三重県北部の海岸線でウミガメの調査活動

「かめっぷり」は、ウミガメ類とスナメリのストランディング調査※を行っている三重大学の生物資源学部サークルです。市民活動同様にセブンーイレブン記念財団等、各種環境活動支援事業からの活動助成を受けて、本格的かつ継続的に調査・研究活動を実施しています。彼らの活動エリアは、三重県川越町から津市にかけての海岸線約45km。砂浜を歩き、ウミガメの上陸跡やスナメリの漂着死骸(しがい)のデータを集めたり、ウミガメの産卵巣の保護やふ化後に残された卵の殻数を数えてふ化率の調査、また、ウミガメが産卵できる美しい砂浜の環境整備も行っています。
※「ストランディング」とは、生物が海岸に死亡漂着することを主に指し、その調査によって、普段知ることができない海洋生物の実態に迫ることができます。地域の団体や調査研究を行うNPOとも連携

何十キロにもわたる海岸線の調査は、時間と労力、そして交通費などのお金もかかる大変な作業です。いくら若くて体力があるとはいえ、果たしてどれだけできるのか?疑問に思い聞いてみると、やはり、地元の環境保護団体や地域住民の協力によって活動は支えられているそうです。「かめっぷり」が発足したのは2000年。先輩から後輩へと地道な活動が受け継がれる中で、徐々に地域の人々の間にウミガメ保護への理解が広がり、「ウミガメの足跡が○×△海岸にあったよ!」「スナメリが○×△の浜にうちあげられたよ!」と声をかけてくれる協力者が増えてきました。また、研究のレベルアップをするために全国組織であるNPO法人 日本ウミガメ協議会(→
http://www.umigame.org/index.html)の一員となり、日本中のウミガメ保護団体と親交を深めています。
貴重な個体(ウミガメの)発見や謎の現象を調査で解明!

私たちが訪問した日は、年度半ばの活動報告会の日。メンバーの大半が集結し、若者らしく非常に上手なプレゼン資料を作成してそれぞれの活動を発表していました。左の写真は、今年のウミガメ調査の中で最も巨大な「オサガメ」の死亡漂着。彼らが発見したこの個体は、NPO法人日本ウミガメ協議会の研究員が持ち帰り、貴重な研究材料となるそうです。三重県北部の海岸に上陸するのは主にアカウミガメであり、体長1m50cmにもなる巨大なオサガメが漂着するのは非常に稀なこと。このウミガメがなぜ、この浜に打ち上げられたのか? また、その死亡原因を探ることで、海の環境について見えてくるものがあるそうです。
生き物が大好きな若者が集う研究サークル。その将来は?

サークルのメンバーが所属する生物資源学部は聞きなれない学部名ですが、従来の農学部や水産学部、農獣医学部を改組してできた学部です。ですから、ここに集まるのは自ずと「動物が好き」「生き物や自然が好き」という学生が多いのが特徴。なんとも温和で優しげなタイプが多いのもうなずけます。生き物好きの心優しい若者たちが、どんな仕事を希望しているのか聞いてみました。
「サークル活動で目覚めたウミガメの保護・調査活動を仕事にできたらいいんですけど……ウミガメに限らず、多くの学生が動物に関する仕事をしたいと思っているのですが、よくて水産試験場のようなところ。多くが食品加工などの会社へ就職するのが現状です……」
やはり、自然にかかわる仕事というのは、お金にならないから雇用が少ないのが現実。彼らが大学で学んだこと、得たこと、研究したことを活かせるのが『持続可能な社会』実現への一つの道ではないでしょうか?……彼らのやりたい仕事が成立する世の中に!と強く感じた訪問でした。
「かめっぷり」の主な活動
1.アカウミガメの上陸・産卵及びストランディング調査
2.スナメリのストランディング調査
→団体HPへ
部長・津本さんより一言

三重大学ウミガメ・スナメリ調査保全サークルの代表の津本です。本サークルは、自然(生物)を身近に感じながら三重県内ときに県外までアクティブに調査・活動をしています。
ウミガメの産卵・スナメリのストランディングのシーズンになると毎日が貴重な体験の連続です!三重にお立ち寄りの際は、ぜひ三重の海の魅力に触れてみてください。貴重な体験ができるかもしれませんよ!