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3月27日「有機農業・農産物の“いま”を知る」講演会の報告 [2015年03月31日(Tue)]
 市民キャビネット農都地域部会は、3月27日(金)18時半から、「食・農・環境 講演会『有機農業・農産物の“いま”を知る』」を開催しました。
 →イベント案内
 →講演会レポート(PDF)

3月27日有機農業講演会

 今回は、昨年前半に3回開かれた「農薬から農業と環境を考える」シリーズ・シンポジウムに続く食・農・環境分野として、有機農業・農産物を取り上げることになりました。本講演会に先立って、1月29日に山武市の有機農場視察が行われました。
 会場の港区三田いきいきプラザに約40名の参加者が集まり、講演とコメント、質疑応答が行われました。進行は、農都地域部会運営委員の園田が務めました。
 最初に、農都地域部会の杉浦代表から、農都部会は5年前の設立時に「学校給食の有機化」の提言をしたが、3.11後の社会の変化によりあらためて有機農業を考える勉強会を開くことになった、有機農業とは何かから勉強したい、と挨拶がありました。

3月27日有機農業講演会

 第1部は、NPO法人日本有機農業生産団体中央会事務局長の加藤和男氏により、「有機農産物の日本農林規格」のテーマで、講演が行われました。

 加藤氏は、有機農産物とは規格を守った農産物であり、安全な環境で作られた有機農産物は結果的に安全という考えである、と説明をされました。
 有機農産物の日本農林規格(有機JAS)は有機農産物の生産の方法を決めている。農業の自然循環機能の維持増進を目的とし、化学肥料や農薬を使用しないことを基本に地力を活用した生産を行い、環境への負荷を低減した栽培方法を実践することが求められている。認定を受けた生産行程管理者がこの規格を守って生産し、格付したものでない限り、生産した農産物に「有機栽培」「有機」「オーガニック」などの表示行うことが禁止されている。有機農産物はこの規格を守って生産した農産物である。
 圃場の場所の条件や履歴、種子から始まって、育苗、肥培管理、病害対策から収穫後の管理まで各行程に基準がある。また有機が環境を考えた基準であることを示す例としてキノコの廃ホダの再利用の例がある。「きのこ類を生産する過程で産出される廃ほだ、廃菌床等については、これらを堆肥、飼料等に再利用することにより自然循環機能の維持増進が図られていること」とされる。

 →加藤和男氏のプレゼン資料(PDF)

3月27日有機農業講演会

 第2部は、國學院大學経済学部教授、NPO法人日本有機農業研究会理事の久保田裕子氏からコメントをいただきました。
 久保田氏は、第1部の加藤氏のお話を受け、まだまだ有機農産物は全体から見れば少ない、超党派の議員立法として2006年に制定された有機農業推進法(有機農業の推進に関する法律)は画期的な法律で、翌2007年に農水省は基本方針(有機農業の推進に関する基本的な方針)を策定し、自治体に有機農業推進基本計画を作らせることになった、それにより有機農業は拡大していくはずだが、まだ政策的には不十分で、特に、「表示」「認証」などの課題が大きい、とお話をされました。

 日本での有機農業は、1970〜80年代に、消費者グループが有機農家や農家グループと直接取引をし、継続して買うことにより生産者グループは継続して安定的に作ることができ、それぞれにとってのメリットとなって、各地に定着して発展してきた経過がある。これは産消提携と呼ばれ、このようなローカルな有機農畜産物の取扱いは、欧米でも南米、近年は中国でも、CSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー、地域支援型農業)と呼ばれるなどして広がっている。
 そうしたCSAや地域・国内での流通を主として小規模農家の手の届く表示保証のしくみとして、この数年で国際有機農業運動連盟(IFOAM)が提唱しているPGS(Participatory Guarantee Systems、参加型保証システム)がある。この場合、基準(規格)としては、IFOAMの基礎基準や各国での公的有機基準(日本でいえば有機JAS規格)を使う点では同じだが、その認証や保証のしくみ(JAS法の場合、第三者認証を義務づけ)、つまりアプローチの違いである。
 地域における有機農業振興のためには、地域に根差す方法で関係者や農家同士、消費者が協力して取り組む「参加型」の保証のしくみは、外国でも熱い注目が集まっているが、日本においても着目されるべきものである、などのお話もありました。

