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3月24日「遺伝子組換えの現状と未来」シンポジウムの報告 [2016年03月30日(Wed)]
 市民キャビネット農都地域部会は、3月24日(木)夕、「遺伝子組換えシリーズ・シンポジウム 〜遺伝子組換えの現状と未来を考える」を開催しました。
 →イベント案内
 →シンポジウム レポート(PDF)

3月24日シンポジウム

 遺伝子組換え(GM)作物の生産が急増しています。遺伝子組み換え操作技術は、医薬品・食品添加物等の大量生産や品種改良へ応用が広がっており、欧米では安全性の議論が盛んです。今回のシンポジウムは、部会の「食・農・環境グループ」が、遺伝子組換え農作物と食品の現状を知り、今後について参加者と一緒に考えるため開催しました。
 会場の港区神明いきいきプラザに60数名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。


3月24日シンポジウム

 第1部は、国立研究開発法人農業生物資源研究所 機能性作物研究開発ユニット 農学博士の田部井豊氏より、「遺伝子組換えの現状と未来を考える」のテーマで講演がありました。
 田部井氏は、遺伝子組換えの歴史、世界の動きと日本の現状、研究最前線の内容について、遺伝子組換えによる作物の品種改良、遺伝子組換え技術の長所と短所、農作物の利用の現況、技術と安全性評価、生物多様性影響評価、食品としての安全性評価、遺伝子組換え技術による問題とされている事柄、世界の栽培状況と日本への輸入量などの説明をされました。
 遺伝子組換え食品についてはみんなで考える必要があるということや、サイエンスコミュニケーションの実例の紹介などもあり、最後に、一方的な価値を押しつけるのではなく双方を理解しつつ「共存」を目指すべきではないかとお話しされました。

 →田部井豊氏のプレゼン資料(PDF)

 ※田部井氏の講演内容はシンポジウム レポートに掲載されていますので、どうぞご覧ください。


3月24日シンポジウム

 第2部は、初めに、ルナ・オーガニック・インスティテュート(自然食研究)主宰、「サルでもわかる遺伝子組み換え」サイト作者の安田美絵氏により、「遺伝子組み換え食品の危険性」のテーマでコメントがありました。
 安田氏は、残留農薬の害(除草剤耐性遺伝子組み換え作物の場合)、Bt毒素の害(殺虫性遺伝子組み換え作物の場合)、遺伝子組み換え自体が生み出す害、遺伝子組み換えの本質的な問題の原因などについて、資料を元に説明されました。
 また、公開されたドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット』、私たちの食の現実、科学が捻じ曲げられていることを知ろう、自分で主体的に考えよう、などのお話もありました。

 →安田美絵氏のプレゼン資料(PDF) *当日資料+追加分

 ※安田氏の講演内容はシンポジウム レポートに掲載されていますので、どうぞご覧ください。


 続いて、「遺伝子組換えの現状と未来を考える」のテーマで意見交換が行われました。遺伝子組換え食品に対しては立ち位置の異なる田部井氏、安田氏のお二人と、会場の参加者間で活発な議論が行われました。

3月24日シンポジウム

 アンケートへ多数の参加者から回答をいただきました。その一部をご紹介します。

 第1部の田部井氏の講演・質疑については、「非常に勉強になりました。GMOは収量アップと機能向上の為の一手段と考えるべきで、すべては『育種目標の設定』にあると言っても過言ではない」、「とても丁寧にしっかりした内容でした」、「共存を強調されていたことに可能性を感じた」、「遺伝子組換え作物について科学をベースにした信頼できる話が聞けてたいへん良かった」、「今の政府と同じように都合の良いデータで結論を導かれているように感じる。経済合理性を重視するための裏付けは空しく感じる」、「人類がここまで地球の生態系を食物の調達により壊してきてそれが人類の繁栄と人口増を産んだが、産業革命以降は地球上の共存生物を駆逐してきたと感じた」、「遺伝子組換え品は安全性確認不十分らしい」などの感想・意見がありました。

 第2部の安田氏のコメントについては、「除草剤のラウンドアップによりグりフォード成分があるため妊婦に影響があると聞き、遺伝子組換えは怖いと思う。又、モンサント社のあいまいな安全審査申請書が出回っており、私たち自身で考えていくことを放棄した結果が危険を及ぼしていると思った」、「今日はじめて来たため、知らないことだらけで驚きでした」、「共感できるものが多くあった。危険性が排除できないものに対しては注視する必要があると思った」、「海外の事例はなぜ起こったのか原因追究してほしい」、「モンサントだけの問題なのか、法の問題なのか」、「大まかには、科学的部分とあまり科学的ではない議論の場のように思えたが、必要なプロセスだ」、「信頼できる科学的な根拠を示されなかったので説得力に欠けた」、「殺虫剤、農薬の影響と同等視する立論はおかしい」などの感想・意見がありました。

 意見交換については、「両論を聞けたのはよかった」、「科学者と反対派を同時に招待したという意味で非常に画期的でした。また続けてください」、「極端なお二人以外にニュートラルな人がいないと議論にならないと思った」、「遺伝子組換え食品による危険は避けたいというのが心情、きちんと区分けして判断できればよいが。いずれにしても何を選ぶかは自分の調査と見識で決めるしかない。対極の立場の代表者に話していただいたことで、判断しやすくなり有意義だった」、「安全第一で科学の限界に惑わされぬよう長年の歴史が保証するものを摂りたい。一企業の利益のために惑されたくない」、「実際に農業、畜産業に携わる人々がしっかり選択し、危険、異常を確かめながら取捨選択すべき。遺伝子組換えでない安全で苦労が多い農業を国民が支持し、医療費や介護に大きな国家予算の要らない社会にしてほしい」、「『GM作物に頼らずに食料需要を満たすことができるか?』の問いは本質的。これに対する安田さんの回答も明快だったが、その根拠を深めるシンポジウムを期待する」、「お二人で話し合う時間をもっと増やして欲しい」、「質問のバランスがとれていた」、「みなさんなかなか冷静だと感じた。もっと反対意見が出るかと思っていた」、「質問に満足な回答をいただけずはぐらかされたようで残念」、「日本に事例が無いのは不思議」などの感想・意見がありました。

 今後やってほしい勉強会の希望等については、「GMOを許容できる範囲や分野について具体的に議論すべき。判断基準を設定して共有するプロセスが必要と思うのでさらに議論を詰めてほしい」、「河田昌東氏や日本モンサントの方の話を聞きたい」、「遺伝子組み換えの表示について何を基準に食品を選べばよいか知りたい」、「出回っている商品群と代替品」、「TPP、ISD条項が発動される懸念は?」、「日本の食の自給率を上げる活動に期待」、「農業の6次産業化の具体的な推進策(農業の出口は食料だけではない)」などの提案・要望がありました。

3月24日シンポジウム

 今回も盛況なシンポジウムとなりました。たくさんの参加者の声を聞き、遺伝子組換え食品について幅広い層の関心があることがよく分かりました。さまざまな課題があることから、今後も多様な視点で考えて参りたいと思います。
 講師・コメンテーターの皆さま並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 19:42 | 食農環境G 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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