森や湿地の管理を柱に「森あそび」「自然学習会」も実施

豊田市の中心市街地から車で約10分。とよた自然わくわくクラブ(以下、わくわくクラブ)の活動フィールドは「豊田市自然観察の森」です。でも、いったい「豊田市自然観察の森」ってどんな森なんでしょう?―このフィールドは、面積28.8ha(周辺地域は124.5ha:東京ドーム約26個分)にも及ぶ緑地帯(里山)の総称で、環境省の指導と補助によって全国に10か所設置された施設のひとつだそうです。その所轄は豊田市で、市から指定管理者として運営・管理を任されているのが日本野鳥の会、そしてその活動を支える地元ボランティアグループのひとつが、わくわくクラブというわけです……“あ〜やっとわかった!”とスッキリしたところで、こちらも自己紹介。わくわくクラブの皆さんだって、地域の未来・志援センターってどんな団体? 話を聞きたいってやってきたけど、何が目的?とややいぶかしげなご様子……。
きちんとした年間計画に基づき、ミッション遂行

互いの紹介がおわったところで本題です。同団体は、間伐と外来種駆除を中心に雑木林の管理を行い、貴重な生きものが生息する湿地の保全も担っています。また、森や田んぼで実施する子ども対象の森あそびや、里山管理作業の体験イベントも企画・運営するなど、とてもアクティブに活動されています。会が発足して約10年、当初は手探り状態で間伐作業を始め、随分苦労されたそうです。しかし、勉強熱心な皆さんは他の団体へ修業に行ったり、セミナーを受講したりして着実にノウハウを蓄積。活動のレベルがアップするにつれ、チェーンソーを増やし、収納庫を揃え……と次第に資金面もグレードアップして、今では市の予算に頼らずに、様々な助成金申請によって資金をまかなっているそうです。
小学生が集まらない?!自然体験学習会

自然が好き、森での活動が楽しい!と集っている皆さんですが、研究を重ねた間伐技術と実直で計画性のある活動実績で、運営主体の日本野鳥の会からも頼りにされるかなりの実力団体です。会の運営にも課題らしいものはなく、悩みなどないのでは?と思われましたが、徐々に打ち解けて話を伺ううちに、興味深い問題に突き当たりました。それは、森あそびや自然学習会に小学生が集まらず、参加者の低年齢化が起こっているというお悩みです。体験型の自然学習は工作や観察が主な内容で、本来は小学生を対象としたプログラムになっています。にもかかわらず、乳幼児が増えてしまい、プログラムが成立しないという事態が発生しているそうです。
これでいいのか?子育て環境。なんだか気になる問題です

しかもこの現象、どうやら日本のあちこちで同時多発中……日本野鳥の会のレンジャーさんからも、最近、全国の類似施設で同じような話を聞いたと伺いました。“忙しすぎる小学生”の問題は現代社会の縮図。それがこんなところにも影響を及ぼしているのでは?と危惧してしまいます。早合点は禁物ですが、見過ごしてはいけない問題のように思えます。今後、子ども対象企画を実施する他の団体にも話を伺い、気にかけていきたい問題だと感じています。
「とよた自然わくわくクラブ」の主な活動
1. 豊田市自然観察の森の間伐・湿地整備作業
2. 「森あそび」「子どもわくわく自然学習(自然体験学習)」の企画・運営
3. シイタケ栽培やイノシシ対策など里山保全活動
→団体HPへ
代表・山内さんより一言
平成14年にクラブが発足し11年が過ぎ、メンバーも少しずつ変わり活動そのものも変わってきていますが、クラブの発足当時からクラブの目的そのものは変わっていません。 子どもを含む多くの市民が自然を体験的に学び、自然の素晴らしさに気づき、自然とのふれあいを推進する人材育成と里地の整備をすることで、豊田市自然観察の森を魅力的な自然学習の場とすることを目指して活動しています。一緒に活動してみたいと思われた方はご連絡ください。
〒471-0014
愛知県豊田市東山町4丁目1206番地1
豊田市自然観察の森
Tel: 0565-88-1310 FAX: 0565-88-1311