3月27日有機農業講演会

 続いて質疑応答が行われ、有機農業や水と健康の関係は?の質問に、加藤氏からお話がありました。次はその一例としてです。
硝酸態窒素による地下水汚染の一番大きな原因が農業にあることを環境省が示している。有機農業なり環境保全型農業はこうした問題を改善していく社会的使命があるのではないか。人間の体も70%が水と言われる。どんな水を体に入れているのかは、健康におおいに影響がある。
・地下水を汚染してしまうような硝酸態窒素を多く含む土壌で育った野菜はまた硝酸態窒素を多く含むことをさきほど示した。原則的方法で栽培された有機農産物は、硝酸態窒素が少ないことも示した。もちろんどんな有機栽培でも硝酸態窒素が少ないわけではないが、少なくても本会が認定圃場のものを測定している限り少ない。
環境を大切にする有機農業が人の健康につながると思う。

 また、政府は有機に対する方針がほとんどない、消費者の問題というより行政を含めたPR不足と思うという参加者からの意見に、久保田氏から、まさに政策の問題だ、行政も消費者ももっと勉強しなければとの回答がありました。

 →講演会レポート(PDF)

3月27日有機農業講演会

 終了後、講師の先生方を交えて交流会を行いました。楽しく意見交換もできました。加藤氏に出発点をお聞きしたところ、有機中央会の関係者の多くは美味しいものを作りたいというところから有機農業にたどり着いた、若い有機農業者たちが次の日本の農業のリーダーとなっていくことを願っている、日本の農業のリーダーに育ってほしいと考えていると教えていただきました。

 「一口に有機農業と言ってもいろいろあるのがよくわかった、都市近郊の比較的小規模の有機農家(有機JAS認定は取得していない)は度々訪問しているのでその実態は理解していたが、有機中央会さんはJAS有機認定機関として主に大規模有機農場を巡回しておられるので全国の豊富な実際事例を紹介してくださり参考になった、近々フィールドワークで大規模有機農場の視察・見学をしてみたい」
 「3.11後に有機農産物は東日本の稲作が減り西日本の野菜が伸びたとのことだが、日本の消費者が風評で東北のものを買わないことを憂慮している、消費者が変わらなければ日本の農業はダメになるとの話には同感だ」などのご提案、ご意見もありました。

3月27日有機農業講演会
会場近くで咲いていた桜

 アンケートは、参加者の約三分の二から回答がありました。「有機農業の全体像がわかりやすく教えていただきました」、「規則が出来上っていることを初めて知った。もっと一般人の参加した規則が好ましいのではないか」、「有機農業の現場と事例は何かと参考になったり、イメージがわきます。有機の農産物の品質に関する情報やデータが探りたいです。PGS(参加型認証システム)はそのシステムの詳細や流れを知りたい」、「硝酸態窒素の問題を大きなテーマにすることや、良い土は微生物の量が多いなど共感しました」、「有機農業の基準が厳しくて、間口が狭くなっている気がする。生産者が楽しんで出来る農業に成りえるのか」、「学校などの教育機関や、流通の中でも自然食品店(その町に根ざした個人レベルの)を交えての議論や交流があればと思います。食や農のことだけではないですが、教育が肝要かと思います」などのご意見、ご提案がありました。

 今回こじんまりまとまった良い会になったと思います。有機農業・農産物についての理解が進み、課題を深く考える有益な場になりました。講師並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 12:04 | 食農環境G 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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