひいては生き方そのものを問い直す取り組みの必要性を感じていたとき、想いを同じくし、メンタルヘルス・カウンセラーとして活躍する当時、「環境と人のあり方を考える会」代表の山本さんとの出会いがありました。こうして運命的出会いにより共感共鳴しあったお二人の未来への想いを、行動に移し実現するために2007年に設立されたのがNPO法人アースアズマザーです。


※《未病》とは、現代医学で病気と診断されなくても、病気へ向かって体調が低迷している状態を指す。



『市民農園』や実践農から始まった!有機循環自然農法実証事業


紫のコメが実る「紫黒米」を栽培

 アースアズマザーさんの取り組みは、心身ともに健康に生きてゆくために暮らしをどうするのか?という視点から組み立てられています。ですから、『心の学校』は心の健康のため、『農事』は体の健康のため、『モノづくり・伝承』と『福祉』は社会(人と人とのかかわり)・文化の健康のため、『環境問題』は文明の健康のため……ととらえると、とても筋の通った取り組みをされていると感じます。しかし巷では、モノゴトを分野ごとにたて分けて見ることが多いせいでしょうか? 暮らしや生き方そのものについて多角的で総合的なアプローチをするアースアズマザーさんの活動に対し、『わかりづらい』という声もあるそうです。


 それなら、モデルを示すことが大事!と考え、取り組まれているのが豊田市での事業です。
そのひとつが平成23年から取り組んでいる豊田市との共働事業、藤岡地区『市民農園』で、コンパニオンプランツ(草花との共生)有機循環自然農法の講座と現場実習を行い、安心安全な野菜づくりを行っています。この『市民農園』は今年5期目を迎え、今では初期の受講者が農園の管理や講師を務めるなど、市民ファーマー育成の場ともなっているそうです。また、その実績により、今では猿投藤岡地区でも増加している遊休農地や耕作放棄地、約3ヘクタールの農地で野菜や米づくりを行っています。そうした中、アースアズマザーでは豊田藤岡のブランドの農産物づくりを豊田市わくわく事業でも起案し、『藤岡』の藤色→紫色の野菜(紫芋や紫米、紫キャベツなど)をブランド化したいと言う思いから「紫プロジェクト」で、藤岡地区を元気にする活動にも取り組まれています。




農と福祉をベースに『半農半就』の暮らしと生き方モデルをつくる!


一軒家を借りて、収穫後の作業場に

 「藤岡へ来るまでに紆余曲折はありましたが、会の設立当初から、『半農半就』というスタイルで、誰もが健康に笑顔で暮らせるコミュニティのモデルづくりをめざしていたんですよ」と語る村野さん。藤岡で『市民農園』や有機循環自然農法を実践する中で、元気でおいしい野菜が育つ自然農法の取り組みが少しずつ進み、村野さんたちの活動は、地域の方々に徐々に理解されていったそうです。また、農業の取り組みだけでなく、地元の方々との付き合いを大切にする中で、収穫物の選別や出荷作業等を行う作業所、スタッフの住まいとなる家を借りることができ、さらには農事に携わるスタッフや村野さん自身も家族とともに豊田市猿投や藤岡地区に移住を決行。この地域で障害のある人もない人も、老いも若きも『農』に関わりながら暮らす、持続可能なコミュニティづくりに本格的にかかわっています。



未来につなぐ『食育』・若者の『自然農体験』受け入れ


楽しかった!また来たい!と高校生たち

 最後に訪れた農事専従スタッフの住まい、通称『猿投寮』では、ボランティアとして来ていた名古屋の高校生たちと会いました。彼らは、アースアズマザーさんが農産物を販売するマルシェで出会い、ぜひとも農体験をしたいと足を運んでくるそうです。この日も朝早くから農作業で汗だくになりながらも、収穫した野菜に舌鼓を打ち、理事長の山本さんや村野さんの『食』にまつわる豊富な話題に知的好奇心を刺激され、ここへ来るのがとても楽しい!と語る姿が印象的でした。
「若者が当団体の活動に触れ、『食』をはじめとする環境問題に気づきを得てくれるだけで意味があると思っています。大学進学や就職で、すぐに農や福祉に携わらなくても、ここで感じたことを心の中に持ち続け、いつか何らかのカタチで行動に結び付けてくれると信じています。人がシアワセになるには、自己実現だけでなく地域社会に尽くす生き方も大切だと感じ取ってくれたらいいですね。」


そう語る山本理事長のお話に大きく共感! 採れたてのスイカと村野さん手作りの美味しい紫蘇ジュースをごちそうになり、幸せな気持ちでその日の訪問を終えたのでした。



アースアズマザー(母なる地球)の主な活動



  • 1.心の学校

  • ・メンタルヘルスセミナーの開催

  • 2.農事 〜安全安心・食して美味しい〜

  • ・季節の野菜セット宅配

  • ・食育食農体験イベントの開催

  • ・朝市やマルシェへの出店

  • 3.寺子屋 〜もの作り・伝承〜

  • 4.福祉 〜共生・相互互助精神〜

  • ・高齢者、障がい者との作業所づくりなど

  • 5.環境保全 〜地球環境との共存〜

  • ・市民農園講座、開設運営


→団体HPへ

→活動ブログへ



村野さんより一言!



大自然に活かし生かされていることに気づき、心より全ての存在に「ありがとうございます」と感謝する気持ちを持てるようになりました。土づくりと作物づくりを通じ、自然の摂理に順応し調和する大切さを学びました。未来への虹のかけ橋となる希望の種を自らが植えてみませんか?ご興味ある方、持続可能な「真農業福祉コミュニティづくり」ご協力ご支援お待ちしております。お気軽に農事ボランティアや活動、食育食農イベントにご参加してみてください。